“し”はしあわせのし

しあわせだって早くかわいいあの子の所へ行きたいよ。
きのうはあとちょっとのところで行けたのにな。
「ちくしょう。」
道に転がっていた石はポーンと宙に浮いた。
「あ〜あ、あの子がおいでよ!」って呼んでくれれば今すぐにでも行くのにな。
しあわせが呼ばれなくなってから、もう半年も経ってしまっていた。
呼ばれるかな?と思うと苦しいし、どうせ呼ばれないよ!と諦めればさみしい。
どうせみんな“しあわせ”のことなんて忘れてるのさ。だから、
「うきうきするのはほんの少しにしよ。」


聞こえる。
しあわせが祈るちいさい声。

“し”はしあわせのし

“し”はしあわせのし

みんな必ずしあわせになれる!なれると言ったらなれるんだぁぁぁ! という物語です。

  • 小説
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-06-03

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