母なる海の破片

百均に売っていた地球を
わたしはここぞとばかりに買い込んだ

端をちぎって画用紙に撒き
惑星柄の造形を成す
1

その前は0だった
そのまた前は 無であった

白い雲のヴェールを被った
母なる海の破片でもって
ひとつのいのちの誕生を祝った

残留した地球はみごとに頬を齧られ
白壁に浮かべられ困った顔をしている

母なる海の破片

母なる海の破片

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-05-07

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