折れぬ祈りを言の葉を

雪水 雪技

折れぬ祈りを言の葉を
  1. 沈めの合図
  2. 散らない花火
  3. 天が落ちた今朝
  4. 白銀の沈黙
  5. 自らを助けよ
  6. 溢るる心の源泉
  7. えにし
  8. すなおな心で
  9. 在りし日の銀座
  10. 鮮やかなままで
  11. よるはふわり
  12. 自答
  13. とける、とけて
  14. ひなんきゅうごう
  15. 銀河系の蛙、未だ縁起を解せず
  16. 熱気球が飛んでゆく
  17. 折れぬ祈りを言の葉を
  18. 泣いてもいいと
  19. 還りみち
  20. 夢幻とうろん会

Twitter詩まとめ6

沈めの合図

くもりのそらは重い
人類の上に寄っ掛かり
天はときどき休む日がある

灰色の空はぬくもりがある
青空にはないやさしさがある

頭の重さは空の手が
よしよしと撫でてる
その重みがぬくみが

身体をしずめてゆく
天とともに布団に沈もう
無理をし過ぎたらいけない

曇天の重みが何より雄弁

散らない花火

花のように生きる
夢を見るたびに
空気抵抗が生じる

私は散れないまま
花の夢を見ていた

不自然であることは
リズムが狂う兆候だ

塩水のような境目の無さ
海と私たちのつながり
とめどもなく求めてる

花に魅せられては
空へ打ち上げた夏

ただあるがまま
そのむずかしさ

天が落ちた今朝

昨夜は星空が落っこちたらしい
道端に星屑が散らばっている

空き缶の中に逃げ込んでる者
水溜りの中に新しい銀河をつくる者

アスファルトの上で呆けている者
電線に引っかかったまま光る者

思い思いに過ごしている
道ゆく人々は星々が
昼には無くなることを知っていた

初雪みたいな今朝の銀河

白銀の沈黙

なにごとにも雑然としていた
しんとなる瞬間を待っていた

星が落ちる瞬間の静けさは
眠りに落ちる時と似ている

枕をいくら変えても
私が見る夢は変わらなかった

どんな形で有象無象が横たわろうと
このアトリエには必要なものだけだ

雑踏、雑音、雑念
心臓が止まるまでの賑やかなお祭り

自らを助けよ

天はみすてなかった
それに気が付けることは幸いだ

幸福は目の前にいつも置かれている

自分の目を塞ぐのはいつも自分である

有難しと思えること
そのことそのものが
祝福であった

目の前を暗くしてはならない

いかなるうたをうたうときも

灯はひつようなのだから

溢るる心の源泉

心の源泉は枯れることがない
静かに静かに毎日あふるる

心の源泉は分け与えるため
この杯を隣人に届けよう

心の源泉は常に無限と繋がる
知らないことも見える水鏡

心の源泉の温度は変わらない
表層の激動に左右されない

心の源泉は誰にも存在する
心がある限り在り続ける

えにし

まるくあるく
わたしたちは

いかなるみちをえらぼうとも

まるくあるく
えんのうえに

つまるところ
わたしたちは

むすばれて
ひびきあう
いっぽんの
せんである

えんをえがく
えんをむすぶ
えんがあって

「やあ、こんにちは」

えがおがさき
えんぎがよい

すなおな心で

すなおな心で生きたいな

たとえば春のふきのいろ

みどりいろのやさしさと
はるのひざしのあたたかさ

たとえば初夏のしんりょくの

さわやかな心のもちよう
やすらかなるかぜのようそう

潔く葉を落として
すべてをつつむ雪の白さを纏う

すなおな心は四季の心
ましろな心、吹く風のまにまに

在りし日の銀座

どしゃぶりのなか
うたれつづける
ビニール傘に
あまたの色は映り込む

そこに新たな音を見つけて
履き潰したパンプスが歌う

みちくさしながらかえりみち
わたしの心はわらべうた

都会に降る雨、新鮮で

つめたい雨の中に見た
にじんだ光のあたたかさ

夢より夢らしい景色
まだ夢を見ていた頃

鮮やかなままで

鮮度が命の言葉だった
伝えたい日が吉日だった

良い言葉は早い方が良い
挨拶もわたしからの方が良い

朗らかに在りたい日には
おだやかに挨拶をしましょう

それが挨拶の効用です
わたしの心の安寧です

いつもお礼が言えるのは
なんと嬉しいことでしょう

コンパスはいつも雄弁な心に

よるはふわり

よるはふわり
カーテンのようなくうき

よるはふわり
なつかしいにおい

よるはふわり
ぬるいかぜにふかれて

よるはふわり
かえりみちはそらをみあげて

よるはふわり
こんびにのあかりにつられて

よるはふわり
きょうのことばがうかんで

よるはふわり
ふとんをかけてあさをまとう

自答

過去と未来それだけで
人生のながさをはかるのは
逃避と妄想であると知る

人里降りて暮らした私は
いつも闘争していたと知る

壊れた何かを見つけた時に
初めて逃走することを知る

私が私のことを忘れて
私が私を語るのは不可能だが
私が私を知ることは大切だと

私が知る、今がただ在るのみ

とける、とけて

このこおりがとけたころ
そのパズルがとけたころ

ときがくればまほうはとける
ときめきだけはとけないでいる

すべてをときあかしてくれたなら

とくとくとなるしんおんは
ときはなたれてうたになる

ひなんきゅうごう

ひびかきつらねて
ひらめきがふるひ

ひらひらまうことのは
ひたすらならぶもじれつ

ひのくれるころには
ひるまのくうきをいれかえ

ひつうなよるにそなえて
ひなんするえすえぬえす

ひとりのこころ
ひとつひとつをつみかさね

ひのめをみるひをゆめみるよりも
ひとにやさしくありたいといのる

銀河系の蛙、未だ縁起を解せず

夜のにおい
蛙のこえ

なつかしくなる
なきだしたくなる

甘い心地のあとから
溢れ出す苦しみ

どこへ向かっているのだろう

あの夜空には幾多の生命がいるだろう

彼等はどこへ行くのだろう

私を見て同じことを思ったろう

私たちは輪唱するように思考する

私は銀河系の輪の中にいる一匹の蛙

熱気球が飛んでゆく

思考は気球になった

熱を持ち過ぎて

持て余して

飛んでいった

空へ空へ吸い込まれていく

気球は嬉しそうに燃えている

あの山をこえるにはこれがはやい

思考は気づいて飛んでいった

私から自由になって

高く高く飛んでいった

私は喜びにふるえている

思いが成就した日

祝杯をあげよう

折れぬ祈りを言の葉を

何を追っても
何を負っても
何を折っても

折れないペン

祈りを降らす言の葉を
祈るように書き記し

これは文字で
これは単語で
これは言語で
これは信号で
これは心象で
これは血脈で

なにものにもそまらなかった

そのほかにはなりえなかった

そのままのわたしであった

泣いてもいいと

ふきこぼれた熱湯が
まるで泣いてるみたいで
わたしはお風呂場に駆け込み

静かに泣いておりました

夕立は子供の頃のわたしの涙
さみしくって引き裂かれる
こんなに声をあげている

声を押し殺して泣いておりました

心細い電車待ち
充血した目には朝日がしみて
また泣きそうになりました

還りみち

深海にあるのは闇じゃない
深く白く眩い裸の自画像

眠りに落ちるとき宇宙へ還る魂
眠りとともに夢で遊ぶ意識
眠りとともに海へ還る心

この身体は地球に抱かれてる
私たちは故郷を知っている
深いところで覚えてる
はじまりもおわりも
すべてひとつだと

星空からの子守唄
流星群は音の星

夢幻とうろん会

天気、晴れ、なり

天地、逆、なり

わたし、宙返り

ひがのぼるおとがした
きのみがおちるおとがした

昨夜は弁論大会でした
今朝はぐったりしてます

お祈り、お守り、そうして
わたしを綺麗にしていきます

もう、考え過ぎません
あとは、全て、天へお任せいたします

折れぬ祈りを言の葉を

折れぬ祈りを言の葉を

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2021-06-30

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