叙景詩人

渡逢 遥

死ぬのは、今日かもしれないんだ。そう思いながら歩いている。そう思いながら歩くことでしか、おれは自分の生を実感できない。すべてが輝いてみえだしたのは、すべてが死を孕んでいることに気づいた時だった。永遠への憧憬は朽ち果て、おれは一日一日を、一瞬一瞬を愛するようになった。現実感のない言葉は今となっては存在せず、危うい色彩を放ちつづける世界の片隅で、おれは今日も、つまらないものを愛している。

叙景詩人

叙景詩人

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2021-04-23

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