擦過

藤月犀窩

ゆびのすきまから溢れる陽だまりがあなたに残り続けますように。 あなたの悲しみがあなたをなるべく損なわないように、 滲む血さえ温もりに満ちるよう、 わたしをなぞる足取りの不確かさを愛しています。 
     とおく触れ合う輪郭だけ、微睡むひかりが、いまも揺られ続けて 神さまですら追いつかない速度で、宇宙のずっと向こうを過ぎて行くのを、瞼の内側に感じている。  どうかゆうやみのすべてを溶かしたいろに、 鉛みたいな祈りを祈るの。

擦過

擦過

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2021-06-10

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