意識

桐原 水刃

 きみが良いと言う物の半分も分からなかったから、上手に笑うこともできずに、外側と接点を持てないままでいる。誰かそこにいませんか、と投影された景色も愛せない。プリズムのせいで歪んだ光が滲んで、潤って、消えて欲しくないのに。かろうじてまだ息を継いで、命を繋いだ、淡色にとけていく。なにをしていても景色が浮かぶのは、なにも欲しくないのに何かが足りないから。わたしは浮遊する不感症、景色には触れない透明なカーテン。いつもそこにある哀しみは溶けない、意識は永遠に続く寂寞の凪だ。

意識

意識

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-07-11

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