タマがいなくなった日

タマがいなくなった。
ばあちゃんを残していなくなった。
雨の降る朝、タマは一人で虹の橋を渡っていった。

タマがいなくなる前の夜中、私は金縛りにあい、体が全く動かなくなった。
後になってから、あれはたぶん、タマが最後のお別れでも言いに来たのだろう、そう思った。

タマは、いつでもどこでもリードで繋がれていて、そのせいでよく犬と間違えられていた、不思議な気まぐれ猫。
ある時は私に擦り寄ってきたり、またある時は、いきなり私を引っ掻いてきたり。
だけどタマは、私の癒しだったし、みんなの癒しだったと思う。

そんなタマがいなくなって、私はとても悲しくなった。
涙が止まらなくなった。

でもタマはきっと、虹の橋でまた元気になれる。
虹の橋で元気になって、ばあちゃんを待っていてくれる。

タマ、たくさんの癒しをありがとう。
タマがいなくなった日のことを、私はずっと忘れない。

タマがいなくなった日

タマがいなくなった日

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-06-28

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