星を編む

川島 海

一番小さなわたしが眠らない
山小屋の二階の三角窓からは
砂を撒いたような満天の星空が見えた

外で両親が起こした焚火の灯りが
下の目蓋を熱くするように舞い上がって
火の粉が星のひとつになって消えていくと
ゆっくりと柔らかな眠気がやってきた

無機質なアナウンスと空気圧で
押し出されるように夜を巡る
あり得たかもしれない未来が
ネオンに照らされて煌々と輝くから
上を向いては歩けない

ワット数を間違えたクリプトン球では
東の空に放り投げたとしても
あの山の麓のあたりで擦り切れて
デネブの代わりにはならないだろう

ゆっくりと目が慣れるまで
暗闇を織り重ねていく
この街の夜にはそうして
探さなくてもよかった何かを
取り戻さなければ眠れない

星を編む

星を編む

  • 自由詩
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2021-06-26

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