ダ・カーポ
「この符号はね、ダ・カーポっていって、この曲の一番初めに戻ってねっていう意味なんだよ」
ふとした瞬間 君の言葉を思い出す
君とピアノを弾いて過ごしたあの日々を
美しい旋律と
君の優しい言葉で溢れた記憶
そのすべてが
今では私を縛り付ける呪いと化した
天の祝福を授かった君と同じ目線に立って
誰の目にも留まらない
小さなつぼみを育てた結果がこのざまだ
あの黒いバケモノの前の特等席が見えるかい
あれが私の処刑台さ
今からわたしはあそこに行って
この矮小な才能の花を晒すのさ
そして誰の目にも留まることなく
また今日が終わる
そして私はまた
自分の家でバケモノと向き合う
そんな日々を延々と繰り返す
君は今頃どうしているのだろう
君ならまた教えてくれるだろうか
なんとも味気ない 雑音だらけのこの曲の
どこにダ・カーポを入れるべきか
ダ・カーポ