巡り合わせ

 ねえ、嫌なことばかりの世界だけど、うつくしいと思えるときもあるよ。大切な人が死んだ日の重くのしかかる空の群青も、口の中に広がる砂の味も。ぜんぶ乗り越えて今の自分があるのだから、愛せないものなんてない。うまれたことも、出会ったことも、なかったことにはしたくない。ただ残酷な世界のなかで弱き者は虐げられて、それでも眩しく陽がのぼるなら、僕の愛する人たちが愛している人も愛したい。

巡り合わせ

巡り合わせ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-07-15

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted