短々落語「七夕」

400文字以内のショートショート落語臭

「七夕」

ご隠居、七月七日は何の日か知ってるかい

七夕(たなばた)

正解

八つぁん、もっと気の利いた事をお聞き

じゃぁ由来は？

お前さん知っているのかい

知らないだから教えて

面倒な奴だね、始めからお聞き、まぁいい。広辞苑(出典：岩波書店)ではね、天の川の両脇の牽牛星(けんぎゅうせい)と織女星(しょくじょせい)とが年に一度七月七日の夜に会うという星を祭る行事とある。中国の乞巧奠(きこうでん)の風習と日本の「たなばたつめ」の神信仰が合さり、五色の短冊に歌や字を書き葉竹に飾り書道や裁縫の上達を祈る祭と(まつり　　　)なった。彦星(ひこぼし)と織姫(おりひめ)が年に一度だけ出会う星空を眺め願い事をするなんて実にロマンチックが止まらないね

そうそうご隠居、星空で思い出した、「星空文庫(ほしぞらぶんこ)」って知ってるかい

何だい

誰でも文を投稿でき、それを閲覧できる無料サイトさ。でね、そこに紫紺亭っていう奴が短い創作落語を載せてやがる。最新作が「七夕(　　たなばた)」、で奴はこれが後世古典になりますようにと短冊に書いたんだって

八つぁん、それは七夕じゃなく、そうなれば「棚ぼた(たな　　　　)」だよ

お後がよろしいようで。