短々落語「青天の霹靂」
400文字以内のショートショート落語臭
「青天の霹靂」
何、お前さんが奢ってくれるのかい。こりゃあ、青天の霹靂だ。
9時にくじが当たったんだ、ところで何だい、その青天の霹靂って。
青天とは青空、霹靂は雷のことじゃ、つまり青空に雷なんて起こりえないことから、予想外のことが起こることの例えじゃ。
あっしの奢りがそんなに予想外なことかい?まぁいい、で、ご隠居、何を喰いたいかい?
そうだねぇ寿司を喰いたいねぇ。
いいねぇ寿司いきやしょう。
(二人は意気揚々と店に向います、と)
あれ、閉店だよ。ご隠居、あっちの店に行きやしょう。
あれ、ここも閉店だ。コロナ禍の影響かねぇ。もう一軒、向うの店に行きやしょう。
ご隠居、ここはやってますぜ、おぅごめんよ、老若男女の内、二人。
すみません、お客様、本日は8時で閉店となります。
なにぃ~、又々予想外のことが起こるねぇ、スカッと晴れた青空に雷ゴロゴロだ、ご隠居、例の言葉いってくんねぇ。
青天の霹靂かい。
あぁご隠居、あっしは、閉店に辟易だよ。
短々落語「青天の霹靂」
お後がよろしいようで。