たわむれる

しめさば

隣に座っているのは
群衆の流れをすり抜けて
幽霊になってしまった人
話に耳を傾けながら
取り巻く空気を掃ってやる
身を任せられれば
心地が良いんだろうけれど
突然恐ろしい凶器となることもあるから
わたしは水をやる墓守でありたい

ふるまいはとても素直で
どうも芝居じみている
鏡に映る自分は
歯を見せずに目を細めた
大好きな顔で笑っている

それを見て笑う
こちらはこちらで
楽しいよ

たわむれる

たわむれる

「砂海の歪みで」より 2021年

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2021-05-12

CC BY-NC-ND
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