【超短編小説】ネクタイたち
六井 象
深夜。公園の木の枝に揺れる、男の首吊り死体の下、色とりどりのネクタイたちが、とぐろを巻いて頭上を見上げている。その視線の先には首吊り縄。きゅっと締まった首吊り縄。それを見て何を思うネクタイたち。やがて朝が来て、死体の周りにカラスが集まり出す頃、ネクタイたちはめいめいとぐろを解き、それぞれの思いを抱きながら、それぞれの家のクローゼットに帰っていく。何を思ったネクタイたち。今はとりあえず早く帰ろう。目指す首はすぐそこだ。
【超短編小説】ネクタイたち
六井 象
深夜。公園の木の枝に揺れる、男の首吊り死体の下、色とりどりのネクタイたちが、とぐろを巻いて頭上を見上げている。その視線の先には首吊り縄。きゅっと締まった首吊り縄。それを見て何を思うネクタイたち。やがて朝が来て、死体の周りにカラスが集まり出す頃、ネクタイたちはめいめいとぐろを解き、それぞれの思いを抱きながら、それぞれの家のクローゼットに帰っていく。何を思ったネクタイたち。今はとりあえず早く帰ろう。目指す首はすぐそこだ。
【超短編小説】ネクタイたち