おめでとう!SSRを引き当てました

盛大な自分語り。暴露です。変人な自分を愛するために。

自己分析、というものをしたことがあるだろうか。
私の場合、就職活動をする前に自分自身のことを知り自分に合った仕事を探しましょう……という話を聞いたのがこの概念を知ったきっかけだった。

学生だった私はこの自己分析というものが気に入り、2、3年かけて自分のことを調べ尽くした。というのも、私は昔から自分が変わっている変な人という自覚があったからだ。変人というよりは周りと違うという感覚。自分が特別だというよりは、普通より劣っていると感じていた。どうしても周りの人のように「普通」になれない。あまりにも最初からそうだったから、どうして自分は普通になれないんだろうという考えはずっと昔に無くしていた。

せっかく調べた自分自身についてのことを、人に話したことはない。でもせっかくだから文章という形にしてみようと思った。

【自分自身について】
・元場面緘黙症である。
・対人恐怖症(視線恐怖)
・スキゾイド(シゾイド)気質であること
・aromatic asexual であること
・agenderに近いこと
・アダルトチルドレンであること

私はこの自分自身の性質を不幸だと思ったことはない。誇りに思ったこともないが自分を理解するためには知る必要があったと思う。

この文章を書こうと思ったきっかけは、意図的に隠されていた自分のルーツを知った日に、妹が「普通」になれなくて悩んでいるらしい、という話を聞いたからだ。なんだ、あの子もそうなのかと思った。そういえば私も昔は周りから言われるがまま、「友達を作らなくてはいけない」と思い込んでいた。
しかし友達はできてもすぐ自然消滅するし、友達がいなくても平気だということに割とすぐ気がついた。
最初はそのうち一人くらいは気の合う人間が現れるかと思っていたが、そんなことはなかった。

【人間に興味がない】
他人のことを知りたいと思う気持ちが少ない。
一般的にはどうなのか私は体験したことがないからわからないが、子供の頃から不思議に思っていた。
人は他人に興味があるものらしい。そして自分のことを知ってほしいと考えるみたいだ。その点は私もこうして自分のことを語っているので、そこは普通の人になれるらしい。

【恋愛観について】
「恋をするとドキドキするらしい。」一般常識として見たり聞いたり読んだりで知っている。
私はこうした動悸を感じることが極端に少ない気がする。例えば運動をした後や楽しみにしていた映画を見る前、人前で発表するなどしたときは脈拍が速いのがわかる。しかし人間に対して動悸がするという状態を体験したことがない。不思議で、興味のある事象だ。

【女の人になりたくない】
昔から、化粧に興味がなかった。自分のことは女子だと思っていたけれどどうしても大人の女の人になりたくないという気持ちがずっとあった。
大人になり働いてしばらくしてから気づいたのだが、私は大人になりたくないのではなく、「大人の女の人」が一般的にすることの全てが嫌だったのだ。
化粧をして働いて、結婚して子どもを産む。
この全てが嫌だった。男性と性的な関係になることが生理的に無理だし、子どもを産むなんて考えるだけで吐き気がする。そもそも女だからといって当たり前に男性とパートナーになる前提の世の中が理解できない。一般的に、女性は男性より当たり前にヘテロセクシャルだと思われている率が高い気がする。ヘテロ以外の女はいないことにされていることにうんざりする。

【創作活動について】
私は時々オリジナルの小話を書いたり、二次創作小説を書いたりする。
「青の国で」は構想に1年、執筆に2年以上は費やした。恐ろしいほどの遅筆なのだが、作家ではないので何も問題はない。人間に興味がないなら何が好きかというと、物語・空想の世界が好きだった。
頭の中に広がった世界をアウトプットしないと次の世界が考えられないので書くことにした。
お話を読むことも好きなのだが、大人向けの作品になるほど登場人物の気持ちが理解できなくなるのだ。だから児童文学が好きなのだと思う。
自分が共感できる創作物がなかなか見つからないので自分が共感できる主人公を書こうと思ったのが「青の国で」だった。拙作であるが、私自身はこの作品を書いて良かったと思っている。また、書いているときには気づかなかったのだが、主人公がある人物から言われる台詞「変わらなくていい、そのままでいい」は私自身が求めている言葉なのかもしれない。
何にせよ私にとって、あの世界は大事な存在である。

創作をする中で、登場人物の気持ちが理解できないことがよくある。歌や他の物語を参考にするのだが、不自然な仕上がりになっていることは間違いない。何かで「創作者にとってマイノリティであることは共感を得られにくいためハンデである」という言葉を見たのだが、それはとても核心をついていると思う。

【一人で生きていくために】
この国で、女一人で生きていくのはなかなか大変だ。
少し調べればわかる。だから私は一人で生きていこうと決めたときに、「人と話せないこと」を克服しようと決意した。
いわゆる「大学デビュー」をして、話せるようになろうと頑張った。かなり無理をしていたがそれでも私は「クラスで一番おとなしい子」であった。
一人で稼いで生きていくためには、社会に求められる人になる必要がある。会社に求められるのは、ハキハキ話し、明るくて人当たりが良い人間だ。何か特別な才能でもない限り、私のような根暗な人間は必要とされない。このことについて思うことはたくさんあるのだが、今となってはこの選択は間違いないと言い切れる。だが、私にとって「普通の女の人」のふりをするのは難しい。化粧はしたくないから最低限以下の薄化粧で、あと一番できないのは「男の人を好きなふりをする」ことだ。別にしなくてもいいのだが、世間話を変な空気にしないためには少し必要だ。

いわゆる素の自分で過ごすことは変わっている人だと思われる覚悟ができていれば気分が良い。でも未だ、普通の人を無意識に演じてしまう自分がいる。
演じることは悪ではないが、今は、この文章を書いたことが生きやすい未来への歩みになることを願う。

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  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-03-20

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