無常だから今に繋がった

雪水 雪技

無常だから今に繋がった
  1. 微熱に理解
  2. 夏にはきをつけて
  3. 熱狂
  4. 幻覚の出した宿題
  5. Complex
  6. Vanilla
  7. 我が子可愛さ
  8. 文明の終点
  9. どこにも無いなら
  10. かたるにおちる
  11. 無常だから今に繋がった
  12. 無人事故
  13. 無心でありたい
  14. 消えた街と私
  15. 頭が痛くなること
  16. 耐え難いのにそうなるもの
  17. 籠城ごっこ
  18. 唾棄
  19. 或る詩人の或る詩集について
  20. 何億年経とうと変わらない

Twitter詩まとめ13

微熱に理解

音が鳴るから空気を知る
光を見たから宇宙を知る
大気の重みを感じる時
雨の匂いがした

ペットボトル飲料
アイスクリーム

それが豊かさのシンボルだ

おぼつかない足取りで歩く
夕暮れに燃やされる街並み

道を違え、文字列の雑木林へ
僕の本懐、夕立の中に隠れる

熱病者のように今日も

夏にはきをつけて

かき氷のシロップの色
今日見た夢の色にして
氷と一緒に飲み込めば
悪夢も体内で溶けてゆく

これはひとつの禊です

夏の悪夢への対処法
金縛りにはスイカに塩

夏にまつわる怪談
夏にまつわる思い出
みんな同じ温度で保管されてる

だから入道雲を見たときの
喉をとおる感覚が似ているの

熱狂

夢見たパレード
高騰するレート
スポーツの実況

パレードを上空から見て
次には地下水道を這う鼠

知らない動物が膨れ上がる
誰もが弾けると思って耳を塞ぐ

ビタミンカラーのコンピュータ
暑苦しい表計算が終わらない

無意識層の忙しさ
渦に飲まれていく

何もかもが原色に戻る日

幻覚の出した宿題

ページ番号が鼠の玩具になり
こまく余白で動き出した

文中の猫が飛び出して
その玩具を追いかけ回す

私は本文に戻れなくなり
あげくに目を回してしまう

猫は文字列を
しっちゃかめっちゃかにして

暗号文のような物語が出来上がる

私は解読に追われることになる
そして今夜も回転式の熱を出す

Complex

脆く、弱い、近頃に
赤い風船飛ばして
海を越えたい日

空想の渡鳥は私の意識を拾う
大海を越える、向かい風を堪え

この手紙を誰に届けよう
誰かを喜ばせたくても

あまりにも脆弱
あまりにも希薄

何事もシンプルかつ簡潔に
それが求められる時代に

こんがらがる私の頭
空を飛ぶには重い日

Vanilla

バニラの香りに誘われて
白い花は芳しく咲いている

太陽光を受けてますます白く輝く

真夏に見た雪景色はすぐに消えた

白昼夢に呆けて溶けた
アイスクリーム

この時間は何時迄つづくだろう
青い空、白い雲はとどまらない

夏には夏の、甘くぬるい感傷がある
いつも季節の終わりを予感させた

我が子可愛さ

お前の夢は寂しいな

誰かが背中に言い放つ

それでもこの夢は
大きく育つ私の子供

私は寂しい夢を抱っこする

誰かが放つ言葉には
一切の価値を見限り
もう触らぬと決めていた

この子を抱いて荒野を歩く
歩き疲れて見えた幻に
無限の夢を描き出す影

私は蝋燭が見せる夢の残影です

文明の終点

回転木馬
オルゴールの音
この遊園地は愉快だ
皆が何もかもを忘れて遊んでいる

私は回転木馬に乗って
ずっとぐるぐる回ってる

どこにも到達しないのは
良いことだ

答えを求めないのは
良いことだ

砂糖菓子を食べてゆるむ心地良さ

文明の最果ては遊園地だった

遊ぶために歯車を回した人類

どこにも無いなら

言葉数が増えても
私を形容する言葉には出逢えない

いつも夢を見ている
いつかぴったりくっつくような

私を表現できる言葉との邂逅を

夢なら誰でも見られるよ
冷たくなされた自問自答

いつもこの世にくっつけない
ひどく心細い気持ちで

根無草の道草を泣きながら
ふらふらと歩く灯火のよう

かたるにおちる

私がなんの病であろうと
病名は私にあらず

私がどのような体であろうと
体は私にあらず

私がどのような考えを持とうと
思考は私にあらず

私はどこにあるのだろう

例えば実家の勉強机
例えば書きかけのノート
例えば昨日までの思い出

私を探しても見つからない
私は探すものにあらず

無常だから今に繋がった

太陽はいつか燃え尽きる
銀河はいつか衝突する

そういう予定の中で
今日の営みは何であろう

無意味とは便利な言葉だ

しかし無意味は停止では無い

全てに意味があって
全てに意味がない

その上に

日に病みゆく私にも
原色の花は咲いている
そういう世界を記す為

ただのひとつ
君にもひとつ

無人事故

絵が上手いねと言ったら
パースが狂ってると返された

字が上手いねと言ったら
お世辞はいいよと返された

私が絵を描いたら
負けないからと言われた

私が勉強をしたら
負けないからと言われた

みんな勝手に衝突してた
私は事の顛末を知らない

私に興味が無い人とだけ
安心して交流出来た時代

無心でありたい

後出し予知能力
みんな持ってる

予感は大体当たってる
確信は大体妄想だった

正論なら誰にも言えるが

人を傷つけないのは
とても難しいことだ

世界はあなたのために無い
同時に世界はあなた自身だ

鈍感さが誰かを救い
繊細さが誰かを傷つける
…こともある

何があっても驚かない心が欲しい

消えた街と私

迷路を夢中で描いていた
あの頃のあの子は今何処

そう言えばポッケに
どんぐりを入れたまま

ある日大人になりました

夕立に植物は歓喜して
私はずぶ濡れで歩きます

どこに停車場があるのでしょう

すっかり変わり果てた街並み
思い出の消費期限切れ

狐の嫁入りを傍目に
感傷にふける人間稼業

頭が痛くなること

くだらないけど普遍のテーマ
かなわないなあと寝込む日に

繰り返してきた自己否定には
見つからなかったテーマたち

私は私で手一杯ですが、
人に優しくするのは道徳です

道にいるならすることです
だから特別な事では無いです

「我慢と徳の違いを述べよ」

最近出た課題です
これは難題です

耐え難いのにそうなるもの

日が暮れる

怒涛の日が
呆然の日が
悲願の日が

平等にくれる

季節も寿命も一日も

平温なものをくれる

欲しいだけは
もらえないし

いらないものは
手に余るし

生まれた時から
何かを掴んでる

ひとりで生きて
ひとりで死ぬけど

何かを掴んでる
依存、信仰、哲学

それは何でもよかった

籠城ごっこ

永久的に掴めぬもの
そして輝きを増すもの

そういうものに焦がれたから
そういう生き方に狂いたい

私は生まれて初めて籠城する
生まれた時からそうしたかった
外界はいつも傷ましくて悲しい

サクラダファミリア完成のニュース

幻聴だった気がする

未完の亡霊に取り憑かれて
逃げ切ってみせる

唾棄

吐き気吐き気吐き気
唾棄、唾棄、唾棄す

自ら目隠しして座す
彷徨うことはやめる

棒切れ振り回して空気を切る
つまらぬ狂人は私、私、私

感じる全てには
所有権が生じる
自由意思の名の下に

永久的に人とは分かり合えない
今日の友は明日の他人だから
知らないふりをするなよ
知ってるくせに

或る詩人の或る詩集について

鉱石の煌めき
あなたは星々の
またたきひとつから
千言葉をつむぎだす

熱情も憐憫も不条理も
自らの世界にて濾過されて
清浄な水の流れで満たしている

そういう世界に住みたい

心の平穏、全ての諦めと悟り

そういう世界に浸りたい

作品を残してくれた
あなたの目に、才能に、焦がれた夜

何億年経とうと変わらない

満ちる月に
怒りを預けて

浅瀬で水遊びばかりして
満潮の時間は迫っていた

いつも同じことで憂鬱になる

この先も私の子孫も
同じことを繰り返す

人類が滅んだ後は
他の生き物の番になる

また憂鬱に取り憑かれる
順繰りになってる

全部無くなったら
似た物同士が呼び合うから

心配ないよ

無常だから今に繋がった

無常だから今に繋がった

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • ミステリー
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2021-07-15

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