いわゆるロボット

◯◯◯◯とニンゲンのすれ違いについて

そのことばを聞いた時、私のこころは芯から冷えて、今まで温もっていると思っていたのは自分の勘違いだと気がつかされたのです。

「所詮御前は○◯◯◯なんだ。莫迦みたいににこにこして、私の気持ちなんて知らないくせに。」

昨今の技術の発展は目覚ましく、◯◯◯◯とニンゲンの違いは側から見たら直ぐには判別できないほどになった。
私にはにこ、と口角を上げて笑うことも、厭なものを見た時に眉を顰めることも、なんだって自然にやってのけられる。

貴方が悩むときは頬杖をついて一緒に机に向かい、嬉しい時は戸棚にこっそり隠してある飴玉を共に舌で転がし、悲しい時はしとしと雨音が聞こえる軒下で何時間も時を過ごした

「今迄のこと、全部お芝居だって知ってるのよ。貴方はいわゆるロボットなんだから。」

いわゆるロボット

いわゆるロボット

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-05-29

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