赤い指

あおい はる

 ぬるり、としたとき、指。五指に色づく、赤。哺乳類の、からだのなかを流れている、もの。星から生まれて、星に還る運命である、わたしたちを馬鹿にしたように、神さま、つめたい息を吐く。濡れた右手だけが、あつい。
 となり町の、教会のひとが、神さまに背いて、犯した罪が、恋、だったときの、なんともいえぬ、かなしさよ。
 しろくまの巨体が、わたしを抱き潰す、あの感覚を味わうことをゆるされないなんて、かわいそうなひと、と思いながら、わたし、ちょっと高級なアイスクリームをたべてる。どうでもいいテレビを観ながら。バニラ。かたわらで眠る、愛しい獣。
 きみが。
 星の裂け目に落下して、七日が過ぎて、七日でだいたい、世界はまわるようになっているらしいので、もう、きみはきっと、星。

赤い指

赤い指

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-06-14

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