Voice 〜精霊の声〜 第一章
今回はファンタジーを重視したとっても美しいストーリーです!楽しんでよんでください!
誰か助けて...私はもうだめだよ...もう何も見たくないよ...もう何も感じたくないよ...もう何も聞きたくないよ...争いはやめて...誰か...助けて...
僕の名前は音里アイク。2年前に家をとびだして、森をさまよい続けている。毎日、居場所もわからずにただ歩くだけだ。もう2年まるきり、誰とも話してない。でも僕には試練があるんだ。この森の中にある伝説の『幻』を見つけることだ。
「う〜〜〜〜っ!やっぱりあの『幻』は存在しないんだ...はぁ〜。ひきかえすにも2年分歩いたんだし...帰れないよな...」
『誰か助けて...私はもうだめだよ...もう何も見たくないよ...もう何も感じたくないよ...もう何も聞きたくないよ...争いはやめて...誰か...助けて...』
「ん!?なんだ、この声?」
『誰か助けて...私はもうだめだよ...もう何も見たくないよ...もう何も感じたくないよ...もう何も聞きたくないよ...争いはやめて...誰か...助けて...』
「...君は誰?何処にいるの?大丈夫!?」
『...あなた私の声が聞こえるの?』
それはこの世で最も美しい声だった。僕が助けないとこの娘は死んでしまう、そんな気がした。
「聞こえるよ!君の名前は何?」
僕の声は森の中を響き渡っていた。
『私の名前はルナよ。お願い、私を助けて!』
フランス語で月とういう意味の名前を聞いたとたん僕の頭の中は『懐かしい』という文字で埋め尽くされた。
「ルナ、君は何処にいるの?」
『この森の中心にあるとっても大きな木の下の池にいるわ。』
「えっ?それって最低2㌔遠くだよ。そんな遠くに居たら、君の声が聞こえる訳がないじゃないか。」
『...』
僕は突然の沈黙に寂しくなった。
(こうなったら一か八かだ。)
「ルナ、待ってろ、今君を助けにいくから!」
『ありがとう』
(ルナ...何処かで聞いたことのある名前なんだよな...誰だ...思い出せない...思い出せ、アイク!)
20分走ってやっと辿り着いた大木の下の池はとっても美しかった。僕が見た景色で一番美しかったといっても良い。
「あっ!ルナ!?」
僕は言葉を失った。池の上に長い金髪の少女が居たんだ。
いや、居た...というよりも...浮いてたんだ。
『誰か助けて...私はもうだめだよ...もう何も見たくないよ...もう何も感じたくないよ...もう何も聞きたくないよ...争いはやめて...誰か...助けて...』
「ルナ?助けに来たよ」
『あっ!あなた、本当に...来てくれたのね...』
ルナという名の少女の美しい青眼は涙のせいで普通以上に光っていた。彼女は、とても美しかった。僕の心臓は告白をする寸前のように鼓動が早まっていた。僕はうなづくことしかできなかった。
『あなたが...あなたが私の最後の望みだったの!』
彼女は僕に駆け寄って抱きしめられた。
『ありがとう...ありがとう!』
「ううん。それで、君はどうしてこんな森中にいるんだ?」
ルナは深呼吸をした後、僕の見つめ語り始めた。
『私は300年前お父様のフォイレから受け継がれてからこの森を守り続けてきた精霊のルナよ。』
精霊?
「まさか...そしたら君が伝説の『幻』か?」
『私、噂になってたのね...実は13年前私の双子のルミエが魔の王にさらわれて、私はこの池に閉じ込められたの。それから森を守ろうとしても心のパワーが足りなくて守り抜くことができなかったの。私の心の声が聞こえるひとはいないはずなのにあなたには聞こえた。きっとルミエを助けられるのは、あなたしかいないわ!』
(やっぱり...だからこの森にはあれがなかったんだ。)
「事情はわかったけど...僕には助けられないよ。」
『えっ!でも私にはあなたしか希望がないの!おねがい...』
僕は顔をすくめた。
(僕はこれから人生に関わる大きな判断をしなければいけない...この娘を救うか...救わないか...)
「...僕が、あまり役に立つか知らないけど...とりあえずは助けてやってもいいぞ。」
僕は顔をあげて彼女を見た。彼女の青眼は乾いていたのに光っていた。
Voice 〜精霊の声〜 第一章
今回のストーリーは神秘的に仕上げてみました!夜遅くにやったから親に怒られちゃったやww