山小屋2

木村水春

(山小屋 の続き)

文字通りの田舎のカフェは、丁寧に作り込まれた小屋だった。
私の胸あたりまで積まれた石の上に、黒い壁、白いドアと大きすぎる屋根、物語に出てきそうな佇まい。
ドアは開いていたので、覗き込むように入らせてもらう。中は、木の床と白く塗られた壁と窓からの自然光にほんのりオレンジ色のライト。そして、カチャカチャと食器の音が聞こえてくる。
「いらっしゃいませ。」
声の方を向くと、私と同じくらいの背丈の女性、腰まで髪を伸ばした魔女さん…が出迎えてくれた。
「あ、今朝連絡した朝里といいます。」
魔女さんの顔がパッと明るくなり
「あ、聞いてます、聞いてます。こちらへどうぞ。」
と店の奥へ進んでいった。

仕切りのない小さな部屋へ通され、アンティークな椅子が一つ、木でできた重そうな椅子が一つ、その間に丸太に見えるテーブル。
「こちらへどうぞ。」
魔女さんがアンティークな椅子を勧めてくれたので、そこに座る。ふわっと宙に浮いたような感覚に驚く。
「見た目よりも柔らかいんですよ。少々お待ちくださいね。」
フフっと笑って魔女さんが消えていった。
上を見上げると、ぐねっと曲がった木をそのまま使った梁、その奥には太くまっすぐな梁、それを支える柱たち。バランスが良いのか悪いのか分からない不思議な空間。よく見ると、梁や柱には釘が打ち込まれていたであろう跡や傷が所々にある。この小屋は、年月を重ねたもの達を集めて作られたのだろう。
「ようこそ、朝里さん。」

続く

山小屋2

山小屋2

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-07-12

Copyrighted
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