短々落語「隣の客」
400文字以内のショートショート落語臭
「隣の客」
ご隠居てぇへんだ、てぇへんだ。
どうしたんだい、八つぁん。
隣の家に囲いができちまった。
そうかい。それで、どうしたんだい?
隣の竹垣に竹立てかけた。
へー。
そしたらね、隣の竹垣に竹立てかけた竹から、蛙ぴょこぴょこ三ぴょこぴょこ、合わせてぴょこぴょこ六ぴょこぴょこ、現れたので、あっしは、赤巻紙、青巻紙、黄巻紙、持ってご挨拶にあがったのさ、するとね、赤パジャマ黄パジャマ茶パジャマ着た坊主がでてきて、坊主が屏風に上手に坊主の絵を書いた、驚いたあっしが庭先を見ると、そこには、柿の木柿の木かきくけこ、だからあっしは思ったね、隣りの客はよく柿食う客だってね、聞けばお勤めは、東京特許許可局、東京特許許可局許可局長。
八つぁん、よく噛まずに言えたね、見直したよ。だけど八つぁん、生麦、生米、生卵の基本を忘れているよ。そこは、赤巻紙、青巻紙、黄巻紙だけじゃなく、生麦、生米、生卵も持っていっておやり。
短々落語「隣の客」