聖者の遺物
行進行進、また行進……
罪深い者は、
その姿を鏡に映しても
決して解りはしないだろう。
ただ時が過ぎてゆく意味を、
黙って見つめるだけで
いつまでも暗闇から出られない。
本当の姿か?仮の姿なのか?
偽物の自分なんだろうか?
本当の自分はどこだろう?
生きてゆく事すら忘れて、
呆然と悔やむ時を過ごしてゆく。
逆立ちしても今が変わらない、
他の町へ暮らしても
決して癒えること無く
情け無い気持ちだけに叩かれる。
自傷したとしても、
このままずっと眠り続けても、
そんな心の主には明日は訪れない。
さぁ、もう終わりにしよう!
疲れた聖者は、
過去の遺物を捨て歩き出す……
それが今の自分なんだ。
聖者の遺物