春にくるアレの話

「ぶぇっくし!」
自分から出たとは思えないくしゃみをハンカチで押さえ込むと、はっきりとやつの存在を感じ取った。
 毎年毎年春に飛来しては、何百万、もしかしたら何千万の人間を鼻水やくしゃみ、目のかゆみの淵に追いやる。
 そう、花粉、である。しかし何がそんなに怖いというのか?たかが植物の粉である。まだ人間様に勝てるわけ・・・
「はっくしょい!!」
 訂正しよう。やはり花粉は手強い。くしゃみするたびにこうでは、日常生活もままならない。
 いつか、人間と春の花粉の代表格の杉と話ができる日が来るのだろうか?そんなド○えもんの道具みたいなのが開発される頃には、自分はもういないだろうが、それまで人類の戦いは終わらない。

春にくるアレの話

春にくるアレの話

小説と随筆の中間みたいになりました。

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-03-17

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted