花に花を降らす

お似合いだと思いました
その美しさに憎らしささえ覚えました
純然たる存在感がそうさせたんだと思います
わかることは潮時だということだけ
あなたにとってはどうでしょうか


必死で積み上げたものを手放すとき
費やした感情はもう意味をなさない
バカみたいな成り立ちでできた山が墓になるとき
手向けるつもりで置きました
どうか弔いになるように
もう思い出さなくていいように

花に花を降らす

花は生けるときより捨てるときのほうが好きだという話

花に花を降らす

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-07-08

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