片想いマニア

片想いを集めるおんなのこの話

片想いマニア

「申し訳ないけど、貴女の気持ちには応えられないと思うの。」
 
 伸びかけの前髪の隙間からちらと覗く上目遣いの眼差しは、海を揺蕩うクラゲのように泳いでいた

 ぱっと咲いてはあっという間に散っていく桜のような恋、灼けつく日差しのような恋、じわじわ色づいていく紅葉のような恋、そしてしんしんと積もりゆく雪のような恋

今回はどの季節かな、と想像しながら私は毎回恋をする

「やっぱりそうだよね…、残念だなぁ。今日のことはヒミツね!」

にこ、と私が笑うと彼女は心底安心したように顔をあげた

この子は夏の子
だって揺らめいた視線はクラゲだし、日焼けしない肌は白い雲だから

片想いマニア

主人公は女子校の王子様みたいな中性的な女子生徒で、好きでもない友達、先輩、後輩、その他もろもろの女子生徒に声をかけては失恋する。
本人に恋愛感情はなく、この子への片想いはどんな恋なのかという好奇心で動いている。
みんなのあこがれの人なので、悪い噂が広まることもなく、彼女は今日も片想いを集める。

片想いマニア

あのこにする恋は、なんの季節なのか

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2021-05-29

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted