わたしのほんとう

雪水 雪技

わたしのほんとう
  1. 3分の世界創造
  2. わたしのほんとう
  3. われたたまご
  4. こうふく論
  5. 考古学的心象風景
  6. 生きてさえいれば
  7. 停止せよこの世界
  8. 風が吹く
  9. しない自滅
  10. 月見
  11. こうかいはない
  12. 序章
  13. じかい
  14. 午後3時のかえりみち
  15. 旋律はひとつでいい
  16. 遺書
  17. 燃えつづけるからひかる
  18. 罪は滅びた
  19. 甘き感傷の淡さ
  20. いきるりゆう

Twitter詩まとめ7

3分の世界創造

私は落ちていく砂に星を見る
砂時計は銀河をうつしていた

私の腕時計は透明です
何にも制約されない生き方をします

私は、創り、眠り、生む、休む

そのサイクルの中で希望を見ます

私は影を抱きしめながら
光へと進んでいきます

何も矛盾はありません

それが私の喜びであります

わたしのほんとう

わたしのほんとうは

コップ一杯の水であり

そこにすべてがあり

そしてかんぺきである

あらゆるものにとけこむ

あらゆるものになりうる

あらゆるかたちをなしうる

わたしはとうめい

そして無限のあい

われたたまご

よるの重みに耐えられない

そうしてむかえた朝に

ニワトリが産んだ卵を割る

わたしはわたしを追い詰めている

ニワトリが産んだ卵を割る

なにかをつまらせている

なにかをかくしている

わたしはわたしを

未だあざむいている

わたしをわりたい

わりきれないことも

もとにもどれなくても

こうふく論

頭の上にひかる星
見上げることにかかる負荷

私は私に問いつづける

獲得、それが教えられてきた
幸福、そのための手段だった

生まれた時から星は手の中にあった
あらゆる経験はそれに気付くプロセス

獲得に照準を合わせたら見落とす
人の羨むものだけでは埋まらない

幸福を作れるのは心のみ

考古学的心象風景

いつもまるくなって
こころはアンモナイト

そのまま化石になったら
いつか発見してくれるかな

地層になる思考回路
一番下のことは忘れている

忘れられることは幸せで
忘れられることは寂しい

ゆううつの一番綺麗なところ
そこを切ってペンダントにする

琥珀色した私のゆううつ

生きてさえいれば

できないことがわかる
それで十分なのに

それはとても苦しくさせる

できないことをあげつらえられて
私の首をしめたことがある人

覚えてるけど
ゆるしてるよ

嘘をまぜながら
錠剤をとかしていく喉

すべて破綻させる勇気はない
その必要はない人生でいい

できなくていいよ
生きてさえいれば

停止せよこの世界

たんたんとしたリズム
耳から聞いておぼえた

舗装された道
一人で歩いた帰り道

コンクリート

何もかもきれいにして
なにかを埋めて得た進歩

その息苦しさ
繊細の否定形

その上に、
そびえ立つ塔

信号に、ずっと赤であれと願ってた

開かずの踏切、長い信号待ち

私の僅かな抵抗でした

風が吹く

日々は過ぎ去る
風は吹き荒ぶ

ガラスの破片に映る
泣き顔を見ないふり

強くあれ、突き進め、

格言が至る所に貼られている

堕落せよ、妥協せよ、

ビラが至る所に貼られている

なんにせよ極端になるなかれ
口ずさむ言葉に救いあらんこと

風が強い日は反故紙が舞う
空の下で空白を埋めている

しない自滅

要不要が不明瞭
物に囲まれていた頃

何かを埋めるために
消費活動に追われていた

なにかを成した気になって
日々摩耗して笑ってた

壊れた私の中からは
何も出てきやしなかった

焦燥と不安を育てていた
自らせっせと水遣りして

この生が徒花ならば
せめて雑草が如く

私よ、しぶとくあれ

月見

丸めて捨てたい
この感覚、感情

うまくまとまらない
そのまま話し出す

きっとまた
うわべのこと

それは傷口が開くことへの
本能的な恐れである

私が動物であることの
何よりの証明だ

傷つき過ぎた心が
月のような模様であれば

ぽっかり空へ浮かべて

団子を頬張りながら
呑気に眺めていたい

こうかいはない

いつかを夢見て
今日まで来てた

目を閉じてるうちに
過ぎ去れと願ったことは
すべて綺麗に過ぎ去ってくれて
二度とここには戻ってもこない

知っていたことはたくさん
追いつかない気持ちが余る

聞き分けの良い子を演って
得たものは、空洞な心臓

ぜんぶ知っていたけど
認めたくなかったんだ

序章

好きも嫌いもわからなくなる
ある日闇の中に放り出された

私を失くして無くして
その上、掛け算だけをして
持ち物を増やした気になった

0で撃ち抜かれた私の末路

あの日殺した私は
もう生き返らない

これはやり直しではない
これは再起する物語ではない

新たな名の下に
はじまった物語

じかい

青い空
風は強い
病院の待合室 

現実的事象は
私を暗くする

川に映る
濃いみどりを
うたえるのなら

それだけの人生であるならば

私はどれほど朗らかだろう

引力と重力のバランス
生かされてることを
忘れてはならない

じかい、じかい

命がある、それだけで
十分だ、足るを知る

午後3時のかえりみち

空間の裂け目
そのしじま
生まれる

ありとあらゆるとりとめもない
にんげんのぼうばくとした
しこうかいろのあかごだ

泣き声をあげている
生きているとうたって
生えた草を齧ったら
なんという酸っぱさ

午後3時の帰り道に
日差しがにんげんに
今晩よく眠れるよう
さんさんと降り注ぐ

旋律はひとつでいい

物わかりのいい子をやめた
誰もわかってくれなくなった

世界をうらむことはしない
誰のこともうらむものか

この感情が文字列の信号
私の心音に限りなく近く

私が私になるために
世界は要素のひとつに過ぎない

例えば一行しか残せない命でも
間違いなく私は生きた
もう何にも重ならない音で

遺書

うきわのうえ
うわのそらのようこう

きらきらしたさざなみ
もくもくのくもながれ

なみのまにまににいきてみた

さがさないでもいわないで

ゆらゆらただよう
わたしはゆうれいせん

あれはわたしのしんきろう

いなくなるから
きねんしゃしん

ぴんぼけ
さいごのえがお

燃えつづけるからひかる

馳せた思いは宇宙に伝播する

君の思いが星を光らせてる

数多の願いが銀河をつくってる

だから七夕は星がうまれる日

6等星のかがやきがいとおしい

夕方みつけた星がはにかむ

白い光につつまれた贈り物

心の中で燃えるものが

また新しい命を生み出している

だから宇宙は膨張していく

罪は滅びた

匣、或いは壺、その中から
飛び出したものたちが
今日の世界を動かすなら

暗闇を知るから火を灯す
光を知るから火を消す
恐れる心が愛を知る

良いと悪いでは終わらない
だから、
私たちの対話はつづいている

何も悲観することはない
何も間違いなどなかった
すべて、それでよかった

甘き感傷の淡さ

解き放たれた心に
名前をつけたのなら
もう戻れないことを知っていた

それはとてもあまくて
それはとてもさみしくて
それはとてもしあわせで
それはとてもおそろしくて
それはとてもうつくしいもの

どんな結末になろうとも
泣き崩れる夜があっても

祝福されて幕を閉じる
在りし日の心模様

いきるりゆう

さまつなことがらにこころくだく
なんというあさのゆううつさか

なくこともわすれて
えがおのきょうよう

おんしんふつうのあさ
はじまりのゆうがた

わたしはわたしをだきかかえ
よるはほしぼしのかがやきに
こころをあそばせている

あそぶためにいきている
くるしむためにいきていない

わたしのほんとう

わたしのほんとう

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2021-07-02

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