砂嵐

渡逢 遥

砂の味しかしない日々でも

相変わらず詩は書いていて

ひとり拙い詩を書いていて

気が狂ったみたいに叫んでいる

現実に焦点が合わなくて

行きたい場所が過去にしかない

現実に居場所なんてあるはずなくて

会いたい人が過去にしかいない

輪郭をなぞり損ねた分だけ

きみの歩調は速まっていく

きみの背中は明滅していて

追いかけた分だけ遠ざかっていく

地平線を死に喩えたところで

僕は永遠に辿り着けない

きみを忘れて生きたところで

僕は永遠に幸せになれない

往生際の悪い僕は今日も

ひとり拙い詩を書いている

砂嵐

砂嵐

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2021-04-30

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