裂傷

藤月犀窩

生きていると部屋が散らかる言葉が散らばるあなたが散りゆく なにひとつ拾えていない/部屋に砂屑が満ちていくのならそれでいいです たった今ひとつ思い出しました 助けてほしかったです ああ昔の話です/いまは いまは いまは これでいいです ぜんぶわたしがころしました ひとりで死に/ます/やさしい砂漠にナイフと月だけ光るのを、もうずっと数えています。数えています。こわれてしまいたかったのに、いくつもこわしてしまいました。さみしい熱病を忘れたくて、誰かのナイフがぼく/を 冷たく切り裂く/ 首筋/ばかり、思い 描く/から。(ゆるすなんてゆるさない)(しずかなばしょで眠りたい)

裂傷

裂傷

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2021-05-17

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