連れてって

木枯らしの中
子犬が
空を見上げている
時折
しっぽをくるくると振って
人のあとを追い
また
もとの場所にもどる
いつしか
まわりに雪がちらついて
子犬は
小さくクーンと
すすりないた
少し前に通り過ぎた
男の子が
父親の手を引っ張ってきた
男の子は父親を見る
子犬は男の子に抱かれて
夕暮れの街に消えていった

連れてって

連れてって

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-11-27

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