水上の花
薄い膜じゃ眠れなくて
硬い殻じゃ殺しそうで
ずっと、ずっと雲をなぞっていた
ひとりで、なぞりつづけていた
俯く花に光は視えない
如雨露は視えない
吐き出すものがなくなって
彼方に遠ざかる自分を感じる
水平線の彼方に
いつかの面影を捜していた
俯きはじめる前の
花の面影を
一輪の笑顔を
水上の花
薄い膜じゃ眠れなくて
硬い殻じゃ殺しそうで
ずっと、ずっと雲をなぞっていた
ひとりで、なぞりつづけていた
俯く花に光は視えない
如雨露は視えない
吐き出すものがなくなって
彼方に遠ざかる自分を感じる
水平線の彼方に
いつかの面影を捜していた
俯きはじめる前の
花の面影を
一輪の笑顔を
水上の花