灯し画

渡逢 遥

薄闇の中、僕は目を凝らす。帰らない人、戻らない日々、果たせなかった約束、ばらばらになった身体。僕は目を凝らす。おぼつかない足取りで、不器用な手付きで伝えようとする。何かを伝えようとする。僕は歩き出す。薄闇の中、僕は歩き出す。ばらばらになった身体を少しずつ復元しながら、呼吸を整える。僕は描き出す。この薄闇全体を、一枚の画布として。僕はただ、きみだけを知りたかった。

灯し画

灯し画

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-06-19

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