裂傷
生きていると部屋が散らかる言葉が散らばるあなたが散りゆく なにひとつ拾えていない/部屋に砂屑が満ちていくのならそれでいいです たった今ひとつ思い出しました 助けてほしかったです ああ昔の話です/いまは いまは いまは これでいいです ぜんぶわたしがころしました ひとりで死に/ます/やさしい砂漠にナイフと月だけ光るのを、もうずっと数えています。数えています。こわれてしまいたかったのに、いくつもこわしてしまいました。さみしい熱病を忘れたくて、誰かのナイフがぼく/を 冷たく切り裂く/ 首筋/ばかり、思い 描く/から。(ゆるすなんてゆるさない)(しずかなばしょで眠りたい)
裂傷