Psyche

雪水 雪技

  1. 限りなく永遠に近い旅路
  2. 不安定気圧の朝
  3. 安心申請
  4. 生き甲斐
  5. 体内から宇宙
  6. 休暇の森
  7. 愚直で悪いか
  8. 血流のうた
  9. 光合成する詩
  10. 死は甘くも救いもなく
  11. ゲームオーバー後の告白
  12. にんげんを選んだ日
  13. シンクロニシティのブーケ
  14. Psyche
  15. 休め、深く、
  16. あたたかないたみ
  17. 人類の飛行記
  18. innocence
  19. 白い死神、手を繋ぐ

限りなく永遠に近い旅路

うちゅうになげる放物線
それに誰かの願いがくっついて

大きな大きな星になって
いつか大きな惑星になるなら

たくさんの水と
さわやかな風と
やさしいみどりと
おしみのない愛が

みちて、ふえて、わらっていたいね

何光年先にあっても
叶った願いがそこにあるなら

長旅も悪くないでしょう?

不安定気圧の朝

浮遊する朝
体調の乱高下
吐き出した深夜

ふらつく脳内
だるいままの四肢

浮遊してる意識
あそんでいるなら

せめて楽しくいてと
願いながらみおくる

再び沈みゆく意識
楽しき夢を求めながら

安心申請

天に安心申請を出す
受理されるように

ただ祈りながら

今年の七夕のことを思う

ただ何も思いわずらうことなく

ただ何も求めくるしむことなく

ただ私をゆるして

ただ私をあいして

天寿をまっとうするために

安心をもとめる心

弱る体は冒険を恐るる

生き甲斐

生きて書いて生きて書いて

その繰り返しでかまわない

なにになろうとも文字列に

あらゆる怨嗟も願いも愛も

すべて込めて生きて生きて

そうすることが我が天命と

思い込みもいつか叶うとき

願うから叶う書くから進む

そういう詩をただただ詠う

体内から宇宙

不明未明今朝のこと
私へ一等星の来訪者

こころにひとつ
きらめきひとつ

すべてを内包する器
すべてを受容する杯

私の水面に同じ星空

天地と繋がる体内
呼吸は風を呼んで
血流は川の流れに

眠るたびに成長する
シナプスは休みなく
脳細胞は花ひらく

夢の夢で覚醒する未明

休暇の森

くまとの茶会後席を立つ
うさぎにもらったクッキーは
草の味が濃くて紅茶がすすむ

きつねと釣りをしていたが
何も釣れないことに安堵した

「きみにはそういうところがある」

りすと一緒に木の実をひろう
樹液をもらってニスをつくる
ボロボロの椅子を直してから

ふくろうと出掛ける夜会へと

愚直で悪いか

混ざらない唯一無二の色
黒に染まれば楽だった?

白くありつづけることの
難しさを知っていたけど

黒を言い訳にすることは
絵の具たちがゆるさない

何も言い訳にすることなく
ただカンバスに向かえ、と

ここにお前の世界を描け、と

私の意思が
あっても
なくても

私はかく
ばかみたいに

血流のうた

まるいひかりを見ていた

なぞるようにして切ろうと

杖を振ってみて

ひきもどされるくるしみ

何もかもくるしかった

それでも血がめぐるように

体ははたらいていた

血がわたしを生かすなら

何にも応えられなくても

ただ生き抜くことそのことで

こたえとさせてほしいから

光合成する詩

さみしい日々に
かなしいうたを

そうしてひりつく感傷に
あたらしい光を見つける

こうして光合成は成功して
わたしは日々を生きながらえ

葉脈の記憶を辿っては
自分の血脈と見比べて

どこかで重なる瞬間を
顕微鏡の前で震えながら待っている

死は甘くも救いもなく

タナトスは私を救わない
誘惑めいた甘い言葉すら

今更私の心はふるえない
頑なになった私に導き手を

プロメテウスの火を灯す
生きよ、生きよと彼は言う

私はガイアに抱かれる
かよわい人類のいちぶ

火を灯す、ランプに、心に

暖をとる

安らぐために、生きるために

ゲームオーバー後の告白

ゲームの終わり
廃棄される飛行機を見た

あの直線の雲のゆくえ
ぼやけていく視界

おわりがあるから
がんばれるんだよ

屋上で誰ともなく君に言った

きみがいたから
がんばれたんだよ

それは手紙に書いたこと
もう捨ててくれて構わない

消費期限の切れた言葉なら
毒にも薬にもならないから

にんげんを選んだ日

空を舞う
心に羽根
夕陽照らされ

かみさまになった日

クリーム色の夢を見る
自分が好きなことを思い出す

また飛んでいく

かみさまを放棄して

にんげんになる日

なにもかもわすれて
なにもかもくるしい
けれどもうれしいのは

きっと

シンクロニシティのブーケ

鮮度がいのちのことばたち

市場でであうはシンクロニシティ

ただ歩いているだけで

心に浮かぶはきぼうのうただ

宇宙船がむかえにくる

星々のおもいでばなし

素敵な花々をおもいだせば

四季折々に下を向いていた時代

そんな私を愛しくおもえる

すべて超えたここでおもうこと

Psyche

吐息に宿る命のきらめき

どうか深い呼吸をしていて

忘れないでほしいこと

忘れてしまってほしいこと

色々なことが重なるから

何故か複雑な道の上に居る気がして

何度も天をあおいでみても

空がつづくばかりで

何度絶望しても

わずかな希望を飲んでは

再び立って息を整えて

休め、深く、

祈りめいた言の葉を
籠にあつめて歩いていた

木の葉だけで願いを叶えて
星の瞬きに合わせて息をする

そうして生まれるひらめきが
今日の私を生かすなら

この星を希望の地と名付けていいや

今日も祈りながら生きている

合理的な方法論に惑わされない

効率的な忙殺に警笛
おやすみ、シナプス

あたたかないたみ

涙のあとには何も無い
痛む頭と赤い目だけ

知っていたけどつらいなんて
認めたくないわたしがいた

やっと決められたことなのに
生きてるだけで精一杯

言葉は流れてとどまらない
だから血液と同じな気がする

似たような温度の言葉なら
わたしのことをあたためられるね

信じてるのはわたしだけ

人類の飛行記

安心を飲む
ごくごくと飲む

今日も生きたね、
えらいね、と

私を褒める私の言葉で
私の空洞を埋めていく

命さえあれば愛せるよ

生きている痛みごと
愛せたのならば

愛しているのは本当

でも

いたいのはきらい
くるしいのはもういらない

鳥瞰することの必要性
人類が空飛ぶ時代の飛来

innocence

よわいわたし
みとめないで
すすみつづけて
くだけてしまった

もうもどらないかたち

みれんはないけど
とてもかなしいな

しんじたのはわたし
だからだれもわるくないの

いいこのふりって
いわれたけれど

わたしはわたしだった

みんなのなかにはいりたかったの
みんなのえがおがすきだったの

白い死神、手を繋ぐ

死んでしまいたい気持ちと
才能に飢えた感傷たちが
私を板挟みにする時
何かを生むだろう

死神は常に真っ白な手で
私と手を繋いでくれる

私は詠う
生きながらえるための言の葉を

私は信じる
心を甦らせる言霊のちからを

切り開かれる日
その目を閉じないように

信じ続ける詩があるなら

その七色の切先で
世界を超える夢を
心地の良い世界を
完成させてみせる

その七色の切先で
夢を超える幻影を
幻影を喰らう詩を
詠い続けてみせる

その七色の切先は
人の夢がおりなす
七色より濃い七色
虹より虹らしい色

空に浮かぶほどの
幻の詩をうたって
心から溢るるもの
そのままに彩って

Psyche

Psyche

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2021-06-27

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