誘惑 桐原 水刃 うつくしさに血が出た。あなたがくれた日差しは魂を拐かそうとして、僕のなかへと入ってくる。少しずつ傷をひろげて扉をあけると、苦しみを思い出した。いつも僕のなかで叫んでいる化け物があなただった。 誘惑