聖者の遺物

聖者の遺物

行進行進、また行進……


罪深い者は、
その姿を鏡に映しても
決して解りはしないだろう。

ただ時が過ぎてゆく意味を、
黙って見つめるだけで
いつまでも暗闇から出られない。

本当の姿か?仮の姿なのか?
偽物の自分なんだろうか?
本当の自分はどこだろう?

生きてゆく事すら忘れて、
呆然と悔やむ時を過ごしてゆく。

逆立ちしても今が変わらない、
他の町へ暮らしても
決して癒えること無く
情け無い気持ちだけに叩かれる。

自傷したとしても、
このままずっと眠り続けても、
そんな心の主には明日は訪れない。

さぁ、もう終わりにしよう!

疲れた聖者は、
過去の遺物を捨て歩き出す……


それが今の自分なんだ。

聖者の遺物

聖者の遺物

行進行進……また行進。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 冒険
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-06-27

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