死神に拾われたエクソシストさん

完全に自己満作品です!!

プロローグ

「どうしましょうかね、これ」
「何が起こるかわかんねーからなぁ」

とある森のなか、四角い箱を前にして3人の青年が話し合っていた。彼らはこの世界を終焉へと導かんとする千年伯爵に対抗するために立ち上げられた黒の教団のエクソシストである。

「でも置いて行くわけにもいきませんし‥‥」

先程から話している老人かと見間違えるほどの見事な白髪をした少年はアレン・ウォーカー。

「でもこれ全然動かねーさぁ。」

アレンと話していたもう1人の青年、ひときわ明るい赤い髪と眼帯が特徴的なブックマンJr.ラビ。

「‥‥チッ」

先程から全く発言しない青年は長い髪と鋭い目が印象的な教団公認の冷徹人間、神田ユウ。

 彼らはイノセンスを探してこの森に来て、途中何度かAKUMAと交戦しながら見事イノセンスを見つけることができた‥‥のだが、問題が発生した。イノセンスがガラスのような箱に入っていてその箱がどうやっても動かないのだ。奇怪現象を起こすイノセンスのことだ、何が起こるかわかったものじゃないとアレンとラビが話していると、

「‥‥斬る」

言うが早いか神田が六幻を振り上げた。

「ちょ、待つさ、ユウ!」
「そうですよ神田!何が起こるかわからないんですよ!」

「知るか」

2人の静止を無視し神田が斬りかかった。
するとイノセンスがいきなり光だし、3人を光が包み込んだ。

「ちょ、これ何さ!ユウのせいさーーー!」

「そうですよ神田!何とかしてくださいよ!」

2人の叫びも虚しく3人はその場から消えてしまった。

出会いDside

「‥‥うっ」

気を失っていたアレンは目を覚まし、周りをキョロキョロと見回した。

(ここ、どこだろう?)

横を見るとラビと神田が倒れている。

「ラビ、神田、起きてください!」
「‥‥んぁ?」
「‥‥‥」

2人共目を覚ますと辺りを見回した。

「‥‥何か来るぞ」

神田が呟いたと同時に彼ら3人は10人ほどの人に囲まれていた。しかも全員刀を構えている。

「え?!えぇ?!」
「あらぁ...」
「‥‥チッ」

アレンは神田と初めて会った時の事を思い出した。

(あの時は本当に怖かったなぁ。じゃなくてっ)

六幻を発動しようとしている神田をラビと一緒に止め、刀を構えている人に説明をしようと口を開いた。
その時、

「待て、俺が変わる。」

後ろの方から声が聞こえたかと思うと、アレン達を囲んでいた人達がサッと避けた。後ろから出てきたのは、
(こ、子ども!!?)

そう、出てきたのは風になびく綺麗な銀髪に翡翠色の目を持ち、周りのそれとは違う白い羽織をはためかせる、子ども、だった。

「お前らは何者だ?」

アレン達3人が何と言おうか考えていると、

「答えられないのか?では質問を変えよう、どこからきた?」

「それが、森にいたはずなんですが‥‥」

「気がついたらココにいたんさ」
アレンの後をついでラビが言う。

「そうか。」

子どもは妙に納得したような顔になった。

「お前ら、"生きて"いるな?」

「「「?」」」

3人は質問の意味がわからず口ごもる。

「まぁいい、ついてこい!」

3人は大人しくついていくことにした。

「キミ、名前何て言うんさ?」

ラビが歩きながらきいた。が、

「他人に名前をきくときはまず自分から、常識だろ?」

と返事が返ってきた。その言葉にたじろきながら、

「俺はラビさ」
「アレン・ウォーカーです」
「で、あのポニーテールがユ‥じゃなくて神田さ」

「‥‥俺は日番谷冬獅郎だ。」

出会いBside

その日、十番隊ではいつものように真面目に職務をこなす隊長が、何かと理由をつけてサボる服隊長を怒鳴り付けていた。と、

「日番谷隊長、隊舎内に侵入者が入ったとの情報が!!」

「!‥‥そうか。」

確かに霊圧を探ってみると微かに変わった霊圧を感じた。

「松本。」

「はい、私はここで準備しときますね。」

いつもはサボってばかりの服隊長も、名前を呼ばれただけで俺の言いたいことを理解してしまう所は素直に凄いと思う。あとは、いつもこんな風にサッと仕事をしてくれると非常に助かるのだが、まぁ無理だろう。
霊圧を辿って行くと既に侵入者は隊の者に囲まれていた

「え?!えぇ?!」
「あらぁ...」
「‥‥チッ」

‥‥この霊圧は‥‥黒崎と似たような、少なくとも死者のものではないな。

「待て、俺が変わる。」

侵入者である3人は俺の姿を見てポカンとしている。

‥‥こいつら俺のことガキだと思ってやがるな。

だが今はそんなことに怒っている場合ではない。
聞きたいことは山ほどあるのだ。まずは、

「お前らは何者だ?」

しかし3人は何か悩んでいる、質問を変えるか。

「答えられないのか?では質問を変えよう、どこからきた?」

すると白髪の少年が喋りだした。

「それが、森にいたはずなんですが‥‥」

「気がついたらココにいたんさ」

‥‥コイツらに嘘をついている様子は見当たらないな。

「そうか。」

しかし気付いたらここにいた、というのが気になるな、後で涅にでも調べてもらうか。
それにコイツら、

「お前ら、"生きて"いるな?」

「「「?」」」

3人は質問の意味がわからないという顔をして黙りこんでいる。
そりゃそうだろうな、こいつらはここが死者の世界だと知らないのだから。

「まぁいい、ついてこい!」

まぁ、とにかくコイツらを松本に預けて総隊長に報告に行くか。

3人は大人しくついていくことにしたようだ。

「キミ、名前何て言うんさ?」

歩きながら赤毛に問われた。キミ、だと?お前より遥かに年上だ俺は!‥‥と怒りながら冷たく言い返す。

「他人に名前をきくときはまず自分から、常識だろ?」

赤毛は少し驚きながら自己紹介をした。

「俺はラビさ」
「アレン・ウォーカーです」

「で、あのポニーテールがユ‥じゃなくて神田さ」

自己紹介されたからにはこちらもするべきだろう。

「‥‥俺は日番谷冬獅郎だ。」

会議

執務室の扉を開けると松本が出迎えた。

「総隊長に伝えときましたよ〜。あ、その子達が?」

「ああ。」

松本がアレン達を見た。すると先程までうるさくしていたラビが静かになった、かと思うと、

「ス、ストラーーーーーイ「「黙れ」」‥‥はい。」

叫んだ。何なんだ一体‥‥。
2人(神田とアレン)の鉄拳をくらい頭を押さえているラビを無視して話を進める。

「松本、頼んだぞ。」

「任しといてください!」

何だか楽しそうな松本にウォーカー達を預け、一番隊舎に急ぐ。
扉を開けるとやはり、既に各隊の隊長が集まっていた。

「十番隊隊長日番谷冬獅郎、只今参りました。」

「うむ、全員揃ったようじゃな。では日番谷隊長、報告を。」

「はい。侵入者は3名、いずれもここへ来た経緯や理由、そしてここがどこであるかも分かっていないようです。さらに帰り方もわからないと。‥‥それから、恐らく彼らは黒崎と同じ生きている現世の人間である、と思われます。」

「フム、そうか、その者達に悪意や裏は見受けられなかったと?」

「はい。」


「日番谷隊長がそう言ってんだし大丈夫なんじゃない?ねぇ浮竹。」

「そうだな。」

先程から話しているのは八番隊隊長京楽春水と十三番隊隊長浮竹十四郎である。

「私の隊に寄越すといいヨ、実験体として使ってやるヨ」

今物騒なことを言ったのはこれまた奇妙な顔をした十二番隊隊長涅マユリだ。

「俺が気になんのは、そいつらが強ェのか強くないのかだけだ。」

隊長としてあるまじきことを言う彼は見た目が恐ろしければ、中身もおっかないという十一番隊隊長更木剣八だ。

「怪我人を増やすのは止めてくださいね更木隊長。」

「そうだぞ、無駄な殺生はするべきではない。」

更木に注意をしているのは四番隊隊長卯ノ花烈と七番隊隊長狛村左陣だ。

そして先程から一切口を出さず事を見守っいるのは、二番隊隊長砕蜂と六番隊隊長朽木白哉である。

ここで総隊長である山本元柳斎重國が口を開いた。

「そうじゃのう、まぁまだ確実に安全と決まった訳ではないからのぅ、ここは一人ずつ三つの隊に預けて様子見ということにする。」

各隊長何も反対意見が出ないので賛成なのだろう。

「そうじゃのう、ではくじ引きで決めようかのう。」

‥‥は?冬獅郎は声に出しそうになった。

(おいおい、そんな適当に決めていいのかよ‥‥)

そんなことを考えている間にも、どんどんくじは引かれていく。


(はぁ、‥‥結局あのメンバーになるとは)

一番隊舎から出てきた日番谷は幾分疲れた顔をしていた。
彼は今から隊首会で決まったことを彼らに伝えに行くのである。

入隊

日番谷が執務室に向かっている頃、アレン達は松本に大体の事を説明され、なんとなく自分達のおかれている状況を理解していた。

。しかし、いきなり死者の世界だとか死神だとか、理解しがたい単語が次々と出てくる
ラビとアレンは理解しようと努力し、神田にいたっては許容範囲を越えたのか途中から話を聞いていない。


そんな中、日番谷が到着した。

「あ、隊長〜おかえりなさい〜。一応説明はしときましたけど‥‥」

「そうか、お前らの処分が決まった。帰れるようになるまで一人ずつ違う隊に入って生活してもらう。」

「え!?一人ずつですか?!」

アレンが驚いて聞き返す。

「そうだ。今一番隊舎でお前らを入れてくれる隊の隊長が待っている、ほら行くぞ。」


なんとも強引な感じで日番谷に連れていかれるアレン達。

アレンは内心ドキドキしていた。

(どうしよう、師匠みたいな人だったら‥‥)

知らず知らずため息がでた。

そうこうしているうちに、目的の場所に着いた。

「開けるぞ。」

日番谷の声と共に扉が重そうな音をたてて開いた。


‥‥‥怖っ!


アレンは中の人を見ると顔をひきつらせた。
なんせ目の前にいる人は、身長は2メートルを越えるか越えないかぐらいで、顔に大きな傷痕、さらに眼帯をしている、そしてその髪型が、個性的、というか変だった。

(こっっ怖い!何で髪の毛の先に鈴がついてるんですか!?)

ラビの方を見ると彼も顔をひきつらせていた。

(なんか、ソカロ元帥みたいさ、おっかねぇ)


そしてもう一人の方を見ると、綺麗な顔立ちをしていて気品が溢れていた。しかし、醸し出す雰囲気は冷たく、厳しそうだった。

(まだ、この人の方がいいな。でもあの頭に着いてるちくわみたいな物、なんだろう?)


そんなことを考えていると、怖い人が口を開いた。


「神田ってのはどいつだ?」


「あ?」

神田がビビる様子もなく反応した。‥‥まぁ神田がビビるなんて想像もできないけれど。

「お前か、お前は俺の隊、十一番隊で面倒みることになった。細かいことは一角にでも聞け。行くぞ。」

「‥‥。」

怖い人が神田を連れて出ていった。それを見届けてアレンとラビはホッとした。

すると

「らび、というのはどちらだ?」

静かな声が聞こえた。

「‥‥俺さ〜。」


ラビが能天気な声を出した。

「そうか、兄は我が六番隊が預かることになった。」

そういうと六番隊隊長朽木白哉はさっさと歩いていってしまった。

「ちょ、待つさ〜!」

ラビが慌てて追いかけていった。


そして残ったアレンは、

「えと、僕は‥‥」

「俺の隊だ。」

日番谷が言い切った。


「ひ、日番谷くんの!?」

「日番谷隊長だ!」



それぞれ別々の隊でお世話になることになったアレン達、彼らに待ち受ける未来とは!

それぞれの日常

僕(アレン)はここ数日十番隊で生活してきて、なんとなくわかってきた。
ここ十番隊は隊の中では比較的人気が高く、隊の雰囲気もよく皆真面目に働いている。
いや、皆というには少し語弊があるかもしれない、副隊長以外皆よく働いている。そのおかげで、日番谷くんの苦労は絶えない。
しかし、2人はプライベートでも仲が良いらしく、よく一緒にいるところをみる。

そして、
「アレ〜ン、今日も遊びに来たさ〜」
ラビがよく来る。向こうからブンブン手を振りながら駆けてくる後ろには、これもお馴染みラビがいる隊、六番隊の副隊長、阿散井恋次。
僕達3人はいわば軟禁状態、


なので自分のいる隊から出るときは必ず席官以上が付き添うことになっているのだ。

「何してんさ」

いつもの問いかけ、

「別に、何もしてませんよ。」

これもまたいつもの答え。

(暇だな。)

この世界は実は今、反逆者が出るという大変な出来事があって、護庭十三隊のうち3つもの隊の隊長がいないという酷い状態らしい。

だから、どの隊も忙しく、アレン達にあまり付き合っていられないのである。

「暇さね。」

ラビも相当暇をもて余しているらしく、呟いた。

そんな様子を見かねた恋次が口を開いた。

「十一番隊に用事があるんだが、行くか?」

「!?行く行く!行くさぁ!」

ラビが楽しそうに手をあげながら言った。そして

「なっ、アレン」

と言った。アレンは行っていいものかわからず、戸惑っていると、その話を聞いていた日番谷が

「行ってきていいぞ。阿散井もいるし。」

と言ってくれたので、アレンは行くことにした。

「そういえば六番隊ってどんな感じなんですか?」

アレンがふと思ったことをきいてみる。

「どうって、うーん、隊長がすっごく硬い人さ。あとお坊っちゃま。全然喋ってくんないからつまんないさ〜。」

へらへらとラビが言った。

「そういえば恋次、十一番隊ってどんな感じなんさ?なんか隊長がめちゃくちゃ怖そうだったけど‥‥?」

「面白い隊だぜ。ちょっと血の気の多い奴がいっぱいいるがな。‥‥そういえばあいつ大丈夫なのか?女みたいな見た目だけど‥‥」

「それなら問題ないさ。ユウは強いから。」

「血の気多いですからね。」

「それはどういう‥‥‥」

『ガッシャァァーーーーーーン』

恋次の声を遮って人が窓ガラスを突き破って転がってきた。

「?!なんだ!?」

恋次達がその男に駆け寄ると、突然声が後ろから聞こえてきた。

「はんっ、口ほどにもねぇな、これに懲りたら二度と女顔とか言うんじゃねぇ。」

神田だった。

「ユウ!」

「か、神田!」

恋次は驚いて声も出ない。なんせ目の前でのびている男は、一角や弓親まではいかないまでも、戦闘に長けた十一番隊でも席官クラスの死神だったのだから。

「あーあ、墓穴ほったな。」

「彼、本当のこと言うとキレるからねぇ。」

後ろからまた声がした。今度は一角と弓親だ。

「一角さん!弓親さん!」

恋次が驚いた声を出した。

「いっけぇーゆんゆん!」

可愛い声が聞こえたかと思うと、アレンに大きな影がさした、

「よぅ、神田次は俺と殺ろうぜ」

アレンとラビはびくっと肩を揺らした。何せ目の前に更木だ普通の反応だと思う。

「あ?しねーよ、お前と打ち合いすると疲れんだよ。そこの兎やモヤシと殺れ。」

神田には怖がるという感情はないんだろうか、アレンがそんなことを考えていると更木がアレンとラビの方を向いた。

(め、目が、目がバッチリ合ってる!)

「お前らは強いのか?」

そんなことを聞いてきた。アレンがブンブン首を振っている横で、ラビは

「この子は強いさー」

と言い、逃げていった。

「ちょ、ラビーーー」

アレンが叫ぶがラビは既に遠くの方に見えている。しかし、更木は待ってくれない。

「そうか、お前は強いのか、理由なんかそれで十分だ俺と殺り合おうぜ」

「ギャーーーーーーーー」

アレンは全力失踪した。



そんな平和(?)なそれぞれの日常。



「ところで、ゆんゆんってユウのあだ名さ?」

「そうだよ、ウチの副隊長がつけたね、だけど呼ぶときは命を捨てる覚悟でね。」

ラビの問いに弓親が答えた。

「今度呼んでみるさ。」

「‥‥君、勇気あるね」

そして時計は動き出す

「ねぇねぇ千年公ぉ」

可愛らしい少女がこの世のものとは到底思えない顔をした。服がパンパンではち切れそうな大きな人(?)に抱きつく。

「ねぇ、あの子たちもこっちに来てるって知ってたぁ?」

そういうと千年公は大きな口をニィッと歪め、

「ハイV知ってますヨVこれからあちらに挨拶に行くのですが、ロードも行きマスカ?」

「うん!行くよぉ。早くアレンに会いたいなぁv」

少女がそう言った瞬間少女の肌が浅黒く変化した。そして妖艶な笑みをうかべた。


――――――――――――――――――――――――

その頃尸魂界では



「隊長!この書類はどちらに‥‥」

「あぁ、それは‥‥」

「隊長‥‥」

「それは、あっちに‥‥」

どうも、アレンです。僕は十番隊においてもらってるんですが、ここ3日くらい皆さんとても忙しそうにしています。

「・・・いいんですか?松本さん、仕事しなくて」

「冬獅郎が呼んでたさ。」

「十一番隊と違ってここの隊長は仕事するんだな。」

「何言ってるの!してるじゃない!アレンたちを見張る!」

「「「・・・。」」」

「‥‥何よ、その顔。」

「それより何かあったんですか?いつもより忙しそうにしてますけど?」

「うちの隊もさ」

「うちは殺気立ってるな」

「うーん、何かね、変な虚が現れたのよねぇ」


「変な?」

乱菊さんの話を要約すると、最近、虚と同じような霊圧だが、虚ではない何かが出没しているらしい。仮面を着けておらず刀も持っていない。そして、固くて斬ることができないという。その容姿はボールのようで銃攻撃をしてくるという。

「‥‥それって」

「ん?何か知ってるの?」

「AKUMAです/だな/さ」

「‥‥は?悪魔?」

乱菊は意味が解らないという顔をする。

「悪魔じゃなくてAKUMA。俺たちがいた世界ではそう呼ばれてたさ。」


「AKUMAか何だか知らないけど、何なのよそれ?」

「それは‥‥」

別に隠す必要もないのでアレンたちは乱菊にAKUMAやイノセンスの事を話した。

「要するに、そのAKUMAってのはあんた達が持ってる武器でしか倒せないってことね。」

「そーいうことさ。」

乱菊が納得したように頷いて、不意にまた疑問を持った顔になる

「でもそんな話一護に聞いたこともないわ。」

「?一護?」

アレンが尋ねた。


「あんた達と一緒で現世から来た子よ。」

「うーん、俺らがいた所でもあんまり知られてなかったさ。だからまぁ知られてなくても変じゃないさ。」

「そう。まぁいいわ、じゃあ私さっきの話し隊長に伝えてくるわ!多分あんた達にもこれから戦闘に参加してもらうと思うから、覚悟しておいて!」

「はい!」

「ようやく暇から抜け出せるさ。」

「‥‥‥。」

その時神田がいきなり六幻をかまえた。

「どしたんさ、ユ・・・ウ」

ラビとアレンも誰かの気配に気づく。

『やっぱり神田ユウは気づくの早いねぇ~』

どこからともなく声が聞こえてきたかと思うと、目の前にいきなり凝った装飾の扉が表れた。

「あれは、ロードの扉!?」

~番外編~神田と十一番隊

ざわざわ、朝から十一番隊は騒がしい。

「なんだなんだ?」

「隊長が手合わせするみたいだぜ。」

「斑目三席とか?」

「いや、違うみたいだぜ。」

「なんか女みたいなやつだって噂だ。」

「女ぁ?!」

事件は数時間前にさかのぼる


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『神田ってのはどいつだ?』

『あ?』

何だこいつ、でけぇな、何となくだがソカロ元帥に似てやがる。更木剣八を最初に見たときに思った。

「てめぇは強いのか?」

「は?」

隊舎に向かっているときにいきなり聞かれた。唐突すぎて間抜けな答えしか出なかった。

「まぁお前、細ぇし女みたいな顔してるし、あんまり期待はしてねぇけどよ。」

「あぁ?」

今何つった?こいつは、細ぇだと?女みたいだと?!

「やってやるよ、殺しても恨むなよ。」

「はっ!おもしれぇ!その意気でこい!」

で、冒頭に戻る。



「ねぇ一角、あれ誰?」

「あれじゃねぇのか?新しく表れた現世のやつ。」

「あぁ、そういやそんな噂も聞いたね、でも何で隊長といるの?」

「さぁ・・・」

一角と弓親が話していると、可愛い声が聞こえてきた。

「それはねぇ、ゆんゆんが強いかどうか調べるからだよぉ!!」

「ゆんゆん・・・?」

「それは彼のあだ名かい?」

「そ、ゆんゆんったら剣ちゃんに向かって殺しても恨むなよって言ったんだよ!!楽しそうでしょ!!」

「ふーん、あの隊長に・・・」

一角と弓親はニヤリと笑った。


「いつでもかかってきていいぜぇ!」

更木が大声で言う。

「六幻、抜刀!」

神田は六幻をかまえて走り出す。そのスピードの速いこと、

「彼、人間にしては相当速いね。」

弓親が感心したようにそう漏らす。実際神田の攻撃はとても速く、並の隊士ではやられかねない攻撃だった。しかしそこはさすが更木、

「弱ぇぞ!!」

神田の猛攻撃をいとも簡単に受け流す。

「チッ!六幻!災厄招来、二幻刀!!」

神田の刀が二本に増えますます攻撃速度が上がる。

「剣ちゃん、嬉しそう」

「一期以来の大物じゃねぇか?」

その時、神田の声が響いた

「二幻、八花蟷螂!!」

その威力はすごく、剣八に大きな傷をつけた。

「ハッ、まともにくらってまだ動けんのか、化け物だな。」

「ハッ、ようやく本調子だぜぇ」

更木と神田がともにかまえると、

「ストーーーップ!!」

そこに入ってきたのは、十三番隊隊長の浮竹十四郎だった。

「なんだぁ浮竹、おめぇも殺されたいのか?」

「いや、仲よくしてもらうのは一向にかまわないが、建物の破壊などの被害が激しいからな、今日はそこまでにしてくれないか?」

もっともらしい理由をつけて、二人を止めた浮竹。

「おめぇと殺りあうのは楽しかったぜぇ。」

剣八が神田に向かって言った。

「・・・チッ」

神田は舌打ちで返す。

「さぁ、二人とも傷の手当てを!・・・うん?」

浮竹が神田をみて怪訝そうな顔をする。神田は確かに更木の剣を受けて傷を負っていたはずだ、なのに、服は破けているのに傷が見当たらない。そんな浮竹の戸惑いを読み取ったのか、

「俺はこういう身体なんだ。」

といって歩き去った。その後ろから一角や弓親、やちるなどが話しかけ、あだ名がどうとか騒ぎながら隊舎に消えていった。

「仲、よさそうだな。」

いつのまにか夕日がかっていた空に浮竹の優しい声が響いた。

死神に拾われたエクソシストさん

いかがでしたでしょうか?これからも応援していただくと幸いです!!

死神に拾われたエクソシストさん

死神×D灰です!!短気な誰かさんのせいであの二人も道連れに死神世界へ!!

  • 小説
  • 短編
  • アクション
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-11-28

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

Derivative work
  1. プロローグ
  2. 出会いDside
  3. 出会いBside
  4. 会議
  5. 入隊
  6. それぞれの日常
  7. そして時計は動き出す
  8. ~番外編~神田と十一番隊