渡逢 遥

目を瞑りながら

どこに手を振っているんだ

だれに手を振っているんだ

とうに使えなくなった

言葉を拾い集めながら

何を眼裏に描いているんだ

(泡沫の中からみえる景色は

一様に美しかった

それが苦しかった、それは

存在自体が傷ということだから)

死を目前にして

僕は明日を望まない

きょうの空が

泡沫から見上げる空が

きのうと変わらず

僕を苦しめてくれたら

生きていてよかったと思えるから

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2021-04-09

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