第13話

Zin

1
『生体記録6,0再生を終了します』

 全員の頭の中で機械的な音声が流れ、前世の記憶が終了した。

 前世の記憶を機械音声で思い出したその場の全員は、一瞬、思考が停止した。

 特にサンテグラ・ロードは並行宇宙から23人の自分を読みだしていたこともあって、記憶の処理に時間がかかっていた。

 他の並行宇宙の自分と魂と呼べるものは同一であるから、記憶もまた共有できていた。

「貴方たちは誘惑に負けた。だからそちら側に立っている。どうして簡単な誘惑なんかに――」

 サイラントランとホモサピエンスのハーフであるサンテグラの言葉に、緑色の皮膚の腕をなでながらミンチェが皮肉っぽく笑った。

「抗える生物なんていないわよ。あんただってそう。もし同じ誘惑を受けたら、逆らえるはずないわ。身体が勝手に動くのよ。どうやって抗えっていうのよ」

 化石化した機械だらけのこの空間にいる全員が、誘惑から生物が逃げられないことを理解していた。

 ダークコアの預言者『ノクト』。『咎人の果実』を性別した現況であり神々の預言者『オルト』と対をなす対立者。

 その誘惑に勝てるものなのいない。分かっている。分かっていても、サンテグラは苦い顔をするしかなかった。

「でも選ばれたって考えるのも光栄なことよ。だってすべてを変える救世主を殺すことができるんですもの」

 そういいながら、緑色の顔を似たりとミンチェはした。

「ワシにはお前が嘘を言っているようにしか聞こえないがな」

 背後に陣取ったボロア・クリーフが岩のような皮膚を動かしながら、ミンチェに語り掛けた。

「『咎人の果実』は救世主の殺害の報酬に願いを叶えてもらえる。それが条件の殺し屋集団。ならばお前の願いはなんだ。ワシには平穏な生活に戻りたいようにしか見えないがな」

「その堅い頭には私の人生の優雅さがわからないようね。上流階級に生まれ変わり、男も女も好き放題にできる今の生活、気に入ってるのよ。これで救世主の命をもらうことができたら、宇宙のすべての富、男と女を奴隷にしてあげる」

 触手のついた手で長い髪を緑の耳にかけ、髪の間から伸びた太い触手を波打たせた。

 しかしボロアにはこれが虚勢にしか聞こえなかった。あの時、森林の中で銃口を自分に向けた人物の苦悶の叫びに。

「お喋りしたいのはやまやまだけど、私はそこまでお喋りは好きじゃないの」

「ワシの嫁とは正反対だな。息子と娘に口うるさい奴だった。ワシもよく怒られた。デヴィルズチルドレンに宇宙ごとうしなったがな」

 ぽつりとボロアは自分の今の自分の記憶を思い返していた。失った世界、宇宙、家族のこと。友のことを。

 が、懐かしむ猶予を敵は与えてはくれなかった。

 ボロアが気づいた時、後ろを取っていたいたはずのミンチェの身体が、自分の後ろにいつの間にか移動していた。

 ミンチェの能力、空間にトンネルを作り、瞬間的にボロアの後ろに移動したのだ。

 瞬足で即座にミンチェから離れようとしたボロアだったが、女とは思えない力で岩のような腕をつかまれ、自分の力とは関係なく身体が空中に浮かび、化石化した機械に叩きつけられていた。

「ボロア」

 ハッとした24人のサンテグラ。10人がボロアのところへ向かおうとした。

 その時、サンテグラの1人が悲鳴を上げた。23人のサンテグラが一斉に声の方を向くと、悲鳴を上げた彼女の身体はみるみる硬直していき、コンクリートで固められたように色を失い凝固していくと、石像のようになって、浮力能力を失い、機械の空間の奈落へ落下していってしまった。

「全員を一斉に固めちまうのも面白れぇが、それじゃあ楽しみも半減だ。1人ずつゆっくり固めていってやるよ」

 ゴーキン・リケルメンの青くかたい皮膚の昆虫めいた口から出る言葉は、殺意しか感じられなかった。

「真実を追求していたあの日々は嘘じゃなかった。今は何人も人を殺してきたんでしょうね。そんな悪臭がするわ」

 サンテグラは嫌な顔をしてゴーキンを見やった。それはこの時間のサンテグラだった。

「俺の種族は強い者がすべてを手に入れられる。殺人が合法の世界で生きてきた。それが唯一の真実ってやつだ。てめぇとの前世であんなことがあったからって、何も変わりはしねぇよ。ただ殺す。それだけのことだ」

 そうゴーキンが言い終わるか、終わらないかの刹那、23人のサンテグラは一斉に腕を振り上げ、衝撃波を放った。

 昆虫人間の身体は一気に衝撃波の波に襲われ、浮遊したまま錆びた鋼鉄の壁に叩きつけられた。

 だがその時、23人のサンテグラの背後に空間のトンネルが大きく広がり、そこから巨大でグロテスクなダンゴムシが顔をのぞかせたのだった。

第13話‐2へ続く

 

 

 


 

 

 巨大なダンゴムシは異空間のトンネルからようやく半身はい出ると、不気味な触手まみれの口から大量の粘液を噴射した。それが3人のサンテグラ・ロードの身体にかかった。

 すると身体が煙を上げて溶け、けたたましい断末魔の悲鳴を上げ、ドロドロに溶けてしまった。3人の人間が一瞬にして。

「数は多いけど、頭数だけのようね。能力はサイコキネシスだけかしら」

 巨大な虫を異世界から召喚したミンチェは、サンテグラの真実に気づいたことを、高圧的に言い放った。

 サンテグラたちは分散した。数の上では勝者の彼女も、力の上ではミンチェに対抗するのは難しい。それをサンテグラたち本人が最も理解していた。

 と、機械の壁面に叩きつけられていたボロア・クリーフが高速で飛び出すと、巨大でグロテスクな芋虫に拳を叩きつけ、虫の内蔵をぶちまけた。

 即座に方向を転換し、ミンチェめがけ飛翔、気に食わない顔めがけ、脚をなぎ払った。ボロアの心に女性だからという遠慮など微塵もなく、いけすかない女の首をへし折る気持ちであった。

 しかしその脚は昆虫的な硬化した腕に掴まれた。掴まれたと途端に、もとから岩のようだったボロアの皮膚が変色し、コンクリートのような色に変わった。

 ゴーキンが口から紫色の血を吹き出しながら、能力でボロアを凝固させていた。

 脚を引き離そうとするが、まるで最後の力を振り絞るように、自らも凝固させ、脚と手を一体化させていた。

 4つの眼を鈍く凍らせ、ボロアは自らの手刀で脚を根本から切り落とした。

 もちろん鮮血が飛び散り、大量の血液が漆黒の奈落へ、壊れた蛇口のように血液を流している。

 直後、ボロアは高速でゴーキンに近づき、その豪腕で昆虫の胴体を拳で貫いた。

 ますます昆虫人間はおびただしい鮮血を吐き出す。

 それでもボロアの腕を掴み硬直能力で、自分とボロアを凝固させる。

 2人に生き残る意思は感じられなかった。

 ただ目の前の宿命を断ち切ろうと、必死にあがいているように見えた。

第13話−3へ続く

 

3

もはや一個の塊と化していたボロアとゴーキンは、凝固が進んでいく。

 薄れゆく意識。その中でも相手を消し去る。それだけが互いの一致した意思だった。

 けれどそれもすぐに薄れていき、2人の意識は完全になくなり、岩のように一体化した2人は、奈落へと落ちていくのだった。

 助けようとするサンテグラもしかし、ここで触れれば凝固化してしまうことを恐れ、手を出すことはできなかった。

 眼前で壮絶な血みどろの戦いを見たミンチェは、ボロアと違い、何も感じず、ただ落下する命を、汚物でも見るように、見下していた。

「救世主の居所を教えてくれるなら、あなたも奴隷くらいにはしてあげてもいいわよ」

 仲間が命を散らした悲しみなど、さほども顔になく、ミンチェは視線をサンテグラの1人に置き、ニコリとした。まさしく無邪気な笑顔である。

「奴隷みたいな生活なら経験したわよ。人間とサイラントイランのハーフってどんな生活かしってる?
 他種族を認めないサイラントイランの中で、母とわたしは他人の世話までさせられた。それが種族の中で生きることを許される唯一の条件だったから。
 父は必死にわたしたちを守ってくれた。それでも生活が変わることなんてなかった。だから知ってるのよ。奴隷が心を失うことを」

 デヴィルズチルドレンに破壊された宇宙で、サンテグラ・ロードは心をなくしていた。しかしイデトゥデーションに救われ、心を少しずつ取り戻した。

 だからミンチェがこれまでにしてきたこと、きっと心をなくした大勢の奴隷を作ってきたことが、彼女には許せなかった。

 ミンチェの後ろに回った2人が衝撃波を放つ。

 が、空間のトンネルに隠れたミンチェは、その2人の後ろに空間の出口を作り現れると、手刀で背中から2人のサンテグラを貫いた。

 血煙がほとばしり、2つの死体が奈落へと捨てられた。

 18人のサンテグラは一斉に衝撃波を、多方面から放出した。

 ところが今度は異空間から肉の壁を取り出し、ミンチェは自分の身体を包み込んで衝撃波を防いだ。

 それと同時にいくつもの空間トンネルを開き、腐った肉塊をそれぞれのサンテグラめがけ高速で放射した。

 避ける者、手で受け止める者もいたが、手に激しい痛みが走る。

 腐った肉塊の表面は強い酸性らしく、受け止めた手を溶かした。

 そればかりか受け止めたサンテグラたちを、肉塊は八方に開き、巨大な手のように、握りつぶしたのであった。

 骨と肉が砕ける音が響き、10人ものサンテグラたちが肉塊と一緒に奈落へと落ちていった。

 残り8人。

第13話−4へ続く

4

「今からでも遅くはないわよ。奴隷に戻りなさいよ」

 ニタリと微笑するミンチェは、髪の間の太い触手を、興奮したように震わせた。

 劣勢は明らかだった。それでもあきらめるわけにはいかない。守護する宿命を背負って産まれたのだから。サンテグラは自分に言い聞かせ、生き残った並行宇宙の自分たちで一斉に衝撃波をミンチェへ向けて放射した。

 化石となった機械類で埋め尽くされた空間がきしむほどの衝撃だった。

 だがミンチェは姿を消していた。自らの異空間に入り込み、衝撃波を受けなかったのだ。

 敵の姿を見失ったサンテグラたちが周囲を見回していた時、別の宇宙からやってきたサンテグラが悲鳴を上げた。

 空間にぽっかりと空いた穴から炎が噴射し、同時に腐敗臭のする木のつるのような触手が四肢をとらえ、魔女裁判の如くむごたらしく焼き尽くした。

 自分が焼かれる。痛覚が共有しているわけではないから、他のサンテグラに影響はない。

 ただ心理的に追い込まれた。悲鳴を上げ、のたうち周りながら自分が焼け死んでいく光景を見せられる。これほどの拷問はないだろう。

 ミンチェは楽しげに自分が作りだす異次元から次々と奇妙なものを吐き出させる。

 ヌラヌラとしたスライム状の酸性の強い物体。それを身体につけた巨大な団子虫。気味悪く不規則に動く無数の足を持つムカデのような巨大な生物の背中には、蛙の卵の如き目玉がいくつもついていた。

 阿鼻叫喚の光景にサンテグラたちは逃げ出したい気持ちだった。

 だが宿命を背負ったその肉体は、けして後のない一本道だということを知っている。
 
 だから逃げなかった。逃げたくても逃げれなかった。

 衝撃波で湧いてくる生物どもを蹴散らし、形容し難い体液を噴射させ潰れる生物群の中をサンテグラたちは、ミンチェへ一直線に飛行し、手刀を突き出した。

 だがミンチェはそれをことごとくかわすと、異次元へのトンネルへ逃げ込もうと後ろに下がる。

 が、複数の腕がそれを阻止した。

 ミンチェは自分の策に溺れていたのが致命症となった瞬間だった。

 あまりにも多くの不気味な生物を出したことで、サンテグラが何人いるのか、何人、自分に向かってきているのか、把握できていなかったのである。

 そのため、サンテグラの幾人かは生物群の中をすり抜け、ミンチェの背後に回っていたのであった。

 自分の世界に閉じ込めることを禁じられたミンチェは、言葉も行動もサイコキネシスも、すべてを行う前に複数の手刀で胸を貫かれた。

 針の筵となりおびただしい鮮血を放射したミンチェはしかし、自らの異次元へのトンネルを最後の断末魔の力で開き、そこから黄ばんだ牙をむき出しにした、腐った獣を放出させると、なんと自らもろとも自分の周囲に集まっていたサンテグラを喰わせたのであった。

 機械が化石化したむき出しの廃墟に、骨と肉を喰らう音が響いた。それはこの戦いの結末を告げているのだった。

第13話‐5へ続く

5

 力任せに獣の腕でニノラ・ペンダースは敵を押さえつけ、幾何学的建物の壁を貫き、外へ放り出すと、さらに力を込めて敵を押し込み、2つの影はさらに白い壁を貫いて、隣の空間、広大なガラスに似た壁面で覆われた三角柱のような部屋にたどり着いた。

 室内の高さは1キロはあろうかというほど高く、上部にむかうにつれて、空間が狭くなっていた。

 円形の床の広さは500メートルを超える広さがあり、そこへニノラは敵の身体を力任せに叩きつけた。

 金属製の素材らしい室内。

 それなのに床はコンクリートのように、衝撃を受けたところは砕けた。

 全身に渦巻模様のタトゥーをしたサホー・ジーの筋肉質の肉体のなんたる頑丈なことやら。金属製の分厚い床が砕けるほど叩きつけられたのいうのに、傷一つなくゆっくりと起き上がると、空中に浮遊する半分獣と化した敵を見上げた。

「まだ生きてるとは、ずいぶんと丈夫な身体をしてるもんだ。グルズの血を受けて生きてるなんてな」

 と言った直後だった。狼の口に変化しているニノラの口から、吐血があった。獣を集めたようなニノラの身体はみるみる小さくなり、黒人青年の姿に戻ると、木の葉が落ちるように床にゆっくり着地した。

 光源がないのに室内は光っていた。金属らしい素材が自ら白く輝き、まるて間接照明のように室内を照らしていた。

 そこに着地し、せき込みながら血を吐くニノラを見やったサホー・ジーは、鼻で笑いながら巨体を完全に起こした。金属の割れた穴からゆっくりと前に歩を進め、せき込む黒人青年の前に立つと、何もせず彼を見下ろした。

 ニノラは血の味を必死に呑み込み、せき込みをこらえ目の前の見事なまでに身体に刻み込まれたタトゥーを上にたどり、大男と視線を交わした。

 刹那、巨大な石のような拳がニノラの頬に降りてきて、ニノラの身体は100メートルは吹き飛ばされ、地面を何度か跳ね、滑るようにしてようやく止まった。

 顎の骨は砕けてはいなかったが、口の中は血でいっぱいになり、それを止まりかけた咳と共に吐き出すと、歯が破片も飛び出していった。

 ただでさえ、グルズの血液の影響で身体が崩壊しつつあるニノラは、力の入らない筋肉を動かし、立ち上がろうとする。

 するとそこへすでに空中へ浮上したサホー・ジーが手の平をニノラに向け、炎の爆弾を複数放射した。

第13話‐6へ続く



 

6

 四肢を金属の蛇に絡みつかれたロベス・カビエデスは、光子を手の平に集約し、目の前のもう一人の自分に向け放出した。

 顔めがけ一閃した光は、もう1人のロベスの顔をかすめ、頬に傷と焦げ跡を残した。

 怯んだせいか、四肢に巻き付く鋼鉄の蛇が緩み、ロベスは素早く抜け出すと、いくつもの光の球を鏡の室内いっぱいにした。

 幾何学の形に建設された建物が大爆発を起こし、そこから煙に巻かれた金属の塊が飛び出した。

 もう1人のほかロベスが身体を金属でおおい、爆発から自らを守ったのである。

 空中で金属を分解し、白い床に着地すると、上空から光の雨が降り注いできた。

 頬に傷を受けたロベスは、光の雨が1つ、1つに鋼鉄の板を空中に出現させ、ぶつけて虚空で爆発させた。

 黒煙が視界を奪う中、黒煙をまとい、本物のロベスが巻紙をなびかせ、落下してくると、自分に変形した敵に手刀を突き出した。

 ロベスの姿に変化したデンコーホン人のバスケス・ドルッサは、顔の前に突きつけられた手刀を両手で掴み、落下してきたロベスの勢いを利用して、背後に投げ飛ばした。

 空中で回転して着地したロベスは、ますます奇妙な感覚に陥っていた。

 目の前の敵が自分の姿をしている。その命を奪おうとしているのだ。不思議な感覚が巻き髪の青年を包んだ。

「妙な気分だな。本当の君に戻ることはできない? これじゃあ戦いづらくって」

 腕組みしたロベスの言葉に、バスケスはロベスの顔で笑いを浮かべた。

「デンコーホンに本当の姿なんてものはありませんよ。ただ人の姿を真似て人生を生きるだけですからね」

 そういうなり、バスケスは直径10メートルをはある金属の塊、形は六角形の物を現出させると、高速でロベスへ蹴りやった。

 両手の平を胸の前で向き合わせ光の玉を作ったロベスは、金属の塊にそれを投げつけた。

 爆発は起こったものの、金属の塊は日々が入ることもなく、そのままロベスは塊に押される形で、床に相手ある穴、さっきニノラがサホー・ジーを押しやって貫いたそれに落ちていった。

 バスケスも後を追い穴の中へ飛び込んだ。

 バスケスが淡い光の中へ出た時、明らかに劣勢のニノラが今にも炎に貫かれそうな場面に出くわした。

 慌てて金属の板をニノラの前に作り出す。

 炎が放たれ、金属の壁が溶けたものの、ニノラは無事だった。

 ロベスの格好をしているが、ニノラは自分のそばへやってきたのがバスケスだとすぐに理解し、介抱されつつ、咳き込んだ。

 本物のロベスも、サホー・ジーの横に着地した。

第13話−7へ続く

7

 ニノラは咳き込みながら、背筋がざわめくのを感じた。この感覚がなんであるのか、彼にはすぐにわかった。

 ボロアたちが散った。

 それは【咎人の果実】たちも、同じ感覚を感じていた。

 だが悲しも悲嘆も感じている場合ではなく、それぞれ4人は自分がしなければならないことを理解し、それが定めだと知っていた。

 ロベスの顔をしたバスケスが空中に無数のミサイルを現出させた。それを腕を振ることで一気に発射する。

 これを見た本物のロベスは手の平からビームを放射、ミサイルを切るように次々と撃墜する。

 それでもビームを避けて接近するミサイルがあるのを、サホー・ジーが太い腕を振り上げ、炎でミサイルを焼き払った。

 ミサイルはミサイルである。もちろん爆発が起こった。しかもいくつもの爆発が発生し、周辺は視界がなくなるほどの爆炎に包まれた。

 淡い光を放つ三角柱の内側の部屋全体に爆炎を詰め込んだような状況になった。

 その中で4人は幻を見た。

 いや、幻ではない。前世の自分たちの姿を見たのだった。

第14話へ続く
 



 

第13話

第13話

  • 小説
  • 短編
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-07-15

CC BY
原著作者の表示の条件で、作品の改変や二次創作などの自由な利用を許可します。

CC BY
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7