がらくてぃずむ

雪水 雪技

がらくてぃずむ

Twitter詩まとめ5

Junk

脳内のガラクタだけで
今日も文字列が生まれる

これが私のせかいです

夢でも食欲過多なまま
寝覚はいつも焦燥を抱く

きれいなリズムの上には
いつも先客がいる気がするから

どこにも行かずに完結する
私だけの永久機関をつくる

戻って進んで単調でも
苦悶の音程がある

カクテルみたいに
上品なまとまりが

どうにもなかった
雑味ばかりな生活

そこから味を拾うように
言葉を拾っては並べてる

もう何にもなれなくなった
ようちゅうのまま過ごして

葉の上でいつまでもねむる
つかれきった心象の風景画

今夜も月がのぼる
ぽっかりと空いた
空の○

クリームソーダの効用

歯切れ悪く
テンポも乱れ
今日は改札は通れません

仕方ないので喫茶店に入ります
緑色のクリームソーダを飲みます

私の中まで染み渡りますように
あの日の思い出たちで満たして

今日は昨日よりも優しく
今日は今日よりも寛容で

おだやかに、おだやかに
正午までやさしい小説を読みましょう

自然倒壊

連ねられた言葉たちが
積み木みたいに落ちてくる

せっかく出来たのになあ

思ってもいない言葉を
わざとらしく言えば
腹の底が冷えてくる

微笑に何の効用があろうか
怒りを抑えて狂ったあの日

私は一切の嘘を拒絶し
私は一切の美談を否定する

私だけの文字列の中で
下手くそな呼吸をする

余りの悲哀

様式が苦手になる
様式という様式が
あはれな社会生活者の焼印に見える

現実、芸術の対局に在る瑣事
印鑑、くるしい私には重い朱

なにごとも淡々と為せたなら
こんなふうには壊れなかった

なにごとも割り切れなかった
割り切れないものばかりだと

どうして教えなかったとは
言えぬ劣等の抑止

がらくてぃずむ

がらくてぃずむ
わたしのうたさ

がらくてぃずむ
もじれつならべ

がらくてぃずむ
おとにあわせて

がらくてぃずむ
だらくはしない

がらくてぃずむ
くるしみぬいて

がらくてぃずむ
かきつづけるは

がらくてぃずむ
もはやきょうき

がらくてぃずむ
とりつかれてる

ちぎり

わたしの脳はやすまない
絶え間なく降り注ぐ文字

生み出さねばならぬものは
意味を成さない大義も無い

なににもならない
だからあいしてる

生産的無生産な矛盾
結論からは話さない

じつにゆかいでいとおしい

永遠に解けないパズルと
愛し愛され落ちてゆこう

これがわたしたちの契りです

えころじすと

呆れるほどに悩めば
脳はいつも空腹で

甘味ばかり覚えて
単語の一つも入らない

退屈に殺されるな
雑事に絶望するな

奮い立たせた次の瞬間
すぐに座り込むことに

落ち込み、また悩んでる

燃費がいいから仕方がない
省エネが環境にいいのなら

私もそう生きることにする

噛み砕いた説明で伝わることなら
最初から箇条書きでわたしてる

複雑怪奇なことばかり
ここにつらねて砕けている

既に粉微塵、壊れてた
直さなくてもうごける

もう一度を繰り返して
砂の上を歩く延々の旅

夏です
蝉は永遠のシンボルです

私たちは古代文明たちと
円環の上でお喋りします

土にもぐる

言えないことを携えて
土の中にもぐる日々

もぐらもみみずも知らん顔

生き物はみんなシビアだから

化石とばかり会話をしていた

昔話より今日のことを聞きたがる

ティラノサウルスとは音信不通

骨になるにはまだ遠いと日記帳に書く

地下水の音と遺跡の胎動を聞きながら

夏をむかえた

汗ばむ、汗ばむ
マスクの下は
熱気をもって
息を整えて

歩く、歩く
変わらぬ日輪の下
汗をかいて
日差しを浴びて

夏である

あの季節を超えた

夏である

心細い道、ひとりだとしても

よく生きた、よく生きた、

蝉と共にむかえた夏だ
誇ってもいい

あの季節の私よ、諦めるな

お前は生きた

大安吉日

大安は何事かをする日

なにごともよいような

あんしんな日なのです

さて、何かをしたのなら 

わすれてしまいましょう

流したものの行方を
私たちは追ってはいけないのです

すべて放ったら
放っておくこと

あとのことは
かみさまの
いいように
なさることだから

流れの中へもどりましょう

何も無くなった時

言葉だけは残るから
言葉だけは裏切らない
言葉は言葉であればいい

空になっていくことは
悦びに似ていた
ありとあらゆる感情は
想像上の生き物

私は空であった

何も持たないのは楽
言葉だけが先にゆく

ゆらゆら灯を見つめては
微かな恍惚にありて

鉄は熱いうちに溶かせ

自由について

齧り付いた見事な歯形は
食べ切れば無くなる

砂に書いた文字も
岩に刻んだ文字も

時間は削り消し去ってゆく

その美しさ
刹那、刹那

傷付かない鉱物も
いつか宇宙にかえるなら

森羅万象の一切は
誰のものにもならない

なにひとつ繋ぎ止められる物などない

「だから僕らは永遠に自由で在る」

次元のおもみ

三次元を脱ぎたかった
こんなにたくさん着込んでさ

それでもここにとどまるには
これらの服が必要だった

オゾン層の上で眠る深夜には
私の肌は透明になってゆく

目を閉じると全てが視えた

回転速度に合わせた寿命

皮膚の上で水がはねる

溶け合えないこの次元

それでも重力は私を愛した

運命の輪の上で

渦、渦、渦の中

踊り明かした宇宙のはじまり

うずうずうずと

生まれたがる新しい
うた、うた、うた

苦痛を無視して
白い牙を剥き出して
生きとし生けるもの

鮮血の中生まれた
泡の中の女神と繋がる

運命の輪の中点

光を求めなくとも
その影を楽しむ心を持て

実に愉快な浮世で踊ろう

Radio

チューニングを合わせて
何年も彷徨っていた

この銀河系でいちばんの
放送局を探し求める

合わない日々
ノイズだらけ
汚染されてく
心象風景たち
はりのむしろ
ここはいやだ

何処かへとあてどもなく
何処か清々しい気持ちで

また歩き出した日々
心象の窓には光さす

ウォークマンから新曲伝播

レコードのノスタルジア

真実に到達するまでの迂回路に
心楽しき思い出と珈琲のほろ苦さ

太陽が沈めば
枕の上でドライブする

ユーロビートに歌謡曲
最新ヒットチャートたち

好きな音を好きなだけ流して
通信回路を光速で抜けてゆく

円盤の中心に近づくにつれて
針の動きと心音のシンクロニシティ

また新しい街に着く

Orange

日向をぼんやり眺めて
畳の上で詩を詠う日々

それだけが私の命
その日、その灯

照らされた古本
読み取れるのは
夕焼け空と感傷

平家から田園を見つめて
鳥のなく声を聞きながら
木々の声に耳を澄ます

それが本懐、私の命

その日、その灯

夏の光を
見つめて午睡
それが安寧

熊になる

熊になって川であそんでいた
紅葉する山々の間をながれる
大きな川の中で無邪気に遊ぶ

どこまでもつづく自然の中で
うまく鮭が取れない時もある
それでも私は熊を謳歌した

今目覚めて、人である我が身
何をか謳歌しようかと
不思議な笑いと共に

少しずつ目を覚ましてゆく

がらくてぃずむ

がらくてぃずむ

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-06-29

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted
  1. Junk
  2. クリームソーダの効用
  3. 自然倒壊
  4. 余りの悲哀
  5. がらくてぃずむ
  6. ちぎり
  7. えころじすと
  8. 土にもぐる
  9. 夏をむかえた
  10. 大安吉日
  11. 自由について
  12. 次元のおもみ
  13. 運命の輪の上で
  14. Radio
  15. レコードのノスタルジア
  16. Orange
  17. 熊になる