五月の雨
この足を一歩進めるように
戻れないのは何故なのか
五月の雨に打たれて
私にはそれが分かった気がした
小石が彼を跨ぐ私の姿を見上げるように
五月の雨に打たれて空を見たとき
私はその者の姿を見た
瞳を見た
雨を降らせる者
花を咲かせる者
太陽を燃やす者
宇宙を始め終わらせる者
この目を開く者
脳を働かせる者
心臓を動かす者
この唾を飲み込ませる者
五月の雨に打たれて
私はその者の一部であることに
恐怖さえ覚えた
その者は悠々と歩いていた
私を見下ろし
優しくも
冷たくもない目で
五月の雨
この足を一歩進めるように
戻れないのは何故なのか
五月の雨に打たれて
私にはそれが分かった気がした
小石が彼を跨ぐ私の姿を見上げるように
五月の雨に打たれて空を見たとき
私はその者の姿を見た
瞳を見た
雨を降らせる者
花を咲かせる者
太陽を燃やす者
宇宙を始め終わらせる者
この目を開く者
脳を働かせる者
心臓を動かす者
この唾を飲み込ませる者
五月の雨に打たれて
私はその者の一部であることに
恐怖さえ覚えた
その者は悠々と歩いていた
私を見下ろし
優しくも
冷たくもない目で
五月の雨