咬合

 いまにみてろ、天を衝く色が淡くかがやく様を。鈍い反射光がにらむ、昏く爛れる憐みのように。誰かが人道を征く背には、殺戮の跡の燐光がかげる。呪いは力だ。あくまでも散りゆく月明かりの発芽を戒めるために繰り返される。何度も、何度も、生きたいと思った。ひかりの増える世界だから。

咬合

咬合

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-06-26

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