optical rotation
001
左遷された梅の花を好む人ここの結界ぼくも好きです
溶液の綺麗なさまに満足で活用できない化学式たち
空き家の滲んだ染みはカップの茶渋主は忘れられてゆくけど
ごちそうさまは替わるお箸を置く音に明日もよろしく一人暮らし
002
真夜中ひとり 風は止まって
星は光る その光のあるじはもういない
ばかにされたくない思いがあるけど
今じゃ無理なの
何光年も離れていてほしい
誰かが見える
そこに生身のわたしはいないけど
報われる未来と
想像するだけで報われてない今
違いはあるの
わたし、あなたが見える
(これが届いたことで無力なわたしは星と化す
誰かにとっては遠い昔
わたしにとっては現在
現在、誰かのひかりを読んでいる
わたしは誰かを星にした)
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