血汐に

藤月犀窩

地獄は底に沈むほど滑らかにやさしいと
あなたの背骨のでこぼこが教える
ぼくを貫く光線の果てしなさに灼ける身を抱く
病熱さえあればいい、爛れる視界には
すべての刃物のつめたさが心地いい
血が流れきってやっと大丈夫になるんだ
夕暮れの赤はあなたみたいで
ひどく安堵する 秒針 薄い瞼を燦々と縫って
いま血汐へと還ります

血汐に

血汐に

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-06-17

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