偽鏡
人は速さを重要視して、その他は普通だとみなしてる。
どれだけ頑張ったとしてもどれだけ努力しても、どれだけ積み重ねたとしても
50の大作よりも
5歳の凡庸な絵を
人は神童や才能だと持て囃す。
その他は、積み重ねれば、できると思い込んでる。
それが傑作なことに誰も気が付きやしない。
人は速さを重要視して、その他には目もくれない。
全てが凡庸だと嗤うのだ。
だから価値が薄れて、亡骸にも等しい。
形骸化された価値観にいつまでもしがみついてなきゃ生きていけないのだ。
人は、ピカソを知らない。
ダヴィンチを知らない。
そして、エジソンすらも知らない。
結局、大衆は秀でた一つの面を、いわば球体の表面しか知らないで、物を語っているんだ。
真相よりも、ドラマを好み。
歴史は遠ざけ、ゴシップを語り。
小説を書いては、自分語りに興じる。
誰も、誰も中身を見ちゃいない。
人は、決して本当の事を見やしない。
見やしないんだ、見れないんじゃなく、見ようとしないんだ。
真相よりも、ドラマを好み。
歴史は遠ざけ、ゴシップを語り。
小説を書いては、自分語りに興じる。
結局、虚構というイフ・ストーリーを映す為の道具に過ぎないんだ。
誰も真実なんか気にしちゃいない。
偽鏡