灰にまどろむ者たちよ

灰にまどろむ者たちよ

何故そこに留まり続ける

何故過去にすがり続ける

幼き時代に抱いた夢も

かつて愛した者の身体も

燦然たる過去の功績も

いつかは全て灰となる

骨張った手で灰をかき集めたとて

不死鳥のごとく蘇るわけもなし

いつまでも未練がましく留まり続け

前へと進む者たちの

行く手を阻んで何になる

いつかは全て灰となる

だがその全てには意味がある

全てが灰となる前に

次を生きる者たちに意味を託す

その全てが消えてしまわぬように

灰にまどろむ者たちよ

その灰から身を起こし

次なる世代を導き続けよ

己が灰となってゆくまで

灰にまどろむ者たちよ

灰にまどろむ者たちよ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-07-06

Copyrighted
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