ハネネズミ(原版)

ゲームSTART

オノロケさん「たくっ将校さんが羨ましぃーぜ」

茶釜さん「全くだ。俺ら衛兵は休みなしだぜ」

そう言われた青年の名はリアド。聖光十字軍の指揮官を務める若者である。彼らがいるこの世界は現実の世界ではない。ロールプレイングゲーム「st4」のゲーム空間である。


そうしたゲーム内のプレイヤーたちにはいくつかの役割が存在する。まずリアドのように部隊を率いて戦う指揮官プレイヤー。オノロケさんや茶釜さんのように衛兵として戦う衛兵プレイヤー。そしてこのゲームにはもう一つ重要な役割が存在する。それはどちらの軍にも属さない第3勢力。人は彼らの事を「ハネネズミ」と言った。

??「オルフェ。依頼が舞い込んだぜ」

オルフェ「どんなだ!!?」

オルフェ「なになに?西軍内に潜入し極秘資料を入手せよ?か?」

??「どうする?」

オルフェ「面白そうだな?やってみよう。ニックス。人を集めろ」

ニックス「あいよ。オルフェのダンナ。」

そして…作戦会議が開かれる。まず西軍内に潜入する為には…ロンドの街西南にある(ハサンの里)と言われる。地区を通らなくてはならない。ここはロンド市の人間もその素性を全く知らない民族が住んでいて入れば最後…生きて戻れない。と地元住民が噂しているところである。

ニックス「んじゃ…頼んだぜ。マックス」

マックス「あぁ任せとけ。」マックスと言われた青年はそう答えると足早にとある所に向かって歩き始める。

まず、(ハサンの里)内に潜入する為には大きく2つの方法があり‥まず1つ目は山道をひたすらあてもなく歩き何処にあるとも知れない里を見つけ出す方法。しかし、このやり方は下手をすれば餓死(強制ログアウト)をする危険がありリスクが伴う。もう1つの方法はロンドの街の工場で働き…そこで何らかの罪を犯す事。ロンドの街では罪人たちをハサンの里内部に鎖で繋がれたまま放置し…彼らに見付けさせる。という風習が存在する。今回…マックスはそちらの方法を用いて里の中に潜入する。



オルフェ「マックス。これが里内部の隠し通路の地図だ。受け取れ」

マックス「あぁ。ダンナ。そういやメフィアはどうするんですか?今回の任務。彼奴には荷が重すぎやしませんか?」

オルフェ「なぁ~にお前が考えてる程あいつはやわじゃないよ。心配すんな。ほら行ってこい」

マックス「フッ(笑)OKダンナ。了解したぜ」そう言うとマックスは先に向かったニックスたちの後を追い歩き始める。


ロンドの街…エネル工場前

ニックス「良いか?マックス。今お前の目の前に見えるのがエネルの工場だ。まずは工場の裏口西南を目指せ」そう言うとニックスはL4と言われる通信機を使いマックスに指示をだす。


マックス「OK了解した」

そんな事がある数日前とある西の海域では異常事態が起きていた。

?「くそッ何だこの嵐は…!!?」

船員「船長。船員たちがもう持ちません。」

船長「堪えるんだ。これをやり過ごせば何とかなる筈だ!」

船長「ん?何だあの光は?」船長がそう言った先を船員が見ると赤く眩い光が海の底から空へと向けて…伸びていた。

次の瞬間…爆発音と共に…光がこの辺りの海域を包み込む。あまりの光に思わず目を閉じた船員たちが次に目を開けた時に見たものは…見た事もない生物と…見た事もない植物が存在する森の中だった。

船長「何だ…?これは?」

船員「どういう事なんでしょうか?」

船長「わからん。はっ!!?それより皆は無事か?」

?「皆かどーかはわからねぇですが俺は無事ですよ船長。それとこいつもな」

船長「オルガ。それにリリフか?」

リリフ「はい。船長ここは何処なんでしょうか?」

船長「私にもわからない。ただこれだけは言える俺たちは最悪の事態を切り抜けた。他の船員たちも探せば見付かるかもしれない。お前ら手分けして探すんだ」


船員たち「了解しました。」

オルガ「OK船長。んじゃリリフてめぇは俺について来やがれ」オルガにそう促されリリフは森の東側へと向けて歩き始めた。


船長「よし。お前らは俺と共に西側を探すぞ」

明くる日…ハネネズミに一通のメールが届く。

?「ん?なんだぁ?」

??「どうしたんです?シルバさん?」

シルバ「いや。依頼なんだがちと妙な文章だ」

??「妙?何々?西の海域にて船を残したまま船員が消失?」

??「これのどこが妙なんです?」

シルバ「報奨金の額さ。これしきの依頼で500ギルド。これが本当なら向こう半年は仕事しなくても生活できる程さ」


??「確かに…?うーん」

??「西の海域となるとバミューダトライアングルの事ですかね?」

シルバ「知ってるのか?」

??「ええけっこー有名ですよ。この海域で何隻もの船の消失がわからなくなっています」

シルバ「なるほどな。そういう事か?なら合点は行くぜ」


バミューダトライアングルとは現在のフロリダ半島の先端と、大西洋にあるプエルトリコ、バミューダ諸島を結んだ三角形の海域の事で古くからこの海域で乗組員のみが跡形もなく消える事故が多発する魔の海域である。

St4のゲーム内ではフロム島…大西洋にあるプルメリア…バミューダ諸島の三角形を結んだ海域とされており…同じ様に度々人が消失していた。

そんな依頼が出され船員たちの捜索が行われ始めた頃…オルガたちが目にしていたものは見た事もない技術で造られた街とそこから天空へと伸びる空に浮かぶ城だった。


オルガ「何だ!!?ありゃ?」

リリフ「わかりません。」呆気に取られていたオルガは街の住人であろう男に訪ねる

オルガ「おい。兄ちゃん。いってぇここは何処なんだ?」

街の住人「何言ってるんですか?ここはアトラス帝国南端にある街プペルですよ。」そう言うと青年は足早にその場を立ち去る。

オルガ「アトラス帝国だぁ?」

リリフ「どういう事なんでしょうか?」

オルガ「わかんねぇ。が…とにかくこの街を探索してみるしかねぇだろう?もしかしたら…リルたちもいるかもしれねぇ」


リリフ「同感ですね?」そう言うとリリフは街に入っていく。

オルガ「ちょッ待てよ」

リリフ「フフ(笑)早く来てください置いていきますよぉ~(笑)」


時を同じくして…船長はとある洞窟を発見していた。

船長「ハルバート…灯を頼む」

ハルバート「はっかしこまりました。」ハルバートはそう言うと…アイテムBOXから赤いクリスタルを取り出し光らせる。

ボォッ♪そんな音が響き入り口の脇にある電灯が付いたかと思うとそれに呼応する様に洞窟内に設置されていた電灯が一斉に光り始める。

??「船長。この森一帯の解析が終わりました。どうやらここは…隠れステージの様です」

?「するってぇと…ここには通常ミッションじゃ入手できねぇようなお宝があるって事かい?」

??「その可能性が高いと思われます」

船長「ふむ。構造はどうなってる?」

??「全体像まではわかりませんが…この森一帯はおおよそナスカ帝国程の広さで近くに街がある模様です。」

ナスカ帝国とは…St4のゲーム内に存在する国の事で…世界の3分1を支配下におく大国の事である。St4のゲーム内ではナスカとインカの2つの国が100以上からなる国のトップとなり…争いを繰り広げている。将校プレイヤーの多くがいずれかの国の正規軍として戦場で戦い…互いに譲らぬ攻防を続けている。

プレイヤーはゲームを始める前にナスカ(人族)とインカ(魔族)どちらになりたいかを決める。魔族は人族よりも魔法の才に長けていて身体能力も高めの設定だが…多くのプレイヤーは人族を選択する事が多い。人族の中で特に強い力を持つ7人の英雄プレイヤーたちの事を【セブンズナイツクロニクル】と言い…彼らは世界を守る7英傑と言われている。

そんな7人に対抗する為にインカ帝国には五虎将と言われる5人の武人プレイヤーが存在し…彼らの12人の力は五分五分と言われている。


?「ナスカと同じってめちゃくちゃ広いじゃねぇーかよ?」

??「そうですよ。ゲイルさん。それと…船長この森の南端に訝しげな空間があります」そう言うと青年は船長のメールBOXに一通の手紙を送信する。

船長が指で何もない空間を手で触れるとメール画面が開き自身の前方に先程青年が解析したこの森の構造の大まかな全体像を映し出した地図がホログラム映像のように映し出される。

船長「どれどれ?確かに?気になるな。後で行ってみよう」

その頃…ハネネズミ本部では本格的に船員たちの捜索が行われていた。この海域に派遣されたのは…人族と魔族の混血種で1番隊隊長のシルバ・ゼル・ヴェルフの部隊と2番隊隊長で魔族のヴァン・リゼルヴァ・ペインの部隊である。シルバのような人族と魔族の混血種になるには…Bランク以上のミッションをクリアする事が条件とされており…クリアする事で「転生」という項目がメニューに追加されある程度の任務をこなした衛兵プレイヤーたちにだけ与えられた特権である。但し転生すれば再びレベル1となるというリスクはあるものの転生前とは比べ物にならないほどステータスが大幅に上昇する。

シルバ「よーく探せよ。お前ら」

ザァ…パァン…♪♪♪

?「シルバさん海中を探しましたが…人っ子一人見当たりません」そうシルバに向かって話すのは…人族と魔族の混血種である…リックという青年である。


リックは転生前魔法に特化した衛兵プレイヤーであったが転生後にワームイーターと言われる自在にその姿を思いのままに変換できるとされる種族になった。

この力を利用すれば人魚になる事も可能で海中捜索にはうってつけの人材である。海中を移動する際は人魚のような姿となり海を移動する。海面に上がる時は人魚モードから人形モードへと姿を変えて陸地を移動する事が出来る。

また人魚モードは海中移動に特化した形態で戦闘においては青色の肌に筋肉質な男の姿へと変身して敵プレイヤーと戦う。この姿の時のリックは通常時の1.5倍の戦闘力となり主にこの3つの形態を状況に応じて使い分ける事が可能でこういった事ができるのはリックがワームイーターであるからである。普段は人の姿をしていて…その力を利用して依頼に応じて潜入して情報を入手している。

例えばインカ帝国から敵軍の内情を探ってほしいとの依頼があれば…人の姿となり…ナスカ帝国の内情を探り…ナスカ帝国から反対にそういった依頼が舞い込んだ際は魔族の姿となり内情を探っている。ハネネズミ本部ではリックの素性がバレないように隠蔽されており…リックという名もコードネームのようなものである。

その特性から…彼のようなワームイーター種はハネネズミでは重宝されていて欠かせない種族となっている。

シルバ「本当だろうな?リック」

リック「ほんとも本当。俺が隊長に嘘つくわけ無いでしょ?」


シルバ「人がいなくても何かしらの痕跡がある筈だ。よーく探し出すんだ」


リック「はぁ…たくもうッ人使い荒いんだからぁ」

シルバ「何か言ったかぁ?」

リック「何でもないですよぉ~」リックはそう言いながら渋々と海の中に潜る。暫く海中を捜索していると妙な構造をしたオーパーツを見付ける。


リック「何だ!!?これは?」

リック「一応アイテムBOXに入れておくか?」リックはそう呟くと…腰に付けてる何でも無限に入る便利袋にオーパーツを入れる。

丁度その時…別方向を探索していた部隊から連絡がはいる。

ピピッ♪♪♪

?「リックさん少し見て頂きたいものがあります。来てくれますか?」

リック「了解した。すぐに向かう。場所はどこだ?」

?「ちょっちょっと待って下さい。今現在地情報を送信します。」

数秒後…リックのメールBOXに現在地情報がはいる。

リック「なるほど。ここか?」そう呟いたリックは全速力で…隊員の元へと向かい始めた。

シルバたちが血眼になって海面を探索している頃…プペルの街で仲間を探索するオルガたちはプペルの街で信じられない情報を耳にしていた。

オルガ「何だって!!?おい兄ちゃんそりゃ本当かい?」

男1「え!!?あええまぁ」

リリフ「その話しもう少し詳しく聞かせてくれませんか?」

男1「だから、何回も言ってんだろ?今は西暦150年。アトラス歴慶長5年だってな。」

オルガ「誰がんな嘘に騙されっかよ。慶長5年つったら7000年も前の話しじゃねぇーか?」

オルガ「俺がバカだと思って舐めてんのか?あぁ?」

男1「そう言われてもなぁ?」

リリフ「それを証明できるものはありますか?」

男1「証明??証明ねぇ?うー…ん。あ!!そうだこれを見てみな」そう言うと男はとある銀時計を見せる。

男1「コイツぁ…現皇帝が即位した時に国民全員に配られた銀時計だ。ココを見てみな」そう言うと男は銀時計を指差す。


リリフ「慶長3年発行?。」

オルガ「嘘くせぇ。んな話し信じられっかよ」

オルガ「大体銀時計ぐらい‥いくらでも模倣品が作れんだろーが」

男1「バカを言うな。この銀時計の針は貴重な鉱石であるアエンデ石を削られて作られてある。素人に模倣できるような代物ではない。」

オルガ「おっさん。バカも休み休みに言えよ。んなもん昨今は珍しくも何ともねぇんだよ。模倣スキルさえありゃ小学生でも作れるしろもん(代物)さ。」

男1「何だと?大体私にしてみれば君らの話の方が信憑性に乏しいね?君らが7000年も先の未来人としていったいどうやって過去に来たと言うんだ?」

オルガ「んな事俺にもわかんねぇーよただ」

男1「ほれ見た事か。フン。この銀時計の価値もわからないような男の」

オルガ「おっさん。人の話は最後まで聞きやがれ。ただ‥海の上で船に乗ってたら赤い光に包まれたかと思ったらここにいたのさ」

男1「あっはははは(笑)何を言い出すかと思えばんなおとぎ話みたいな話し信じろ?って言うのか?そっちこそバカも休み休みに言うんだな?」そう息巻くと男1はその場を後にした。


時を同じくして洞窟内を探索していたハルバートたちは奇怪な生物と戦っていた。

??「ギャオオオンッ」

ザァンッ

船員1「うわぁ…」

キィィーーン…ギギィ

ゲイル「大丈夫か?下がれ」

船員1「ゲッゲイルさんありがとうございます」

船長「接近戦はゲイルとハルバートに任せて距離をとれ。俺たちは2人の後方支援に徹するんだ」

??「やれやれ僕の出番そうですね?」

??「∀∉Ⅷ∇」青年がそう呟くと右手から青い炎そして左手からは黒い炎が放出され…謎の生物へと向けて放たれる。

ヒュードォンドォンドォーン

??「ハルバートさん今です」

謎の生物「ぐぉぉがルルル」

ハルバート「すまない!恩に切るよ。ミハエル。」そう言うとハルバートは炎で悶え苦しむ謎の生物に向けて手に持っている大剣で斬りかかる。

ギィー…ん

ハルバート「くっ刃が通らない」

ゲイル「どいてなハルバート」そう言うとゲイルは剣に雷と炎をまとわせて…目にも止まらぬ速度で謎の生物に斬りかかる。

一瞬…ゲイルの姿が消えたかと思うと…閃光と共に謎の生物にゲイルの攻撃が決まる。

バッァチイィィィィイ…ヒュ…ザァン…ざぁンッザク

そんな音が響いた瞬間…謎の生物は僅か数秒の内に手をもがれ頭を斬り落とされて地面に転がっていた。同時に…爆雷で全身が焦げたような跡があり死骸から黒い炎が噴出する。

船長「やったか?」

ミハエル「おそらくは…?それにしても何なんスカねぇ?この生物?」青年はそう言うと謎の生物の死骸の一部を宙に浮かせて自身の手元まで操作するとそれを小瓶に収納してアイテムBOXに入れる。

その頃アトラス帝国王都にある帝国学園アリステアに一人の青年が転校してくる。

??「それでは皆さん席について下さい。授業を始める前に皆さんに紹介したい若者がいます。じゃあ君入って」


女生徒1「えっ!!?転校生?」

女生徒2「どんな人なんだろう?」

ガラッ教室の扉が開き一人の若者が入ってくる。青年の名はリアド。リアドの親はアトラス帝国と敵対する真ルーファリザ王国から亡命してきた科学者である。

リアド「初めましてリアド・ヴィル・エルステアです。よろしくお願いします」

女生徒3「カッコいいィー」

??「はい!はい!リアド君に趣味とかはあるんですか?」

?「こらこら!ルナ・ホーエンツォルン・アリストテレス初日から‥転校生を困らせるな。」

ルナ「良いじゃないですか?ユーリ先生」

ユーリ「しかしだなぁ…?」

リアド「先生。別に趣味を答えるぐらいなら構わないですよ。」

ルナ「やったぁ…(笑)」

リアド「えっとルナちゃんだっけ?オレは親の影響で小さい頃から魔導科学の研究を手伝ってるんだ。例えばコレ」

リアド「俺が作った指輪なんだけど…この中には様々な魔法が記録してある」

リアド「だから…時属性の人間にしか使えないようなテレポーテーションもこうして指輪に魔力を込めるだけで」

プシャンッ

リアド「発動できる。その他にも今は失われた創生魔法と呼ばれる三大魔法なんかも記録してあったりする」

ルナ「創生魔法?」

リアド「そっ!!例えばコレ」そう言うとリアドは教室の隅においてある枯れた花を手に取ると魔力を込めた。花はみるみる元気になっていきキレイな花が咲く。

ルナ「すごぉーいどうやったの?」

リアド「今のはこの花の時間を巻き戻して若返らせたんだけど…これを花以外に応用すれば」

パチンっリアドがそう音を鳴らした瞬間…教師であるユーリの身体がどんどん縮んでいき7歳児の姿へと変わる。直後リアドは再びテレポーテーションでユーリの背後に立つと頭に手をポンっとのせた。すると先程まで7歳児だったユーリが再び大人の姿へと戻った。

リアド「こんな事もできる」

その頃…海面を捜索するシルバたちの隊の青年ヴァンビが海中にある不可解な遺跡を発見する。


ヴァンビ「心の声(何だこれは?遺跡?)」ヴァンビは遺跡の中に入ると中を探索し始める。遺跡は古代エジプトにあるピラミッドを連想させるような造りをしていて中には見た事ないような文字が刻まれていた。

ヴァンビ「心の声(何か書いてあるみたいだけど読めないな?ゆんちゃんに解析を依頼するか?)」そう思ったヴァンビは遺跡内部を目につけてるゴーグル型カメラで撮影し…その画像をゆんにメールで送信する。

♪ピピッ

ゆん「ん?何だろ?コレ?」

ヴァンビからのメッセージ。

ごめんね。ゆんちゃん。何か手かがりっぽい物発見したんだけど…文字が読めなくてさ。解析頼むわ。

そう言ったメッセージと共に遺跡内部の写真や動画が添付されていた。

ゆん「もおぉしょうが無いなぁ?」するとゆんは送られてきた動画と写真を自身が所有するマジックアイテム…「Xキューブ」通称ぺぺに転送し解析を始める。

ゆん「ぺぺ。解析結果はどう?」

ぺぺ「マスター。この遺跡はおよそ7200年前の物と推定されます」

ゆん「そんなに?なの?」

ぺぺ「はい。使われてる文字は古代アトラス文字で西暦300年頃まで栄えた文明の物です」

ゆん「となるとこれは古代文明の遺跡なのね?」

ぺぺ「はい。」

ゆん「文字の翻訳。お願いできるかしら?」

ぺぺ「かしこまりました。少々お待ち下さい」

ピピッ♪

ぺぺ「解析終了。解析終了。翻訳します」

ゆん「どれどれ」

解析された文章

慶長5年4月‥街のBARに妙な二人組が姿を見せる。二人組は自分たちが7000年先の未来から来た等という摩訶不思議な話をする。私はその話しを聞いて笑わせるな。と息巻いて店を出た。

慶長5年6月…街での騒動の際‥あの二人組とまたも出くわす。二人組は見た事もない武器と魔法を使い‥街を襲う巨大なゴーレムを蹴散らした。それを見た時私の知らない魔導科学に興奮を覚えた私は‥二人組を助けてくれたお礼と称し屋敷に招待した。

その日の晩二人が寝静まっている頃……


ゆん「ちょっとぺぺ途中で終わってるじゃない?」

ぺぺ「申し訳ございません。マスター。添付されていた画像と動画からはそこまでの文面しか読み取れませんでした」

ゆん「うー…んだったらしょうがないかな?ありがとうぺぺ。ヴァンビくんに解析結果を送信するね」

ぺぺ「恐縮です。マスター」そう言うと先程まで虹色の光を放っていたXキューブの光が消え元の黒いキューブの姿へと変わり始める。

ゆん「そうだぺぺ。ついでに潜ってコレをヴァンビ君に届けて来て」

ぺぺ「かしこまりました。my マスター」ぺぺは再び光り初めイルカの姿へと変わるとゆんが手渡した物を丸呑みすると海に潜って行く。

ザパァ…ン

?「相変わらずそのキューブ便利だなぁ?」

ゆん「ヘヘ(笑)良いでしょ?ゆん専用キューブで他のプレイヤーには使えないアイテムなのよ」

?「あぁそれはそうとゆん隊長からの伝言。そろそろログアウトして昼休憩しとけよ。だってさ」

ゆん「もぉ?そんな時間?」

?「まぁなこっちの時間での7日が現実世界の4時間に該当すっからな?」

ゆん「うん。わかったよ。あ、それはそうと音ちゃん。何で男言葉なの?」

音羽「ん?まぁ一応ゲームの中では男キャラ使ってるし。この成りで女言葉喋ると周りがゾッとするからな」そう言うと音羽は自らのキャラクターの鍛え上げられた腹筋と太い上腕二頭筋を見せ付ける。


ゆん「あっはは(笑)なるほどね?じゃあまた後でね?」

音羽「おう。後でな。」そう言うと2人はメニューからログアウトを選択し…現実世界へと戻って行った。


音羽宅…寝室。

音羽「ふぅー疲っれたぁ~」そう言って音羽はベッドから起き上がると…台所の方へと向う。

冷蔵庫を開けて適当に昼ご飯を作り始める。ちなみに今日のランチは…具だくさんの冷水パスタとサラダと和え物。それにオレンジジュースだ。

ゲーム中は喉が乾いても水分を飲めない為異様に喉が乾く。その為音羽は一時間毎に(ゲーム世界での1.75日)毎に休憩を挟み水分補給を行っている。

ピピっ♪♪

音羽「ん?あみかからLINEがはいってる。何だろ?」

あみかからのLINEの文面

St4で海中を探っててこんな物見付けたんだけど…これ何かわかる?

音羽「うー…ん何だろ?コレ」そう言うと音羽はスマホを片手にゲームサイトにアクセスする。

音羽がアクセスしたサイトはいわゆるst4の攻略サイトで様々な情報が掲載されている。ただここにアクセスするには様々な条件が存在し…限られたプレイヤー以外は見る事ができないようになっている。

音羽「さてさてHITするかな?」音羽は送られてきた写真と同じ物を探し始める。


音羽「お!!?あった。何々かつて存在したとされる古代文明のオーパーツ。起動方法はバミューダトライアングルの中枢に存在する海底洞窟の中にある石版に7つの宝玉を嵌め込むこと。ただ今まで誰も7つの宝玉を揃えた者がいない為起動した時に何が起こるかはわからない」

音羽「何か凄そうなもんだな?ログインしたら…2番隊にいるあみかに会いに行くか?」そう呟くと音羽は攻略サイトで見た情報をそのままLINEで送信しログイン後にあみかと合流する約束を交わしたのであった。

数十分後。休憩を終えた音羽は再び(ALG〈アップルギア〉通称アップルⅡを頭に装着しst4の世界にダイブする。


アップルⅡはリーブギアの改良版で‥アップル社とLEAF社の2社が合同で開発したゲーム機でいわゆる日本で言う所のプレ○テ4の進化版がプレ○テ5のような位置付けである。

進化したアップルⅡは従来のギアに比べて様々な機能が追加されており使用者への負担が軽減された作りになっている。また…過去のゲーム作品もこれ一つでPLAYする事が可能であらゆるゲーム機のソフトの世界に入り込む事ができる。またアップルⅡに過去のディスクを投入しPLAYする事でGIFTが一つ届きst4ゲーム内で使える通貨と交換する事ができて始めたてのプレイヤーはFFやドラ○エの世界に入ってPLAYを堪能してからst4の世界に来る事が多い。

またこのゲームの魅力の一つはそうしたゲーム作品で自身が使ってたキャラクターオブジェクトや装備をインストール可能で中にはスライムの姿でゲームをPLAYしている者もいる。ゆんが使っているXキューブも別のゲーム作品から持ち込んだアイテムの一つでゆんいわく(私が自作で作ったソフトのアイテム)だそう。故にXキューブを所有してるのはst4ゲーム内ではゆん一人なのである。


自作で作ったチートアイテムまでインストールして持ち込める世界がst4の世界で強いプレイヤーの多くが自分だけのチートアイテムや装備を所有している。

あみか「あ!!?音ちゃん待ってたよ」

音羽「待たせたな。あみか」

あみか「そうそうあれからもう一個宝玉が見つかったんだよ」そう言うとあみかは青色に輝く…宝玉を見せる。

音羽「これであと5つだな?」

あみか「5つ?」

音羽「そっ!!とにかくこれを見てくれ」そう言うと音羽は一つの地図をアイテムBOXから取り出す。


音羽「今俺らがいるのがこの辺。んで海底洞窟がこの辺だ。」

音羽「攻略サイトによればここから南西に2000Km行った先のインカ帝国奥地にある山林に赤色に輝く摩訶不思議な宝玉があるらしい。」

あみか「じゃあそれが」

音羽「うん。おそらく3つ目の宝玉だ。」

あみか「ふ~んなるほどなるほど。んじゃあ早速GETしに行こうぜ」

音羽「そうしたいのは山々なんだがな…一つだけ問題が」

??「魔族じゃないお前は取りに行けない。だろ?」

音羽「ん?おうアマリザかぁ。そうそうよくわかったな?」


音羽「俺がインカ帝国領土内に入ったら不法入国とか言って向こうの正規軍相手に一人で応戦する羽目になるからなぁ…」


アマリザ「だから、俺らを呼んだんだろ?」そう言ったアマリザの後ろには屈強な男たちが立っていた。彼らの多くはインカ帝国の出身で魔族であるが…様々な事情からハネネズミに入隊したツワモノたちである。

音羽「まぁな。というわけであみか頼めるか?」

あみか「え~アマリザくんと一緒に行くの?やだなぁ」

音羽「そこを何とか頼むぜ。今度メシでも奢ってやっからさ。」

あみか「もぉ。しょうがないなぁ。音ちゃんの頼みだし今回は特別だよ」

音羽「Thank youあみか」

アマリザ「話しはまとまったなそいじゃ準備はいいかい?」

あみか「へっ準備って」あみかが少し戸惑っているのを笑いながらアマリザが転移の魔法陣を光らせ始める。

数秒後…アマリザたちは船から姿を消した。それを確認した音羽はテレポーテーションでぎしの所に転移すると…ぎしの肩に手を乗せて再びテレポーテーションで姿を消した。

ナスカ帝国…とある砦の前【音ぎしペア】

ぎし「びっくしたぁ。いきなり背後に現れるなよ」

音羽「予めメールで行くって言っといたろ?」

ぎし「そりゃそうだけどさぁ…準備ってもんが」

音羽「シッ静かにしろ。ぎし。気付かれるぞ」音羽のアイテム(マジックコート)は自在にその姿を変えたり消したりできるアイテムで自身を含めた対象者3名までの姿を変幻自在に操作できる。

このコートを使って音羽はある時は女の姿になってある時は屈強な男の姿になったりして…敵の目を誤魔化している。

ナスカ兵「そういや聞いたかよ。またあそこに里流しにされた奴がいたらしいぜ」

ナスカ兵2「マジかよッ悲惨だな?」

ナスカ兵「悲惨なんてもんじゃねぇーよ。ハサンの里に行って生きて出てきた奴なんて俺は今まで一人も見たことねぇかんな」

ナスカ兵たちはそんな事を言いながら木陰でようをたす。

ジャーー

ナスカ兵「ふぅうー」

音羽「堪えろ。ぎし。今動いたら気付かれる」

ぎし「………はぁ(# ゚Д゚)(怒)…」

ぎし「心の声(この野郎人の頭の上でしょんべんしやがって。ぜってぇ後で痛い目にあわせてやる)」

ナスカ兵「んっ?そういやここにこんな石あったっけか?まぁいっか(笑)」


ナスカ兵2「何してんだよ。早く行かないと連隊長に怒られっぞ」

ナスカ兵「わりぃわりぃ今行くよ」

音羽「よく耐えたぞ。ぎし。」

ぎし「てめぇ何か馬鹿にしてねぇか?」

音羽「そそッそんな事ねぇーよ(汗)」

ぎし「つか、何でこんなとこに来たんだよ?」

音羽「ん?それはあれさあれ」そう言うと音羽とある方向を指を指す。

見ると砦の上の方に何やら不思議な形をした旗が掲げられており…風になびかせていた。

ぎし「あれが何なんだよ?ただの旗じゃねぇーか?」

音羽「ちっちっち。違うんだなぁこれが。あの旗には強力な魔法がかけられていて…あらゆる転移魔法を遮断する力がある」

音羽「ところがどっこい俺らの目的地はこの砦の向こう側の山の中。通称(波山(ハサン)の里)と言われている所だ。」


音羽「ボスの話によるとつい先日ちょうど任務で里内に侵入したマックスが投獄されていて見動きが取れないらしい。んで俺らはマックスを救うついでに里の者たちが崇める御神体に掲げられた首飾りを頂きに来たって訳さ」

ぎし「なるほどな。行き方はわかってるのかよ。」

音羽「あぁこのゴーグルを付けてみろ」そう言うと音羽はぎしにゴーグルを手渡す。

ぎし「ん?何だこりゃ?足跡?」

音羽「そ!!こいつはハネネズミの団員たちが捕らえられた際に残す痕跡の一つで。シューズと連動して特殊な足跡を残す。その足跡を確認する方法はただ一つ。このハネネズミの団員にのみ配られてるゴーグルを付ける事だ」

ぎし「ふーん?そういう事か?」

音羽「お!!?頭の悪いぎしくんにも俺の話が理解できたんだね??」

ぎし「馬鹿にしてんじゃねーよ。んな事そこまで説明されなくてもわかってるに決まってんだろーが」

音羽「そうかよ?んじゃ行くぜ」そう言うと音羽は足速に足跡の方角へと向けて歩き始める。

その頃…インカ帝国へと来た【アマあみペア】は。南西の街(リセラ)に居た。

?「フファァ何だか臭うなぁ?この店?どこからだ?」

男1「どうしたんだよ?ボルケル?」

ボルケル「わかんねぇか?ナス兵臭いんだよ」

男1「そうかぁ?」

ボルケル「あぁ臭うね?」そう言うとボルケルという男は店の中を徘徊し始める。

St4ゲーム内での魔族とは様々な種の総称の事で多種多様な種族に分類される。例えばボルケルという男のように獣の遺伝子が強い獣人族。この種族の魔族は身体能力が高く…鼻や耳、目といった五感がその他の種族に比べて勝っている。他にも龍神族やゴブリン、ヴァンパイア、狼男、ドラゴノイド、オーガなどの種族が存在しプレイヤーによって風貌は異なる。

あみか「心の声(もぉめんどくさいなぁ)」あみかは心の中でそう呟くと…静かに小声で∀∇∈と呟く。

一瞬だけ時が止まったかと思うと…小さなコウモリがボルケルという男に近づくと男に姿を変えてそっとボルケルの首元から血を吸い始める。

再び時が動き出した頃には虚ろな目をしたボルケルが何事も無かったかのように戻り席に座る。

男1「ん?どうしたんだよ?いつもなら店中納得行くまで探し回るくせによ」

ボルケル「いや?やっぱ俺の思い過ごしだったみたいだ」

男1「ふーん?珍しい事もあるもんだな?」

ちなみにあみかはオーガとヴァンパイア、魔女のクォーター種で…3つの種族の力を有している。普段は魔女のような姿をしているが追い込まれた際には頭に角が生えて戦闘力が大幅に上昇する。武器は仕込み杖を利用していて遠距離戦…近距離戦ともに抜きん出た戦闘能力を誇る。

またヴァンパイアの力も有している為…その力で血を吸った相手を眷族にできる他…どんな傷を負っても自動で回復できる。唯一の弱点は直射日光だがあみかはこの問題をマジックアイテム(アネッサ8)を使い克服している。アネッサ8は吸血鬼専用の日焼け止めでまんべんなくスプレーを塗布する事によって日中でも活動出来るようになる。優れ物で。ヴァンパイア族には必須のアイテムである。

あみか「はぁ…(汗)」

アマリザ「どうしたんだ?あみか?」

あみか「別に…アマリザ君には関係ないでしょ。それより何ですぐ向かわないの?」

アマリザ「何事も準備ってもんが大切だろ?」そう言うとアマリザは煙草に火を付けてフゥー…っと息を吐く。

あみか「準備?」

アマリザ「あぁ…今オレの仲間に調べさせてる。次期に連絡が来る筈だ!」

ピピっ♪♪

?「アマリザ周囲をくまなく調べたが異常は無さそうだ。準備が整い次第。すぐにでも行けるぜ」

アマリザ「OK…わかゔぁ。暫くそこで待機だ。すぐに俺らも向かう」

わかゔぁ「了解」

アマリザ「という訳だ。行くぞあみか。」

あみか「ふぁあ…(眠)もおぉやっと待ちくたびれたよ。」

ちなみにアマリザはゴブリンとアンデット種のハーフ種で普段は緑色の肌に屈強な肉体をしているが…自身の任意で身体を幽体へと変化させる事ができる。この力を使えば物理攻撃はおろかほぼ全ての魔法攻撃がアマリザの身体をすり抜けて行く。ただ唯一天使魔法と言われる魔法だけは有効でこの魔法を使える相手とはめっぽう相性が悪い。また自身が倒した敵をゾンビ化させる力も有していてインカ帝国時代はこの力を使い死霊兵団を率いていた。だがとある時インカ帝国軍から抜けて死にかけていた所をオルフェに救われ現在に至る。ちなみにゴースト種の力が強い為…アマリザとステータスが同等か?それ以上の者でない限り…姿を視認する事ができない。ただ例外も存在し仲間や部下と言った相手には任意で自身の姿を認識させる事ができる。

ちなみにゴブリンである為…夜目がきく一方自分より強い敵とは戦わない臆病な一面も備えている。

その頃…波山(ハサン)の里を目指す「音ぎしペア」は帝国領土内にある山道から足跡をたぐるように歩いていた。

音羽「ん?おかしいな?足跡がここで途切れてる?」

ぎし「靴でも投げ捨てられたか?」そう呟くとぎしは辺りを見渡す。

音羽「それならこのゴーグルに何らかのシグナルが残ってる筈だ。」

ぎし「そうなのか?」

音羽「あぁ。このゴーグルはシューズと連動しててシューズに何らかの振動が伝わった場合は…すぐに救難信号が組織に伝わる仕組みになってる。それが無いということは靴は投げられてはいない」

ぎし「なるほどな。となると考えられる可能性は…」そう呟くとぎしはアイテムBOXからとあるアイテムを取り出す。

音羽「何だそれ?」

ぎし「ん?見てりゃわかるさ」ぎしがそう言った直後に2人以外の周囲の時間の流れが巻き戻り始める。

数日前…帝国領土内の山林にて…

ナスカ兵「さっさと歩け。」

男1「ぐっ」

ナスカ兵「きさまぁ何だその目は!!?」そう大声を上げたナスカ兵は男を斬ろうとする。

その時だったマックスはナスカ兵の攻撃を両手が塞がれた状態で足だけで防ぐとそのまま兵士を吹き飛ばす。

ナスカ兵「ぐふぁ」

マックス「立てるかオッサン?」

男1「すっすまねぇダンナ」

マックス「良いってことよ」

ナスカ兵2「なんだぁ貴様ぁ」

マックス「やれやれめんどくさい事になっちまったぜ」そう呟くとマックスは飛行するとその場を後にして全力で逃げ始める。

ナスカ兵3「待てぇ逃がすな」

映像はそこで途切れて…音羽とぎしの周囲の時間がまたも急速で戻り始める。

音羽「なるほどな?そういう事か?」

ぎし「冷静なんだな?」

音羽「まぁな。にしてもマックスの野郎何処まで行きやがったんだぁ?」

ぎし「わかんねえ。とにかく行ってみるしかないだろ?」そう呟くとぎしはドラゴンの姿となり空に舞い上がる。音羽は慌ててぎしの背に飛び乗ると…あぐらをかいて精神を集中し始める

少し進みぎしが口を開く

ぎし「どうだぁ何か見えるかぁ?」

音羽「いや今のところは特に何もないなそれよりぎしそのお腹の音を何とかしてくれないか?集中できない」

ぎし「そう言われてもなぁ?こればっかはどうしようもねぇーよ」そんな他愛ない会話をしながら2人は空を移動する。音羽がぎしの背中に乗って何をしているかというと…共魔法…視覚共有で森の動物たちの目と自身の視覚を共有し…マックスがつけたであろう足跡を探しているのである。

音羽「心の声(ここは…?谷か?こんな所にあったのか?)」音羽が現在視覚を共有しているのは…森に住まう鳥である。

音羽「心の声(何だ…これは…魔物の死骸か?)」

音羽「心の声(アエンデ石の欠片?)」

音羽「心の声(お!!?)」

音羽「あったぞぎし。ここから北に10km程行った所だ。ナビゲートする俺の指示に従え」

ぎし「了解」

その頃…ゆんはぺぺを潜水艦に変えて海底探索を行っていた。

ザァ…ザザァ−−−−

ヴァンビ「ゆんちゃんそっちじゃない遺跡はこっちだ」

ゆん「もおぉどこぉ??ヴァンビ君」

ヴァンビ「こっちこっち」そう言うとヴァンビは岩から顔を出す。

ゆん「そんなとこにいたの?」

ヴァンビ「この岩ホログラムになってんだよ。」

ゆん「そうならそうって言ってくれなきゃ…」

ヴァンビ「言ったじゃん?それなのにゆんちゃん人の話し聞いてないから。」

ゆん「もぉそんなの良いから早く遺跡に行くよ」ゆんはそう言うと潜水艦の出力を上げて‥進み始める

ヴァンビ「ちょ!ちょっと待ってよぉゆんちゃん」

暫く進むと…ヴァンビが先日見つけた遺跡が見えてきた。遺跡の中の壁は…古代アトラス文字で書かれた文面と不思議な文様で広がっていた。

ゆん「ぺぺ。動画撮ってる?」

ぺぺ「はい」

ゆん「解析結果は?」

ぺぺ「既に15%の解析が完了しています。全解析までもう少々お待ち下さい」

ゆん「わかったわ」

ヴァンビ「ゆんちゃぁん置いてくなんて酷いよ」

ゆん「ヴァンビくんがボっーとしてるからでしょ?」

ゆん「それよりヴァンビくん。この遺跡の地下3層に潜水艦じゃ入れないスペースがあるの。行ってきてくれない?」そう言うとゆんはヴァンビのハネゴーグルに地下3層までの最短ルートを記した地図を転送する。


ヴァンビ「はぁ…(汗)たくゆんちゃんは人使い荒いなぁ」そんな事を呟くとヴァンビはハネゴーグルの誘導に従って遺跡内を進み始める。


ゆん「さてと…ヴァンビくんも行った事だし。」そう呟くとゆんは潜水艦(ぺぺ)に備え付けられてる緑色のボタンを押す。すると…ぺぺのお腹が開き中から小さなイルカ型メカが無数に出現すると四方に散らばる。

ゆん「ぺぺ…中の様子をモニターに映してくれる」

ぺぺ「かしこまりました」すると先程イルカが出現した数だけの映像が潜水艦(ぺぺ)の中に映し出される。

ゆん「ぺぺ左隅の映像を拡大してくれる?」

ぺぺ「かしこまりました」

拡大された文字

∨⊿ ∇∝⊿⊆⊥ ⊥∨⊿ ∬≦∝⊿⊃✓ 
≦Ⅴ ⊥∨⊿ ⊿∩∧∨⊥ ∬≦∝⊿⊃Ⅴ≫
⊆ ∇⊿∌≦≧✓−⊥∨⊿ ⊂∩≧∧✓ ≦Ⅴ
⊥∨⊿ ⊿∀✓⊥ ∀≧∇ ⊥∨⊿ ⊂∩≧
             ✕
∧✓ ≦Ⅴ ⊥∨⊿ ∝⊿✓⊥−∀≧∇ ⊥∨⊿
∩⊃∇ ⊥∨⊿∩⊃ ∬≦∝⊿⊃ ∝∀✓
     ✕
≦〆⊿⊃∝ ∨⊿⊆∌∩≦∧


ゆん「ココだけ文体が少し違うわね?」

ぺぺ「のようですね?誤字もあります。これは今からおよそ9000年前に存在した古代アビス人が残したものと推察されます」

ゆん「何でそんなものがここにあるのよ?」

ぺぺ「さぁそこまではわかりかねます。ただ、一つ言える事はアビス人とアトラス人はどこかで繋がっている可能性があるものと推察されます」

ゆん「ここの✕印はどういう意味なの?」

ぺぺ「誤字の部分です。もしかしたらそこに記されているTHETHEIRという文字がここの謎を紐解くヒントかもしれません」


ゆん「なるほどねぇ?」そう呟いたゆんは右隅の映像に目を向ける。


そこにはこう記されていた。
αa ιa ζU υb αo ψo ξU αo
γo ξo∀∀ αa αo θo ξo γo ιa”
ξo ζU κb” ψo’ ξo κb νe λU ιa”φa
σU θb μe φa∂
οo αo λU ιa”φa βa ηa ξU νe”
ωe λo αoαo ψo εU φa” ζU 'φa∂

ゆん「暁の夜の事…あの男が突如として姿を見せた。その姿はまるで獣のようだった。」

ゆん「意味深な文章ね?どういうことかしら?」

ぺぺ「私にもわかりかねます。ただこれら一つ一つの文字がここの謎を解き明かすヒントである事は間違いないかと思われます」

その時だった地下3層に向かってる最中のヴァンビから通信が入る。

ザザァァ…―

ヴァンビ「ゆんちゃん。トラブル発生だ。」

ゆん「どうしたの?」

ヴァンビ「扉に鍵がかかってる。」

ゆん「んなものすり抜けちゃえば良いでしょ?ゴーストなんだから」

ヴァンビ「それが強力な結界がはってあるらしく…幽体化できない。どこかに鍵か?結界を起動させてる装置がないか探してくれ」

ゆん「もぉおしょうがないなぁ。ぺぺ。出番だよ」

ぺぺ「かしこまりました」ペペはそう言うと先程だしたイルカたちを動かし遺跡内をくまなく探した。


数分後…ピピピっ♪♪♪

ぺぺ「発見しました。地下2階層アトラス庭園に起動装置のような物と宙に浮く鍵が存在します。まもなくヴァンビ様のゴーグルに最適ルートを表示します」

ゆん「ありがとう。ぺぺ。聞いてた?ヴァンビくん?」

ヴァンビ「OK。Thank youゆんちゃん」

ぺぺの誘導に従い…暫く進んだヴァンビは…地下2階のアトラス庭園にて…宙に浮く鍵を発見した。

ヴァンビ「これがぺぺの言ってた鍵だな?」そう呟くとヴァンビは…鍵を手に取る。数分後…ゴゴゴォっという音が鳴り響き…結界が解除される。


それと同時に扉が出現して…鍵が光り始める。ヴァンビは鍵で扉を開けて中に入ると…不思議な光景を目にする。


先程まで海底だったはずのそこに巨大な木が生い茂り鳥やリスなどの小動物が数多く存在し…遠くの方に見た事もない程巨大な塔があり…その周囲に怪しく煌めく浮遊物が森全体を照らしていた。

ヴァンビ「何…だココ?さっき迄確かに」

ヴァンビ「はっ!!?そうだゆんちゃんに連絡を取ろう」そう言うとヴァンビはゆんに連絡を取る為に通信を試みる。

ザザザァーーー

ヴァンビ「ゆんちゃん?ゆんちゃん?返事してくれ?」

ヴァンビ「あれ?おかしいな?どうなってんだ?繋がらねぇ?」そう呟くとヴァンビは連絡を諦めて森を進み始める。

夜だと言うのに木々にぶら下がる…様々な実が怪しく煌めき…その全てがとても美味しそうに見えた。


ヴァンビ「美味しそうだな?」そう呟くとヴァンビはリンゴのような物を手に取り食べようとする。

??「お兄さんそれ食べちゃ駄目だよ」ヴァンビにそう呟くと少女は…そっと歩み寄り続けてこう言う。

??「だからそれ食べちゃ駄目だよ」

ヴァンビ「ん?え?あっああ…って何で初対面の奴にんな事言われなきゃ何ねぇんだよ?」

??「何なの?その態度?こっちがせっかくそれは毒リンゴだって教えてあげてるのに?」

ヴァンビ「どっ毒リンゴ!!?」そう言うとヴァンビは思わずリンゴを手放す。


??「そ!!私はりあ。君は何者?名前は?」

ヴァンビ「俺か?俺の名はヴァンビさ」

りあ「ふーん?ヴァンビって言うんだね?」

りあ「ねぇ?ヴァンビ!!ちょっと手伝ってくれない?」

その頃ゆんはヴァンビの反応が突然消えたエリアを探索していた。

ゆん「ねぇ?ちょっとヴァンビくん何処ぉ?」

ゆん「ぺぺ本当にヴァンビくんはこの海域にいないの?」

ぺぺ「はい…間違いありません。半径200km以内にヴァンビ様の反応はございません」

少し前の事である。突然ぺぺがアラート音を出し始めゆんに知らせる。

♪♪♪♪♪♪♪

ぺぺ「緊急事態発生。緊急事態発生。ヴァンビ様の反応がロストいたしました。」

ゆん「え!!?ちょってそれログアウトしたってこと?」

ぺぺ「いえ。ヴァンビ様のアカウントにログアウトした形跡はございません」

ゆん「じゃあ何で?ロストするのよ?」 

ぺぺ「私にわかりかねます。」

そして現在に至るという訳である。

ゆん「ぺぺ。さっき言ってた鍵らしきモノが見当たらたないじゃない?」

ぺぺ「恐らくヴァンビ様が持ち去った物だと思われます」

ゆんはその後ぺぺと共に地下2階のアトラス庭園内をくまなく探し回った。遺跡内には意味深な文字が刻まれていたがヴァンビを探していたゆんにはどうでもいい事だった。が…1つの石版に書かれた文字がゆんの興味をひいた。

αa ξU γb ζo θb νe゛
θo ξo γo ρb νe゛αa(ζU)φa 
θo ξo γo βa εU゛(αa) τo γb゛
ξo πa αo νb


ゆん「ある日森で男に出会った。男はヴァンビと名乗り?」

ゆん「ねぇ?ぺぺこれどういう事?」

ぺぺ「私にもわかりかねます。ただ…その石版は今からおよそ6500年前に書かれた物だと思われます」

ゆん「6500年前って何でそんな昔の人がヴァンビって名前知ってるの!!?」

ぺぺ「さぁ…何ででしょう?ただもしかしたら同名の別人という線も考えられます」

ゆん「うー…ん?確かに?そういう可能性もあるのか?」

ゆん「ねぇ?ぺぺここにあるヴァンビくんの痕跡を探せないの?」

ぺぺ「可能です。」ぺぺがそう言うと激しく光り始めた。暫くすると光が収まりぺぺの目だけが懐中電灯のように光ると先程のヴァンビの一連の行動が映し出される。それを見終えたゆんは呟く。

ゆん「扉の中に入ってる?どういう事なのこれ?」

その頃アマリザの戦友であるわかゔぁはインカ帝国南部の森で激しい戦闘を繰り広げていた。

??「逃がすか!!!?」そう言うと男は闇に紛れて遠くから…吹き矢のような物でわかゔぁを攻撃する。

わかゔぁ「んな攻撃当たらねぇーよ!!」

わかゔぁはそう呟くと男の攻撃を素早く躱すして腰に携えた刀の鞘を握り…抜刀して敵に向けて毒の瘴気を飛ばして攻撃する。

??「くっ」フードを被った男は少し嫌そうな顔をして距離を取りジャンプすると空中でさらに吹き矢で攻撃して応戦する。

わかゔぁは吹き矢を自身に纏わせた瘴気だけで無力化すると…身を屈めて足に力を込めて…一気に間合いを詰めてジャンプすると月で照らされた男の背後に回る。

??「しまったっ!!?」

わかゔぁ「後ろががら空きだぜ?」わかゔぁはそう言うと刀の鞘で男を背中から殴り付けて地面に叩き落とした。

??「がっはぁくっ」

??「これで俺を倒したと思うなよ?」そう言うと男は立ち上がろうとする。

わかゔぁ「さぁ?それはどうかな?」わかゔぁがそう言った直後に男の身体が石に変わり始める。

??「なっこれは!!?」

わかゔぁ「あんたに一つ忠告だ。俺みたいなタイプと戦う時はすきは見せねぇ方が良い」わかゔぁはそう呟きタバコに火を付けてふぅー…と息を吐くと…煙を男に吹きかける。

??「くっきっ…さまぁ」悔しがる男の身体はどんどん石になっていき…タバコを吸い終える頃には完全に石化していた。

わかゔぁ「よく頑張った方だぜあんた」そう呟くとわかゔぁはその場を後にして立ち去って行った。

同日…森の東側では…あみかが複数人の男たちと交戦していた。

あみか「ふぁわぁは〜(眠)」

?「逃さんぞ魔女め…」そう言うと男たちはあみかを囲み…一斉に槍で攻撃しようとする。

あみか「遅い攻撃ね?」そう呟くとあみかは踊りでも踊るように攻撃を躱して男たちをあしらう。

男B「くそっちょこまかと!!?」

あみか「そんなもんなの?」そう呟くとあみかは霧になって姿を消すと…複数匹のコウモリを出現させて攻撃する。

男B「うわっく何だこいつ等は?」

男C「落ち着け!!ただのコウモリだ」

あみか「ふーん?その子たちをただのコウモリだと思ったら痛い目みるわよ」何処からともなくそんな声が響いたかと思うと…コウモリの内数匹が男たちの顔面に飛びついて血を吸い始める。

男C「がっはくぁ」男は意味のわからない言葉を発すると…血の気がひいて顔面蒼白になる。

数秒後男たちの内何人かが気でも狂った様に他の男たちに向けて攻撃し始める。

男F「何をやってるお前たち!!?」

♪♪♪♪♪

男(眷)「…~~~~くれ」あみかの眷属となった内の一人であるとある男は小声で何かを呟くと…男Fに噛み付こうとする。


男F「くっうううぐ…貴様ぁ」男Fは操られた男を薙ぎ払うと…少し下って…治癒魔法で回復しようとする

あみか「あっははは(笑)どう?仲間に裏切られる気分は?」何処からともなくそんな声が響いたかと思うと…男Fの背後にあみかが突然現れて首元に噛み付いて血を吸い始める。

男F「がっはぁあぅっく」

あみか「ご馳走さま。美味しかったわよ」そう呟いたあみかの足元には先程の男が血の気をひいたような姿で倒れ込んでいた。

男たちの内何人かは…散り散りになって四方に逃げようとしたが…突然見えない壁にぶつかり宙に浮かび身動きがとれなくなると…飛んで来たコウモリたちに血を吸われて…ほぼ全員が息絶えた。

最後になった1人は…宛も無く森を走り回り続けた。

男E「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ」

あみか「ねぇ何処行ったの??」ふいにあみかのそんな声が響いたかと思うと男Eは少し止まり…周囲を見渡す。

男E「心の声(あの女は何処にもいないな?よし)」男Eはそう心の中で呟くと…再び走り出そうとする。

数秒後…

あみか「見ぃぃ付けた」というあみかの声が森の中に響き渡ったかと思うと…突然男の背後にあみかが現れる。

男E「ひっうっななななぁ頼むや辞めてくれ…」

あみか「そんな怖がらなくても良いよ」そう呟くとあみかはそっと抱きしめて男Eの首に指で触れて魔法で見動きを取れなくする。

男E「いっいやだ辞めてくれ!!まだ…まだ死にたくない」

あみか「うっふふふ(笑)どうしよっかなぁ」あみかは男の顎元をそっと指でなぞると霧になって消えた。

男Eは少し安堵したような表情を浮かべたが…あみかの眷属である複数匹のコウモリたちが魔法で見動きの取れない男の身体に群がり始め一斉に血を吸い始める。やがて男はミイラのようにしぼんだ身体となり息絶えた。


その頃アマリザは認知されないのをいい事に…森の奥深くへと歩を進めていた。暫く進むと…インカ帝国魔族領へと繋がる道がありその先に1つの山が見えた。

アマリザがそうして歩いていると…あみかとわかゔぁが突然現れて合流する。

アマリザ「わぁ!!!っびっくりしたぁ」

あみか「そんなに驚かないでよ」

わかゔぁ「全くだぜ。それよりもうあれは見付けたのか?」

アマリザ「あったぜ」そう言うとアマリザは先程の森で入手した…アーデ魔石と言われる青く光り輝く魔石をみせる。

あみか「何それ??」

わかゔぁ「知らねぇのか?別名(死霊石)インカ帝国南部の森原産の希少石さ」

あみか「ねぇ?さっきの森その為によったの!!?」

アマリザ「まぁな…この死霊石にはアンデットの力を強める力がある」そう言うとアマリザは自身が装着している指輪に死霊石の力を吸い込ませ始める。

すると先程まで青かった魔石が石ころに変わると同時にアマリザの肉体が少し強靭になり…緑色の肉体が赤くなる。

わかゔぁ「そこまでするって事はやっぱり彼奴がいるからなのか?」

アマリザ「まぁな」そう呟くとアマリザは…意味深な呪文を唱え始める。すると空中に(κbαoχU゛τoμe゛βb)という文字が出現したかと思うと…地面が揺れ始める。

アマリザ「ここは昔…大戦があったところでな?」アマリザがそう呟くと地面から骸骨たちが出現して生前の身体へと戻り始める。

数秒後…激しい光りが辺りを照らしたかと思うとアマリザたちの目の前に数万名のゾンビが跪いた。
       
アマリザが(μaτoνe(βb)λU)と小声で呟くと…数万名のゾンビたちは融合し始める。数秒後怪しく光ったかと思うと…巨大なアンデットのドラゴンがそこに立っていた。

あみか「すごッ!!?こんな事できたの?」

アマリザ「音ぎしペアに対抗して作ったドラゴンさ。前はぎしドラゴンのブレスにゾンビ兵は焼かれて音羽の弓矢攻撃に押されてこっちは死にかけになるわで散々だったからな?」そう言うとアマリザは巨大なビル程の大きさはあるであろうドラゴンの頭に乗る。

アマリザ「何してんだ?お前等も来いよ」

わかゔぁ「ん?っああ」アマリザにそう言われあみかたちもドラゴンの背に乗る。

アマリザ「こっからはちょっと急いで行くぜ」アマリザがそう言うとドラゴンは翼をはためかせ少し先にある山に向けて進み始める。

アマリザたちが目指すインカ帝国魔族領に位置するオルガ山は別名「死霊山」と言われていて。この山の何処かに黄泉へと繋がる扉があるとされている。

また…山に向かう迄にはいくつもの関所を超えなければならず成功法でそこを通るには…通行手形が必要になる。だが…(ハネネズミ)の団員であるあみかたちはそれらの物を持ち合わせていない。理由は単純明快で…通行手形はインカに所属するプレイヤーのみが運営から発行されるものであるからである。

そこでアマリザはインカ上空の雲の上から死霊山へと向かう道を選んだ訳である。

同刻…鬼巫女の社では異変を察知していた。

??「巫女様大変です」

鬼巫女「わかっておる。」

鬼巫女「影鬼丸よそなたもそこにおるのじゃろう?」

影鬼丸「はっ巫女様」

鬼巫女「今すぐ…牛鬼と共に社の南東を飛び回る大蜥蜴を退治してくるのじゃ」

影鬼丸「かしこまりました」影鬼丸と言われた鬼はそう答えると…その場から一瞬で消えて社を後にする。

鬼巫女の社は…死霊山の頂上に存在するエリアでそこを統括する鬼巫女は(獄生門)の管理者と言われている。

獄生門は冥獄と繋がっているエリアで冥獄は咎人たちの魂の牢獄である。冥獄にはインカ以前の太古に死んだとされる…無数の亡者たちの魂が存在し…幻のロストアイテムが存在すると言われている。

鬼巫女の使命は(獄生門)を守り…太古の昔に死んだ亡者たちの魂を鎮めて…悪鬼(豪我)の魂と身体の封印を守る事である。

アマリザたちが探す赤色に輝く宝石はその豪我の記憶の欠片を封じ込めた魔石で…死霊山の中枢に存在する…獄生門の扉の鍵でもある。

その頃ナスカ帝国でマックスを探す(音ぎしペア)は奇妙な洞窟の中を探索していた。

音羽「ぎし…ハネゴーグルを起動させてみろ」

ぎし「ん?」そう言われぎしはハネゴーグルを起動させる。そこにはゆん氏発明のハネペンで書かれたメッセージが記されていた。ハネペンで書かれた文字はハネゴーグルを付けてる人間以外には見え無いようになっており…団員が何らかのメッセージを仲間に知らせる為に使う道具である。

ぎし「なるほどな?そういう事か?」ぎしはそう呟くと意味深な表情をする。そこにはこう記されていた。

この奥に…里へと通ずる抜け道がある。しかし奥はかなり複雑で…幾重もの罠を潜り抜けなければいけない。1つでも間違えれば再びこの場所に戻る仕組みになっている。良いかまず…

音羽「良いかまず奥の扉を開ける為の正しい手順は右左右左右右左下だ。か?なるほど?」

音羽「OKありがとなマックス」そう言うと音羽はハネゴーグルに搭載されている人口AI機能を使い始める。


??「お呼びでしょうか?ご主人様?」

音羽「あぁハーネットこの洞窟内全域のハネペンの痕跡を探れるか?」

ハーネット「可能でございます」ハーネットがそう答えるとハネゴーグルが洞窟内の解析を開始する

ピピッ♪♪

ハーネット「ご主人様解析完了致しました」

音羽「解析結果をぎしの方のハネゴーグルにも転送してくれ」

ハーネット「かしこまりました」

音羽「なるほど?なるほど?って長いな?」音羽がそう呟くのも無理はない。ハネペンの痕跡はここから100km先まで続いており…その道中にいくつもの罠と思わしき場所のポイントが存在するからだ。

ぎし「こんなに長えと徒歩での移動はきついな?」

音羽「確かにな?どうする?」

ぎし「とりあえずこれを使おう」そう言うとぎしはアイテムBOXの中からスノボの様な物を取り出して足をかける。

音羽「ダッシュボードねぇ?まっそれしかないか?」音羽はそう呟きダッシュボードをアイテムBOXから取り出して足を乗せると洞窟内を進み始める

数分後…

ハーネット「次の角を右でございます」

音羽「OKハーネット!」

ハーネット「その先900m先右方向にトラップの反応があります。」

ぎし「トラップとなるとこいつが使えるな?」そう言うとぎしはアイテムBOXから木の棒を取り出すと前方に向かってぶん投げる。と少し減速する。

数秒後…ドドォンっという音と共に…落とし穴が出現する。

音羽「落とし穴か?だったら使う必要もなかったな?」

ぎし「だな?」

ハーネット「その先800m先左方向です」

音羽「そういやぎしこれ知ってるか?」

ぎし「ん?何だよ?それ?」

音羽「最近発売された新作アイテム…トックン人形」

ぎし「いや…知らないけど?どんな機能なんだ?」

音羽「嫌いな相手の名前をトックン人形に書いておくと懲らしめてくれるらしいぜ」

ぎし「色んなもん作るねぇ~運営も」

ハーネット「その先500m先右側の壁から弓矢がでて来ます。上昇して下さい」

ぎし・音羽「「OK…Thank youハーネット」」

その頃あみかたちは死霊山の入口近くまで来ていた。

アマリザ「見えたぞ!!?あれが死霊山だ」

あみか「ふーん?近くで見ると結構でかいんだね?」

アマリザ「たり前だろ!!?インカ帝国一でけえ山なんだからな」

わかゔぁ「そういや…昔ここの入口守った事あったっけなぁ?」

アマリザ「なついな!?それ」

あみか「もうんな事どうでもいいから早く入ろ。じゃ無いと奴らすぐに来るよ」

少し前の事…アンデットドラゴンの背に乗っていたあみかたちは鬼の襲撃にあっていた。

??「ガッハッハ(笑)こりゃまたデカいドラゴンじゃのぉ〜?」

影鬼丸「牛鬼!私語は慎め」

牛鬼「相変わらずお主はかたいのう?」

あみか「ねぇ…後ろに変なのがいるよ」

わかゔぁ「ほっとけ!!それより降りるぞ」

あみか「降りるって何処に?」

わかゔぁ「んなもん下しかねぇだろ?」そう言うとわかゔぁはドラゴンの頭からジャンプして下に落ちていく。

あみか「ふーん?ま!!いっか」そう言うとあみかも霧になって姿を消してわかゔぁが行った方向に向かい始める。

ドラゴンの頭に乗ったアマリザは2人が行ったのを確認すると…アンデットドラゴンを操り…敵に攻撃し始める。

牛鬼「おっといくらわしが鈍いからと言ってもそんな攻撃には当たらぬわ」そう言うと牛鬼はその巨体から想像もつかない程の身軽さで攻撃を躱すとドラゴンの背に飛び乗る。

アマリザ「結構厄介だな?退避するか?」そう言うとアマリザは…地魔法で地上にある小石を集めて操作すると自身に似せた人形を造り始める。


ちょうどその頃一足早く地上に行ったわかゔぁから合図が来る。

アマリザ「よし!!俺も行くか?」そう言うとアマリザはドラゴンの頭から突撃する姿勢で頭から地面に突っ込んで落下し始める。

そして現在に至るという訳である。死霊山には2つのルートが存在する。1つはわかゔぁやあみかの様に実体を持つ者が通る通常ルート。もう1つはアマリザのようなゴースト種だけが通れる裏ルート。そこでアマリザたちは二手に分かれて死霊山の頂上を目指す事になったのである。

死霊山(Aルート)

あみか「ねぇ?わかゔぁ君…これって何だと思う?」

わかゔぁ「ん?何だそれ?」

あみか「私にもわからない。ただ音ちゃんの話によると…これがここをクリアする為に必要な物なんだって?」

わかゔぁ「ふーん?まっ音羽が言うならそうなんだろうな?」2人がそんな事を言いながら進んでいると頂上へと続くであろう階段が見えた。

あみか「いよいよだね?」

わかゔぁ「あぁ」わかゔぁがそう答えると…2人は階段を登り始める。

階段の入り口には大きな鳥居が立っており…日本の神社や寺を彷彿とさせるイメージだった。暫く進んだが…30分1時間歩いても階段が終わる気配は無かった。

わかゔぁ「にしても長ぇな?この階段?いつまで続いてんだ」

あみか「うーん??何時までだろ?」

あみか「この階段…何らかの結界でも張ってあるのかな?」そう言うとあみかはコウモリを出現させると周囲を調べさせ始める。

あみか「やっぱりだ!!音が反響しない」

わかゔぁ「ん?どういう事だ?」

あみか「終わりが無いって事だよ」そう呟くとあみかは指で次元のひづみに穴を開ける。

わかゔぁ「んなもんあけてどうすんだよ?」

あみか「付いてくればわかるよ」そう言うとあみかは進み始める。暫く進むと扉があり…あみかはドアノブに手をかけて扉を開ける。

わかゔぁ「眩しっ!!?何だよココ?」

あみか「さぁ?私にもわからない。けど確信には近付いている筈だよ」

わかゔぁ「確信?」

あみか「うん。」そう頷くとあみかはνbμe゛ξUεU(αa)と呟く数秒後…あみかの前に男が跪いていた。

??「お呼びでしょうか?お嬢様」

あみか「リゼルヴァ…悪いけどこの気持ち悪ーい結界をはってるのが誰なのか調べて来てくれない?」

リゼルヴァ「かしこまりました」リゼルヴァと呼ばれた男は…そう答えると霧になって消える。

依頼達成に必要なアイテム

古代文明のオーパーツの起動方法はバミューダトライアングルの中枢に存在する海底洞窟の中にある石版に7つの宝玉を嵌め込む事。

オーパーツ起動に必要な7つの宝玉

赤色…悪鬼の記憶
インカ以前の太古に存在した…悪鬼(豪我)の戦いの記憶が封じ込められた宝玉で獄生門の扉の鍵

青色…人魚の涙
バミューダトライアングル周辺にいるとされる人魚の涙で海底洞窟地下7層へと進む為に必要な鍵

緑色…英雄王の記憶
ナスカ以前の太古に存在した英雄王の戦いの記憶が封じ込められた宝玉で…天生門の扉の鍵

紫色…禁忌の書
禁忌の書の力の一端を封じ込めた魔石で時を超えて過去に渡る為の最重要アイテム

黄色…精霊王の雫
太古の昔に存在した精霊王の力の一端を封じ込めた魔石で…ロストアイテム起動に必要な物

灰色…不死鳥の羽
不死鳥の羽が長い年月と共に姿を変えて化石化した魔石で不死鳥を復活させる為に必要なアイテム

白色…天霊神の記憶
St4世界の人間(CPU)たちが崇める神(天霊神)の記憶を封じ込めた魔石で伝説の迷宮。無の最果てに行く為に必要な迷宮の鍵。

ハネゴーグル
MAP機能
人工AI(ハーネット)
カメラ撮影機能
ナビシステム
メールの送受信
スキャンしてダンジョン等を解析できる
羽シリーズで書かれた文字や足跡を見る事ができる


ハネペン
ハネゴーグルでしか見えない文字を書ける

ハネシューズ
飛行機能
ハネゴーグルでしか見えない足跡を残せる
走力40%up
脚力40%up
行った事のある場所にテレポートできる

ダッシュボード
時速40Km~350kmまで出せるスノボのような乗り物で少し空中に浮きながら移動する。

マジックコート
透明化
変身機能
任意変換
Sフィールド(下級攻撃魔法の無効化)
敵の魔法攻撃を跳ね返せる
自身を含めた対象者3名までの姿を自在に操作できる。

Xキューブ(ぺぺ)
人工AI機能
文字の翻訳
スキャンしてダンジョン内を解析できる
変身機能(イルカや人間…盾…家‥舟など)
相手のスキル攻撃や魔法攻撃を吸収できる
敵の力量を数値化して測定できる
透明になれる
オート防御
オート攻撃
計算機能

ゴブゴースト専用アイテム

ただの混紡
ゴブゴースト専用の兜
ゴブゴースト専用の腰巻き

ゴブゴースト専用の兜
自分より弱い敵に認知されにくくなる
アンデット種全般の能力を20%増加
自身のHPと腕力を30%増加

ゴブゴースト専用の腰巻きの機能
自分より弱い敵に認知されにくくなる
行った事のある場所にテレポートできる
自身のHPと腕力を40%増加

キャラクター紹介

はじめ副長(鬼の副長)局長代理)

(種族(Missing Devil's Quarter)

魔法属性 (闇×火)
固有スキル

(鬼化)(チャージ)(暴走)(死神)

(幽体化)(憑依)(捕食者)(分裂)

ハネネズミのNo.2で組織の幹部の一人。オーガとスライム…ゴーストの上位種(死神)のクォーター種。通常時は和服姿の人のような姿をしていて追い込まれた際に鬼のような姿となり敵を駆逐する。その姿から「別名‥鬼の副長」とあだ名されており団員たちもこの姿のはじめには近付くのを躊躇うほどである。変幻自在の剣術は時をも切り裂くと言われはじめの周囲10m以内で敵は時魔法を発動する事ができない。また神である死神の眷属であるはじめにはアンデット種の弱点とされる天使魔法すらも無意味でほぼ全ての攻撃がはじめの身体をすり抜けて物理攻撃も魔法攻撃も意味を成さない。がそれは死神の力の断片にしか過ぎず…自分よりレベルが20以上低い敵ははじめの発する気に触れただけで死に至り(強制ログアウトさせられる)また下級ゴーストははじめに逆らう事はできず反逆しようものなら…その力を奪われて幽体性を失う。自身と同等クラスの敵と対峙した場合のみ振るうとされるはじめの神器(月読)は半径10m以内の敵の生気を奪い取り魔力に変換し刀の輝きが紫色に光り輝いた時にあらゆる時間を超越した超神速の居合い切りを放つ事ができるとされ。食らった敵は魂を刈り取られ(強制ログアウト)させられる。それに加えスライムの特性の一つに倒した魔物を捕食し食らうという能力が存在しはじめは今まで倒した全ての魔物の技を習得している。また特殊スキル(分裂)は自身の複製を創り出す事が可能とされていてこの力を使い無数のゴーストを創り出す事ができる。但し分裂する度に能力値のステータスが減っていく為最大1000体が限度である。はじめは普段この能力で様々な隊の司令官としてネコの姿で在中していて有事の際以外は基本ネコである。はじめが付けている首輪のヒモが切れた時はじめは通常時の人の姿へと戻り…その力を解き放つ。



シルバ・ゼル・ヴェルフ(種族(半狼))

魔法属性(闇×地)
固有スキル(狼化)
(英雄)(英雄神の加護)(銀狼)(守護)

ハネネズミ1番隊隊長で…銀狼のヴェルフとあだ名される凄腕プレイヤーである。銀髪の髪に金色の瞳をしていて鋭く尖った耳は他のプレイヤーの数倍の聴覚を持っている。また嗅覚も並外れていて匂いで敵と仲間の区別がわかる程である。固有スキル(狼化)は自身の姿を白くて巨大な狼の姿へと変化させる事ができて…この姿の時は通常時の100倍の戦闘力になる。人族固有スキル(英雄)と半狼固有スキル(銀狼)を合わせる事で…魔力消費なしであらゆるスキル効果を無力化して敵を攻撃する事が可能で…普段は腰に携えた刀を使い敵プレイヤーを斬り倒していく。時を司るとされる英雄神の加護をその身に受けた身体はあらゆる時間を超越し彼の前では時魔法が意味を成さないとされている。但し本人は時を止めるような高度な時魔法を発動する事はできず瞬間移動や少し先の未来を読む時読みが使える程度である。そんな彼に勝つための具体策は音羽のようなハーフエルフが使うチェンジライフというスキルで自らのライフがゼロになったところでシルバとHPを交換すると言った手法は有効とされていて…シルバにとってハーフエルフは少し苦手な相手である。そうした問題を防ぐ為にシルバは自作ソフトで作り出したチートアイテム銀狼のピアスを装着していてこのピアスの装備者はあらゆるスキル攻撃の影響を受けないだけじゃ無く…自身の傷を自動で回復してくれるというチートアイテムの一つである。


ゆん課長(種族(ハーフエンジェル))
魔法属性(光×地)
特殊スキル
(ぷぷ神の加護)
固有スキル
(大天使の加護)(浄化)(リザレクト)


ハネネズミの団員でヴァンビの相方。ゆんは自らが作り出したソフトでハネネズミの団員専用アイテムをいくつも作り出しており、団員たち全員が着用するハネシューズやハネゴーグルは全てゆんの自作アイテムの一つである。ハネシューズは団員たち全員に飛行能力や身体能力強化等の効果を作用し団員が敵に捕らえられた際には見えない足跡を残す。その足跡の痕跡を見つける方法はハネゴーグルをつける事で見えない足跡が見る事ができるようになる。またハネゴーグルにはカメラのような撮影機能や写真機能もついていて10km先まで拡大して見る事ができる。また敵がどこに隠れていようと透視する事が可能でサーモグラフィー画面に切り替えたりもできる。そうしたアイテムの数々はゆんが自作で作り出した物でハネネズミの団員以外は所持していない。海中探索ではXキューブ(通称ぺぺ)をイルカ型の潜水艦に変形させて海中探索を行っている。戦闘面では半天使と天使族しか使えない天使魔法をメインにして戦っており対アンデットには無類の強さを誇っている。またゆん専用装備…半天使の槍はあらゆる攻撃魔法を無効化しながら吸収して敵に跳ね返したり自身の傷を癒す為の魔力に変換したりできる。またハーフエンジェルの固有スキル(大天使の加護)はあらゆる物理ダメージを半分にして受けたダメージの分自身の魔力に変換するというものでゆんはこれらの能力を駆使して敵と戦う。

ヴァン・ハーネット・クラウン
(種族(Missing Devil's Quarter)
魔法属性(水×闇)
固有スキル(暴走)
(無吸遊泳)(幽体化)(鬼化)(チャージ)


ゆんの相方で…半魚人とオーガとゴーストのクォーター種。オーガの身体能力。半魚人の遊泳力。ゴーストの幽体性を合わせもちそれぞれの良いとこ取りを果たした一族である。普段は着物姿で人に角が生えたような風貌をしていて…その鮫肌も特徴の一つである。半魚人の特性から水中で無呼吸で活動する事ができてその遊泳速度は100Kmを超える。またHPが0になった際は鬼の姿に変化し暴走して理性を失う。この時のヴァンは通常時の200倍の戦闘力に跳ね上がりゆんさえも手に負えなくなる程である。またゴースト故にほぼ全ての魔法攻撃や物理攻撃はすり抜けてしまい意味を成さないだけじゃなく幽体時は敵の身体に憑依し乗っ取る事も可能でヴァンは戦闘面においてはこれらの能力を駆使して敵と戦う。

ワカバ(種族(Missing Devil's Half)
魔法属性(身×呪)
固有スキル(猛毒)(石化)(蛇化)(巨大化)

ハネネズミの団員でアマリザの戦友。種族名はミッシングデビルズハーフで…バジリスクとグレンデルのハーフ種。グレンデルの強靭な肉体とバジリスクの高い魔力を合わせ持っていて。背丈は2mを超える長身をしており…蛇のような瞳に…鋭く尖った牙が特徴的な種族である。近接戦闘を得意としており…軍隊式格闘術と刀剣術を用いて戦う。戦闘中わかゔぁは常に瘴気を発しながら戦っておりその瘴気に触れた者はあらゆるスキル効果を無視して石化する。その為敵は戦闘中、わかばが手や刀に纏わせた瘴気に触れないように戦わなければいけない。固有スキルは「蛇化」と「巨大化」で蛇の姿となった時はとてつもなくでかい大蛇となる。またわかゔぁの全ての攻撃には毒属性が付与されており並のプレイヤーなら攻撃が当たらなくてもその周囲に発生する毒素だけで倒せてしまう。

サフリザ(種族(ゴブゴースト))
魔法属性(地×火)
固有スキル(夜目)(幽体化)(ゾンビ)

元インカ帝国死霊兵団団長でハネネズミ2番隊の団員。ゴブゴーストと言われるゴブリンとアンデット種のハーフ種でゴブリンの高い身体能力とゴーストの幽体性を合わせ持つハイブリッド種。あみかとは同じ隊のメンバーで同じ任務をこなす事が多い。夜目がきき自分より弱い敵には認識すらされない為…奇襲に向いている。またその幽体性でほぼ全ての物理攻撃と魔法攻撃を無効化し…敵の攻撃の尽くがサフリザをすり抜ける。唯一の例外は天使魔法というゴーストにとっての弱点とも言うべき魔法でこの魔法を使える者との相性は悪い。そういった敵と出くわした際は自らの力でゾンビ化した者たちを盾にしてテレポーテーションで逃げる。というのが彼のお決まりの戦略であった。その臆病な性格から部下からは忌み嫌われる存在となりインカ帝国を追放される。その際致命的なダメージを負い死にかけていた所をハネネズミの団長であるオルフェに救われる。以降はハネネズミの団員として恩義に報いる為に様々な任務をこなしている。

東條音羽(種族(ハーフエルフ))
魔法属性(光×地)
固有スキル
(妖精王)(半魔力)(チェンジオブライフ)

ハネネズミの団員で人とエルフの混血であるハーフエルフ。本当は可愛らしい女の子のアバターをしているが。アイテム(マジックコート)でその姿を男キャラに変えてプレーをしている。その為ゲーム上では男言葉を使っている。そうするのには理由がありもし万一の事態が起きて敵に捕まってしまった場合に備えての事である。音羽いわく敵を騙すにはます味方から。という事らしい。そのかいあってか今まで何回かピンチになりかけたがその度に上手く切り抜けている。またハーフエルフならではの高い魔法スキルを持ち…固有スキル(半魔力)を持っていて…いかなるスキル効果を無視して敵に物理ダメージを与える事ができる。この力は幽体性を持つ敵にも有効で音羽は見えない位置から弓矢で敵を射抜いたりして攻撃できる。当時の死霊兵団団長であるサフリザも音羽の毒矢の餌食となり一時は死の縁を彷徨いかけた程である。また固有スキル(チェンジライフ)は自身のHPが0になっても一度だけ他者と自身のHPを交換する事が出来る。音羽はこの2つのスキルと高い魔法スキルを活かしてこれまで多くの修羅場をくぐり抜けてきたツワモノである。

折本あみか(種族(Missing Devil's Quarter)
魔法属性(時×闇)
固有スキル
(鬼化)(チャージ)(時闇の魔導書)
(眷属化)(自動回復)(霧化)(変身)

ハネネズミの団員でヴァンパイアとオーガと魔女のクォーター種。正式名はミッシングデビルズクォーターと言い。この名の由来は決して交わる事のない3つの種族が交わった為できた事が由来である。一昔前に消えたヴァンパイア、一昔前に消えた魔女。失踪したオーガ等を先祖にもつ家系で…オーガの身体能力、吸血鬼の回復力、魔女の高い魔力を合わせ持ち3つの種族の良いとこ取りを果たした一族である。普段は仕込み杖を用いて魔法をメインにして戦っていてサフリザのような幽体性を持つ敵と戦う際には時を止めた上で相手が幽体になる前に眷族にしたり、強い魔法攻撃を放ったりしている。また近接戦闘においては杖に仕込んだ刀で敵を切り裂き、追い込まれた際は頭に角が生えて全ての能力が大幅に上がる。また吸血鬼ならではの高い回復力はあらゆる傷を自動で治し…コウモリになる事も霧となって姿を消す事も可能で…あみかはこれらの能力を状況に応じて使い分けて敵と戦う。


根岸陽太 (ぎし)(種族(ドラゴノイド)
魔法属性(炎×身)
固有スキル(龍化)
(目覚め)(英雄)(守護)(硬質化)

ハネネズミの団員で本作戦における音羽のパートナー。種族はドラゴノイドと言われる人とドラゴンの混血種で…名前の語源はヒューマノイドから来ておりドラゴンによく似た生物という意味合いから来ている。ドラゴノイド特有のスキルとしては(龍化)というものがあり自身の身体をドラゴンへと変化させる事が出来る。また人族固有の魔法スキルも使え…ドラゴンの高い身体能力と人族の知性を合わせ持つ種族である。その頑強な肉体は並大抵の攻撃ではビクともせず…対サフリザ戦においてはぎしの背に乗った音羽が遠距離から弓矢で攻撃して大いに苦しめた。音羽が攻撃しぎしが防御に回ることでサフリザは完全に抑え込まれ撤退を余儀なくされた。またサフリザ自慢のゾンビたちはぎしが吐くブレスで壊滅的なダメージを受けその戦いでこれまでゾンビ化したプレイヤーの多くが復活し自慢の手駒を失ったサフリザは次第にインカ帝国でその影響力を弱めていき追放された。またその時の戦いで人族固有のスキル(英雄)を取得したぎしはあらゆるスキル効果を無視した大技(インフェルノブレス)を覚え…それまで以上の強さとなった。ただしこのスキル発動中は常に魔力を消費している為そうそう何発も撃てるものではない。その為躱されたら魔力を浪費し続けるだけで長期戦には向かないスキルである。

ルナ(種族(ダークエルフ))
魔法属性(闇×地)
固有スキル(妖精王)(幻惑の瞳)(闇魔導)

ハネネズミの団員で妖艶な見た目に黒色の髪鋭く尖った耳が特徴的ないたずら好きなエルフ。エルフならではの高い魔力と器用さを武器としており…得意属性は別次元に干渉する事のできる闇属性の魔法である。また固有スキル(幻惑の瞳)はその目で視認した特定の相手の心を射抜き自身の下僕として操る事ができるというもので‥インカ帝国時代はこの力を使いアマリザを傀儡のように操っていた。また固有スキル(闇魔導)は自身が使う闇属性魔法の威力と効果を増大させ…自身の周囲1km四方に呪詛結界をはることでその空間内において敵のあらゆるスキルを封じる事ができる。戦闘面においては扇子のようなモノを武器としていてその扇子を媒体として様々な闇魔法を飛ばして攻撃するのがルナの戦闘スタイルである。



リック(種族(ワームイーター)
魔法属性(身×呪)
固有スキル(種族変換)

ハネネズミの団員でシルバの腹心の一人。元々は衛兵プレイヤーだったが転生後にワームイーターとなった。ワームイーターは自身の姿を様々な種族に変化させる事ができて…その姿形だけじゃなく…基本的スキルすらも使えるようになる。例えば人魚となる事で海中を無呼吸で自由自在に泳げるようになり、ドラゴンになる事で飛行してブレスを放つ事もできる。但しコピーできるのは基本スキルのみで各々の種族がもつ特殊スキルまではコピーできない。その為戦闘能力という一点を見てみると劣ってはいるものの各々の種族の天敵となる種族に姿を変える事でその問題をカバーしている。またリックは状況に応じて魔族になったり人族になったりして様々な任務をこなしていて海中で戦う際は半魚人の姿となり敵と戦う。ゴーストとなる事で敵に気付かれる事なく船内を移動し捕虜を救出したり、敵の船員の一人に成りすまして情報収集をしたりするのが主に彼の任務である。

インカ帝国領

錦総統(種族…悪魔)(真名ベルゼルガ)
魔法属性(???)
固有スキル(悪魔化)(暴走)
(黒炎)(変身)(絶対支配)(覇王)(洗脳)

武力で前国王を幽閉しインカ帝国を牛耳った元近衛兵団長で現インカ帝国の総統。種族は悪魔で先々代の王の眷属ベルゼブブ。普段は屈強な肉体をした大柄な男だが、見た目とは裏腹に強大な魔力を秘めておりハエに変身したりできる。追い込まれた際に自身の身体を完全な悪魔の姿(ベルゼルガモード)へと変異させ全ての身体能力が上昇する。得意な魔法は炎属性魔法で地獄の業火の残り火とされる黒い炎を使う。また絶対支配といわれるスキルを持っており自分よりレベルが10以上低い者は彼に逆らう事はできないとされている。しかも上位種の魔族しか使えないとされるスキル(覇王)はあらゆるスキル効果を無視して敵にダメージ与える事ができ、敵の攻撃を自動防御しダメージを負った場合は即座に回復し。回復するたびに全ての能力が上昇していく。それに加え錦はある一定の条件を満たす事であらゆる者を洗脳し意のままに操る事ができるとされており、この能力を使い五虎将を始めとする様々なプレイヤーを洗脳し錦は現在の地位を築いた。洗脳中プレイヤーたちはゲームへはログインできるものの自らの意思でキャラを動かす事ができずに歯痒い思いをする。その為多くのプレイヤーが洗脳された自身のキャラを取り返すべく新たなデータを一から作り直し打倒錦を掲げてプレーをしている。

スキル説明

狼種(獣人種)固有スキル
狼化(白い狼に変身)
(段階に応じて10倍、50倍、100倍の戦闘能力に上昇)
銀狼(スキル能力を魔力消費なしで発動できる)
種族変換(自身の種族を自在に変換できる)


人種固有スキル
(半分でも人の血が入ってれば習得可能)
英雄神の加護(発動中時魔法の影響を受けない)
英雄(魔力消費使用時間×10%)
(あらゆるスキル効果を無力化して敵を攻撃可能)
(体力が半分以下の時10倍の戦闘能力に上昇)
勇者(100倍の戦闘能力に上昇)
(段階に応じて10倍、50倍、100倍の戦闘能力に上昇)
守護(ダメージを受けても暫くの間ノーダメージ)
全知の魔導書
(自身が使う全ての属性魔法の威力と効果が増大)


天使種固有スキル
大天使の加護
(あらゆる物理攻撃を半分にして受けたダメージを魔力に変換する)
浄化(アンデットを浄化する聖なる光を全ての攻撃に付与)
リザレクト
(仲間を待機時間なしでゲームに再びログインさせる事ができる)
ぷぷ神の加護
(一定期間の間ぷぷ神が支配する空間に自身と敵を強制的に引きずり込みその空間内でのみゆんの全ての身体能力は上昇し天使魔法が神魔法へと変わり死神種にも攻撃可能になる。但し一度使うとゆんの全ての魔力を消費して小さな子犬の姿へと変わり暫くの間戦えなくなる)


※通常…HPが0になったりして強制ログアウト状態になるとゲーム時間での(1.75日)現実世界での1時間の間ログインできない

魚人種固有スキル
無吸遊泳
(海中を無呼吸で時速100kmで遊泳できる)
対話(海中にいる様々な生物と対話ができる)

鬼種固有スキル

鬼化(角が生えて戦闘能力が増大する)
段階に応じて10倍、50倍、100倍の戦闘力に上昇
暴走(HPが0になった時理性を失うのと引き換えにそれまでの200倍の戦闘力になる)
チャージ
(敵の魔法攻撃を角を媒体として吸収して自身を癒やしたり敵を攻撃する為の魔力に変換する)

アンデット種固有スキル
幽体化
(幽体となりあらゆる物理攻撃、魔法攻撃を無力化する)
ゾンビ(倒した敵をゾンビ化できる)
憑依(他者に憑依し身体を意のままに操れる)
眷属化(他者を自身の眷属にできる)
霧化(霧となって姿を消せる)
変身(コウモリ等に変身できる)
自動回復(自動で傷を治癒する)

龍種(爬種)固有スキル

龍化(ドラゴンの姿に変身する)
(段階に応じて10倍、50倍、100倍の戦闘能力に上昇)
硬質化(自身の身体の皮膚を硬くして身を守る)
目覚め(ダメージを受ける毎にステータスが上昇)
猛毒(全ての攻撃に毒を付与する)
石化(他者を石化させる)
蛇化(大蛇の姿へと変身する)
(10倍の戦闘能力に上昇)

怪種固有スキル
巨大化(自身の身体を巨大化させる)
(10倍の戦闘能力に上昇)

エルフ(妖精)種固有スキル
半魔力(魔力消費使用時間×5%)
(あらゆるスキル効果を無力化して敵を攻撃可能)
(魔力が半分以下の時10倍の戦闘能力に上昇)
チェンジオブライフ(HPが0になった時一度だけ他者とHPを交換できる)
妖精王(通常時の100倍の戦闘能力に上昇)
(段階に応じて10倍、50倍、100倍の戦闘能力に上昇)
闇魔導(自身が使う闇魔法の威力と効果が増大)
幻惑の瞳(その目で認識したプレイヤーを魅了して操る事ができる。)
※但し自身よりステータスの低い者に限る。
夜目(暗闇でもよく見える。普通の人間の10倍)

悪魔系スキル

黒炎(敵を焼き尽くすまで消えない炎)
変身(様々な者に変身できる)
悪魔化(通常時の100倍の戦闘能力に上昇する)
(段階に応じて10倍、50倍、100倍の戦闘能力に上昇)
暴走(HPが0になった時理性を失うのと引き換えにそれまでの200倍の戦闘力になる)
絶対支配
(自身よりレベルが10以上低いプレイヤーをコントロールできる)
覇王(魔力消費使用時間×10%)
(あらゆるスキル効果を無力化して敵を攻撃可能)
(自動防御×自動回復×回復する度にステータス上昇)
洗脳(様々な者を意のままに操る事ができる)

ハネネズミ(原版)

ハネネズミ(原版)

フルダイブRPG(st4)Missing Devil's Quarter。ゴブゴースト。ゲーム空間。エブリスタ投稿サイトにて改正版ハネネズミ(血の祝祭編)は現代ファンタジー部門日間トレンドランキング最高1位を獲得しました。

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 冒険
  • 時代・歴史
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-05-25

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted
  1. ゲームSTART
  2. 依頼達成に必要なアイテム
  3. キャラクター紹介
  4. スキル説明