七夕に滑空

雪水 雪技

七夕に滑空
  1. 置き去りの思念
  2. 補完と欠落
  3. 1000年後はすべて神話
  4. 溢るる食欲
  5. 夕焼けの見た夢
  6. まぜまぜ
  7. 苛立ち
  8. 針と糸
  9. いらくさのまじわり
  10. 泥の中の安眠
  11. ぷかぷか
  12. 紙ふぶきが降る日
  13. 活字中毒者
  14. 修学宇宙旅行
  15. 星座の撹乱
  16. 生み出してきたものたちへ
  17. 甘い劇薬、青い空の下
  18. 思念シネマ、ナイトシアター
  19. 七夕に滑空
  20. はじまりは今この瞬間

Twitter詩まとめ9

置き去りの思念

夢の中で読んだ書物
ただ手元に置きたい
とても切なくなる詩

何行書けば
そこに到達できるか

イーゼルとパソコン
それが仕事道具だった

いまだに思念が
そこにあるような

苦しくて
猫かぶり

ひきつった
愛想笑い

その実
罵りながら 
目を覚ます

副作用の強い日

補完と欠落

永遠にこれだけは
私はできることだろう

未来への手紙を書こう
今の私への慰めになる日

私の止まらない空想に
脳がバグを起こす日まで

虫食い状態の記憶
何かが欠けてるのに

感覚だけで埋められる
朦朧としながら辻褄合わせ

意味のなかった日々でいい
この金縛りを解いてください

1000年後はすべて神話

船の上
置き去りの
つまらない記憶

取るに足らず
流した時
無責任に
幸せを
祈った

残せるものは無い
有機体である以上
一切が無くなっていく

痕跡は砂になり
風に吹かれて消えていく

そうやって自分は
今日まで生きてきた
そう思い込んでいる

枠の中で自由を求めて
何かに依存しながら

溢るる食欲

わたしのこころに
ひとつの白い皿
ここにいつも
何某かの料理

こうやって満たして
わたしは生きること
満たせ食欲をと歌う
とても人間的で好き

熱を持ついぶくろに
ふりまわされても
わたしのだえきは
とまらないから
生きる喜びの形

享受して祝福して
笑顔と恍惚と

夕焼けの見た夢

きれいにつつんだまごころは
やわらかな和菓子のような
あまくてかわいいかたち

ひのあたるへやにて
祖母とお茶を飲む
苦い抹茶は
まだはやい

幼き日よ
やさしい
心象の
夕陽よ

まぜまぜ

お砂糖をまぜて
のみやすくします

なにかをかえる
その為の調味料を加えます

化学反応を起こして
地球由来の証明をします

空色の着色料は自由を表し
ボールの中でよくかきまぜます

出来上がったら私の祭壇へ
いつものように置いてください

料理と実験と創作の融合
楽しむことが大切です

苛立ち

ひどい夢と嵐でした
びしょ濡れで目を覚まして

私はひどく動転していました
手紙を書こうと枕に頭を押しつけて

必死に挨拶を考えました
ありとあらゆる定型文が

窓の外で降っている
トタン屋根を叩く音

つまらない言葉が
窓を叩いて追い立てるから

やかましいと私は叫んで
目を覚ましました

針と糸

刺した針はこちらへかえる

投げた言葉はこちらへ戻る

やったようにかえってくる

因果とはそういうもので

縁起とはそういうもので

素直な心で生きていたい

しかし君、

この、さみしいこころ

どこへおくかを考えよ

また先送りしています

いやなこと言うなよと

私は私に言うのです

いらくさのまじわり

こころがふれた
きずがついた
血がでて
ただれて
それだけ

これは、いらくさのまじわりだ

いたずらに
さわらねばいいこと
だのに、ふよういに

ふれてみる手

そうしてまた
やけるような
いたみとかなしさ

もえるような
いてつくような
やるせなさに

わらってまじわる
われらはいらくさ

泥の中の安眠

なにもかもをゆだねて
しんだようにねむります

かもめがとんでいる
からすがないている

なにもかもをわすれて
しんだようにねむります

だらくのぬかるみのなか
しんだようにねむります

どろのなかでさくはな
どろのなかをおよぐさかな

ゆめなどみないで
しんだようにねむります

ぷかぷか

うまくおよぐよりも
うまくういていたい

ぷかぷかのうえ
ちからをぬいて

これならどこまでも
なみにまかせて

ぷかぷかと
どこかへいけるでしょう

なにもかも
がんばりすぎました

なにごとも
すぎてはこわれます

だまっていても
すぎゆくものならば

もういいよ、と
いってあげましょう

紙ふぶきが降る日

ふりつもる
白い紙

外は紙ふぶき
今日の天気

天からの手紙が混じってます
受け取りましたら
懐へ入れ…

天気予報による注意事項

私の元への便りを待つ

何が書いてあるのかは
読んだ人にしかわからない

未来予知
季節の挨拶
大切な人から

私へ、どうか、

祈る気持ちで外へ出る

活字中毒者

溺れたい日
ただ、ただ、
奇跡を信じて

読みふける
落ちるまで
ひたすらに

頭をいっぱいにする
何かを生み出すのか
私がくるってゆくか

どちらでもよくて
何かをぷっつりと
切ってしまいたくて

溺れるために
読みふける

頭をいっぱいにして
容量を超えて
祈るように
溢るるまで

修学宇宙旅行

リフトで宇宙へ修学旅行
皆それぞれの課題の星へ

妙な景色、繊維になる体
吸い込まれるように到着

和音を宇宙音に変換する
トークンが必要なのに
持っていない

赤いバラを植える授業は
私だけうまくできなくて
ズルをしたらすぐバレた

私は地球に帰れるのか
母恋しくなり、目を覚ます

星座の撹乱

水面に浮かぶ星々
定まらなくていい

ゆらゆらと泳いで
天の川もこえてゆけ

そこにとどまらず
もうなにものにも
とらわれるなと

毎年毎年願っている
星が人類の願いなら

ゆー、えふ、おー、

星々をさらってしまえ
そうして好きなところで

好きなように輝いておいで
息が詰まる列など乱して

生み出してきたものたちへ

愛してる
だが、目を覆いたい

時間を置けば
腐り出す気がして
生き急いだ結果

そうしてたまにお前を見ると
とてつもない後悔に襲われる

誤解しないで
私はお前を愛してる

お前だけが私だから
だが、時間は酷なこと

青くさくて敵わない
お前を遠ざけたくなる

しかし
私はお前を愛している

甘い劇薬、青い空の下

やわいみどりの草原の上で
私はのどをならして劇薬を飲む

大の字にねころんで
青い空を泳ぐ雲をぼんやりながめる

左手に握った小瓶は空になり
僅かな甘い汁にありんこが群がる

私が生きていても死んでいても
全て天が決められること

私は熱に浮かされながら
東へ泳ぐ雲をながめている

思念シネマ、ナイトシアター

宇宙に私の見た夢が記録されて
何層ものフィルムと重なり合う

ポップコーンを片手に
私の魂はその記録を毎晩鑑賞する

炭酸飲料にむせるのは
宇宙も地球も変わらない

レモネードをすすめた宇宙人と
フィルムの感想会を開いて笑い合う

無重力と無秩序の中
笑いだけが渦を巻いて銀河を創る

七夕に滑空

滑空する鷲
天の川まで
落ちてるように

その音色は誰か為か

琴の音が宇宙に響く日
地上の鷲の目が大きく開く

神話と未来、恋する乙女

上昇気流に乗って
あなたを迎えに飛び立つ

天の川はその飛来を阻めない

短冊は舞い上がる
笹は大きく波立つ

天体観測の見る夢
あどけない願い事

はじまりは今この瞬間

大きな意識が描いた絵に
私たちは物語を見つける

好奇心と伝承が
世界のあらましをかたどる

意識と心が
世界の枠組みをつくりだす

同じ方向を向かないのは
楽しいことを探すため

時間制限つきの
最高のお遊びがはじまり

気の遠くなる時間
それは一瞬で全てが起こる

何もかも、ここに在り

七夕に滑空

七夕に滑空

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2021-07-07

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