愛と憎しみの祝福
結婚式の回想
静かに並んだ参列者達
教会に響く讃美歌とハープの音色
隣の友人は早くも涙ぐみ、ぐすぐすと鼻を鳴らしてはハンカチで目元を拭った
後ろからあの子が純白のドレスを引きずって歩いてくる気配を感じた
この感情がなんなのか、私にははっきりとは決められなかった
それは黒いような気もする
あの子と別れる最後の瞬間を思えば
私と離れ、今隣を歩くその男を選んだ方のあの子
でもそれは淡桃色な気もする
あの子と過ごした永い時を思えば
はじめて私に手を差し伸べ、ぎゅっと握って笑いあったあの子
さよなら、
どうか幸せに、
嘘つき、一生一緒だと言ったのに
愛と憎しみの祝福