自選短歌 2021年4月

堕天使のようにコインは受け皿に堕ちた時から小銭と呼ばれる

今日僕は調整中の紙を貼りあたたかいものなんて出さない

うっとりと骨を見るのはマンモスが滅びたことを知っているから

卵だと渡されたから温めてみせているけどどうせ石でしょ

反射した強い光に眩む時リセットキーを押す黒い指

サイレンが街中追いかけ回しても窓の向こうに夜は立ってる

看板が聖火リレーを告げている何も強調しない字体で

ハードルを華麗に跳んでいた君とコロッケの匂いに立ち止まる

自選短歌 2021年4月

自選短歌 2021年4月

2021年4月に「うたの日」で発表した短歌からの自選8首です。

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-05-01

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