俺にとっての炎は、人を焼き尽くす炎。
毎日、人の肉を真っ黒に焼きこがして、骨を透き通るような真っ白にする炎。
自殺した兄の骨は、ダイヤモンドに変えた。
俺たちが生まれ育った家も取り壊した。
その家で俺は、ずーと引き込もっていた。
人を焼く場所で、俺はようやく社会と繋がれている。
人を焼き尽くす炎は、俺を癒してくれる。
人がその炎に包まれ骨になり灰になって行く。
今日もまた、俺は知らぬ他人を焼き尽くす。
無差別に焼く。

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • ホラー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-05-27

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted