雪月

靴を履き、ドアを開ける。


月光が窓に差す。
庭にはすっかりと雪が降りていて、月の灯を照らしている。
すっかり寝静まった町を見守るように、
森に住むふくろうが一羽空を飛んでいく。

凍えるような風が木を揺らし、枯れ葉を何処かへ運んでいく。
今年は少し早い冬の到来。
息をはくと白い煙がふわっと飛び出して、
目に見える冬が私を出迎える。
お気に入りの赤色のマフラーを巻いて、
揺れるコートの中に手を突っ込むといよいよ気分が高揚して、
私は華麗にステップを踏みだし、踊りだす。

街灯が灯る
風が歌う
小さな少女の影法師が路上で跳ねる


「あぁ!本当に冬がやって来たんだっ」

息をすぅぅ、っと胸いっぱいに吸い込んでみると、
頭を痺れるような綺麗な風が一気に身体を吹き抜けていく。
夜の透明な空気が殊更に純度を上げて私の中を満たしているのを感じて
私は堪らなくなり紫色の夜空へと両手を伸ばす。

明日からの楽しい遊びを思い浮かべながら。

雪月

子供のころ雪が降ると外に出たくてウズウズしてた事を思い出して
書きました。

ふくろうって冬場は冬眠中なのかな..ふくろう好きです。可愛い。
読んでくれてありがとうございました!

雪月

真夜中に降った雪を確かめに行く女の子の話です。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2012-11-26

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