ねむのき
ねむのきを見るのは夕方がいい
西日が雲をふちどるとき
自転車のライトが点いたとき
伸びた葉っぱのみどりがしずみ
細かいももいろが大気にとける
花の匂いにひたされたまま
橋の上から煙突を見る
眠らない街を知っているのは
鉄の色した川の音だ
ここでないどこかを願うとき
きのうの晴れを祝うとき
あかく滲んだ空のきわから
よその生きものの歌がする
ねむのきを見るのは夕方がいい。
ねむのき
ねむのきを見るのは夕方がいい
西日が雲をふちどるとき
自転車のライトが点いたとき
伸びた葉っぱのみどりがしずみ
細かいももいろが大気にとける
花の匂いにひたされたまま
橋の上から煙突を見る
眠らない街を知っているのは
鉄の色した川の音だ
ここでないどこかを願うとき
きのうの晴れを祝うとき
あかく滲んだ空のきわから
よその生きものの歌がする
ねむのきを見るのは夕方がいい。
ねむのき